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裏通りと薬剤師
疾駆
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数刻前ーー
馬車の車輪が軋む。
エレナは前のめりで手綱を握る。
早く。
早く。
あんなにもの悪意が集合するなんてことが……。
エレナは初めて遭遇した悪意に嫌悪と恐怖を同時に感じた。
体の震えが止まらない。
あんなたくさんの悪意をたった四人なんて無理に決まっている。
でも、下を向いても始まらない。その事を私は学んだ。
戦えない自分の戦場はここではないということも知っている。自分の出来る事をするんだ。
この短い間に学んだ大切なことのひとつ。
何が出来る? 考えろ。
キルロさんの実家?
もっと近くにないか? 助けになりそうな……。
マナルさん!
マナルさんなら自分より的確な判断をしてくれるはず。
反射的に馬車を走らす。
急げ。
「マナルさん!! マナルさん!!」
扉を激しく叩く。
焦る心がそのまま出てしまう。
早く。
扉の隙間から怪訝な表情が顔をだす。
こちらを確認すると、少しびっくりした顔をみせるマナルの彼氏さん。
「うン? キルロのとこノ………」
「エレナです! マナルさんはいますか?!」
エレナの勢いにカズナは気圧される、なにか良くないことが起きているのは一目瞭然だった。
カズナはエレナを落ち着けるためにあえてゆっくりと抑え気味の声で話す。
「マナルは出ていル。どうしタ? 何があっタ?」
カズナの落ち着きに、エレナも少し落ち着きを取り戻す。
拳にグッと力を入れ、真っ直ぐにカズナを見てゆっくりと口を開いた。
「【キルロメディシナ】が大勢に囲まれています。キルロさんたちが四人で相手をしていますが、助けが必要だと思うんです。ど、どうしたらいいでしょう……」
カズナの目が変わった、穏やかだった雰囲気は一変し瞳に鋭さだけをたたえる。
「すぐに行ク。あんたはネスタの所に事情を説明に行くんダ」
「分かりました!」
カズナはすぐにメディシナへと向かった、兎人の脚力を十二分に発揮する。
脱兎のごとく駆け抜けていく、姿勢を低く爆発力を持って一本の矢と化す。
速く!
もっと速く!
フェインの蹴りが手負いの狼をあっさりと蹴り上げる。
体中がボロボロの狼に抵抗する術もなく地面で白目を剥いた。
「あ! コラ、今ダメだって!」
メディシナの二階から様子を見ていたニウダが手をのばす。
伸びる手はかすめることすら出来ず、キノは扉から飛び出した。
青い炎が心に灯る。
一直線に疾走する。
白い一筋の光を描き、二枚の盾を失った小男に飛びこんで行った。
「キノ?!」
フェインが驚きの声をあげると、小男の背中から首筋に白銀の刃を当てる。
「殺すのだけはダメですよ」
穏やかに諭すフェインを一瞥すると刃にグッと力を込めた。
首から伝わる金属の冷たい感触に小男が震え上がる。
後ろにいるのが幼女とも知らずガタガタと奥歯をならし、恐怖に顔が青ざめていく。
その不格好ともいえる姿に武器を振りかざしていた亜人たちは気がつき、バラバラと攻撃の手が止んでいった。
ハァハァハァ⋯⋯。
マッシュが顔を上げ荒い息づかいを整える。
「どけや!」
ユラは側で立ちすくむ敵を邪魔だとばかりに盾で突き飛ばす。
幼女に大の大人が襲われているという奇妙な光景に、遠巻きにのぞいていた住人たちから静かなざわめきが起こった。
「止めろ! 止めてくれ!」
マッシュとユラはゆっくりと近づいていく。
恐怖に怯える目でひたすらに懇願する。
さてどうしたものか。
殺すのは簡単だが一国と構える事になったら面倒だ、殺すはなしか。
手出し出来ないように監禁したところで国が出てきたら同じだ。
解放するしかないか、とりあえずこの場は治まるが……。
土煙がおさまり、辺りは傷ついた者たちが肩を借り、行方を見守っている。
「なあ、おまえさん誰だ?」
マッシュは小男の横から顔を近づけた。
おびえた視線をマッシュへと向ける。
「こんなことしてタダで済むと思うのか!」
小男が振り絞った最大限の強がりを見せる。
所詮搾りかすだ、言葉に力などありはしない。
マッシュは口角をあげ笑みをこぼす、瞳はギラつかせたまま耳元で呟く。
「そうか。なら殺しても一緒だな。死んどくか?」
淡々と朗々と低く穏やかに言葉を放つ。
小男は目を見開き自分の置かれている状況を精査すべく思考する。
睨まれて身動きのとれない小動物のように震えることしか出来ない。
「ま、まて! どうして欲しい? どうすればいい?」
マッシュは立ち上がり小男から離れた。
「ウチの団長に手を出して無傷で帰ろうってのは、どうなんだい?」
小男の動揺が手に取るように伝わる。逃れる術を持ち合わせていないことも、どうやら気がついたようだ。
この状況で詰んでいないとは思うまい。
形勢逆転。ガタガタと震えの止まらない小男を見つめ、わざとらしくほくそ笑む。
「あんたを殺すのもぶっ飛ばすのも簡単だが、あんたがもうここにちょっかいを出さないって約束するのなら、オレたちはあんたを解放するのもやぶさかじゃあない。どうする?」
「約束する、約束する、引き返そう、今すぐにだ!」
涙目で懇願する姿にマッシュは嘆息する、哀れといえばそれまでだ。
こちらも傷だらけで甘い采配だが深い追いして追い詰め過ぎるのも得策ではない。
仕方ないか。
「甘くねえか?」
「甘いよな」
ユラが頬を膨らまし不満を見せた。
逃げ出していく小男とその仲間たちを見つめ、もう少しなにか出来たのではないかと深く逡巡する。
遠ざかる赤いマントが見えなくなると住人たちが明るい顔を見せ始め、途端に感情を爆発させる。
『オオオオオオー!!』
住人たちが窓を開け放ち、通りに飛び出し喜びを分かち合うかのように歓声が上がった。
マッシュやカズナはその光景を見渡し、戸惑いの表情を見せ、フェインはびっくりしてユラに抱きついた。
マッシュは逡巡する。虐げられた人たち、虐げていたヤツら、退けたオレたち、そんなところか。
エレナの話だとヤクロウってヤツはここのヒーローだ。それを守り悪人どもを退けたらオレたちもヒーローか。
かりそめでしかないぞ。
根本的な解決にはなっていない。
ヤツらはまた来る。難癖つけて間違いなくやって来る。
その度にこんなのはやってられんし、ヤツらも出方を変えて、あの手この手でくるばずだ。
読めない次の一手が逆に気持ち悪い。
常に後手後手で対処していてら、近いうちにこちらが破綻する。なんとかしなくてはならないのだが……。
歓声の中マッシュはひとり浮かない表情で嘆息する。
「これはいったいなんの騒ぎですか?」
歓声を見回しながらネスタが現れた。沸き起こる歓声に目を丸くしている。
「? キルロさん?! 大丈夫ですか??」
微動だにしないキルロの姿に慌てて駆け寄った。失っているだけなのを確認すると安堵のため息を漏らす。
「運んで治療しましょう」
エレナの提案にボロボロの待合いを片付け長椅子に寝かしつける。
触診をしながら、必要なものを手際よく準備した。
傷だらけの体に変形するほど腫れた顔に胸を痛める。
こんなことしなくてもいいようになればいいのに。
ボロボロになった待合い、ボロボロのキルロを住人たちが外からのぞき込む。
いつのまにかメディシナを凄い数の住人が取り囲んでいた。
年寄り、子供、女、男、老若男女問わず心配そうに中の様子を伺っている。
マッシュがエレナを軽く小突き住人たちを顎でさした。
エレナは顔の前で激しく手の平を振る。
「む、無理、無理ですよ」
マッシュは無言でエレナを一瞥するだけだった。
とまどうばかりのエレナの肩に唐突に手が置かれた。
「お嬢、お願いします」
振り返るとニウダがいい笑顔を見せていた。
諦めにも似た笑顔で顔を上げ、入口へと向かう。
誰か言ってくれればいいのに。
扉から出てきたエレナに住人たちの視線が一斉に向けられる。
こんなにたくさんの人から視線など浴びたことがない。
心臓がバクバクと飛び出しそうだ。
顔も熱っぽいのが分かる。
はぁ~
大きく息を吐いた。
「み……み、みなさま……」
静まりかえる。
おお⋯⋯注目が………
「キ、キルロさんは大丈夫ですので、お家にお戻りください!」
一斉に吐かれる安堵のため息。住人達は良かったと口々に言いながら、帰宅していった。
緊張した……。
「ごくろうさん」
マッシュが背中をトンと叩いた。
エレナはマッシュを睨むと、いい笑顔でマッシュは応えた。
「それでオーカのヤツらは追い払ったのですか?」
「一応は、焼け石に水って感じがしないでもないが」
ネスタが住人をいなくなったことを確認して口を開く。すっきりと割り切れない感じが言葉から伺えた。
「う、う~ん、あれ?? なんで、ここで寝てんだ? あれ? ネスタ? カズナ? うん???」
「よお、起きたか。一息入れているとこだ、おまえさんも一息入れろ」
状況が飲み込めないキルロが怪訝な表情であたりを見回すと、その姿に空気が少しずつ緩んでいった。
馬車の車輪が軋む。
エレナは前のめりで手綱を握る。
早く。
早く。
あんなにもの悪意が集合するなんてことが……。
エレナは初めて遭遇した悪意に嫌悪と恐怖を同時に感じた。
体の震えが止まらない。
あんなたくさんの悪意をたった四人なんて無理に決まっている。
でも、下を向いても始まらない。その事を私は学んだ。
戦えない自分の戦場はここではないということも知っている。自分の出来る事をするんだ。
この短い間に学んだ大切なことのひとつ。
何が出来る? 考えろ。
キルロさんの実家?
もっと近くにないか? 助けになりそうな……。
マナルさん!
マナルさんなら自分より的確な判断をしてくれるはず。
反射的に馬車を走らす。
急げ。
「マナルさん!! マナルさん!!」
扉を激しく叩く。
焦る心がそのまま出てしまう。
早く。
扉の隙間から怪訝な表情が顔をだす。
こちらを確認すると、少しびっくりした顔をみせるマナルの彼氏さん。
「うン? キルロのとこノ………」
「エレナです! マナルさんはいますか?!」
エレナの勢いにカズナは気圧される、なにか良くないことが起きているのは一目瞭然だった。
カズナはエレナを落ち着けるためにあえてゆっくりと抑え気味の声で話す。
「マナルは出ていル。どうしタ? 何があっタ?」
カズナの落ち着きに、エレナも少し落ち着きを取り戻す。
拳にグッと力を入れ、真っ直ぐにカズナを見てゆっくりと口を開いた。
「【キルロメディシナ】が大勢に囲まれています。キルロさんたちが四人で相手をしていますが、助けが必要だと思うんです。ど、どうしたらいいでしょう……」
カズナの目が変わった、穏やかだった雰囲気は一変し瞳に鋭さだけをたたえる。
「すぐに行ク。あんたはネスタの所に事情を説明に行くんダ」
「分かりました!」
カズナはすぐにメディシナへと向かった、兎人の脚力を十二分に発揮する。
脱兎のごとく駆け抜けていく、姿勢を低く爆発力を持って一本の矢と化す。
速く!
もっと速く!
フェインの蹴りが手負いの狼をあっさりと蹴り上げる。
体中がボロボロの狼に抵抗する術もなく地面で白目を剥いた。
「あ! コラ、今ダメだって!」
メディシナの二階から様子を見ていたニウダが手をのばす。
伸びる手はかすめることすら出来ず、キノは扉から飛び出した。
青い炎が心に灯る。
一直線に疾走する。
白い一筋の光を描き、二枚の盾を失った小男に飛びこんで行った。
「キノ?!」
フェインが驚きの声をあげると、小男の背中から首筋に白銀の刃を当てる。
「殺すのだけはダメですよ」
穏やかに諭すフェインを一瞥すると刃にグッと力を込めた。
首から伝わる金属の冷たい感触に小男が震え上がる。
後ろにいるのが幼女とも知らずガタガタと奥歯をならし、恐怖に顔が青ざめていく。
その不格好ともいえる姿に武器を振りかざしていた亜人たちは気がつき、バラバラと攻撃の手が止んでいった。
ハァハァハァ⋯⋯。
マッシュが顔を上げ荒い息づかいを整える。
「どけや!」
ユラは側で立ちすくむ敵を邪魔だとばかりに盾で突き飛ばす。
幼女に大の大人が襲われているという奇妙な光景に、遠巻きにのぞいていた住人たちから静かなざわめきが起こった。
「止めろ! 止めてくれ!」
マッシュとユラはゆっくりと近づいていく。
恐怖に怯える目でひたすらに懇願する。
さてどうしたものか。
殺すのは簡単だが一国と構える事になったら面倒だ、殺すはなしか。
手出し出来ないように監禁したところで国が出てきたら同じだ。
解放するしかないか、とりあえずこの場は治まるが……。
土煙がおさまり、辺りは傷ついた者たちが肩を借り、行方を見守っている。
「なあ、おまえさん誰だ?」
マッシュは小男の横から顔を近づけた。
おびえた視線をマッシュへと向ける。
「こんなことしてタダで済むと思うのか!」
小男が振り絞った最大限の強がりを見せる。
所詮搾りかすだ、言葉に力などありはしない。
マッシュは口角をあげ笑みをこぼす、瞳はギラつかせたまま耳元で呟く。
「そうか。なら殺しても一緒だな。死んどくか?」
淡々と朗々と低く穏やかに言葉を放つ。
小男は目を見開き自分の置かれている状況を精査すべく思考する。
睨まれて身動きのとれない小動物のように震えることしか出来ない。
「ま、まて! どうして欲しい? どうすればいい?」
マッシュは立ち上がり小男から離れた。
「ウチの団長に手を出して無傷で帰ろうってのは、どうなんだい?」
小男の動揺が手に取るように伝わる。逃れる術を持ち合わせていないことも、どうやら気がついたようだ。
この状況で詰んでいないとは思うまい。
形勢逆転。ガタガタと震えの止まらない小男を見つめ、わざとらしくほくそ笑む。
「あんたを殺すのもぶっ飛ばすのも簡単だが、あんたがもうここにちょっかいを出さないって約束するのなら、オレたちはあんたを解放するのもやぶさかじゃあない。どうする?」
「約束する、約束する、引き返そう、今すぐにだ!」
涙目で懇願する姿にマッシュは嘆息する、哀れといえばそれまでだ。
こちらも傷だらけで甘い采配だが深い追いして追い詰め過ぎるのも得策ではない。
仕方ないか。
「甘くねえか?」
「甘いよな」
ユラが頬を膨らまし不満を見せた。
逃げ出していく小男とその仲間たちを見つめ、もう少しなにか出来たのではないかと深く逡巡する。
遠ざかる赤いマントが見えなくなると住人たちが明るい顔を見せ始め、途端に感情を爆発させる。
『オオオオオオー!!』
住人たちが窓を開け放ち、通りに飛び出し喜びを分かち合うかのように歓声が上がった。
マッシュやカズナはその光景を見渡し、戸惑いの表情を見せ、フェインはびっくりしてユラに抱きついた。
マッシュは逡巡する。虐げられた人たち、虐げていたヤツら、退けたオレたち、そんなところか。
エレナの話だとヤクロウってヤツはここのヒーローだ。それを守り悪人どもを退けたらオレたちもヒーローか。
かりそめでしかないぞ。
根本的な解決にはなっていない。
ヤツらはまた来る。難癖つけて間違いなくやって来る。
その度にこんなのはやってられんし、ヤツらも出方を変えて、あの手この手でくるばずだ。
読めない次の一手が逆に気持ち悪い。
常に後手後手で対処していてら、近いうちにこちらが破綻する。なんとかしなくてはならないのだが……。
歓声の中マッシュはひとり浮かない表情で嘆息する。
「これはいったいなんの騒ぎですか?」
歓声を見回しながらネスタが現れた。沸き起こる歓声に目を丸くしている。
「? キルロさん?! 大丈夫ですか??」
微動だにしないキルロの姿に慌てて駆け寄った。失っているだけなのを確認すると安堵のため息を漏らす。
「運んで治療しましょう」
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触診をしながら、必要なものを手際よく準備した。
傷だらけの体に変形するほど腫れた顔に胸を痛める。
こんなことしなくてもいいようになればいいのに。
ボロボロになった待合い、ボロボロのキルロを住人たちが外からのぞき込む。
いつのまにかメディシナを凄い数の住人が取り囲んでいた。
年寄り、子供、女、男、老若男女問わず心配そうに中の様子を伺っている。
マッシュがエレナを軽く小突き住人たちを顎でさした。
エレナは顔の前で激しく手の平を振る。
「む、無理、無理ですよ」
マッシュは無言でエレナを一瞥するだけだった。
とまどうばかりのエレナの肩に唐突に手が置かれた。
「お嬢、お願いします」
振り返るとニウダがいい笑顔を見せていた。
諦めにも似た笑顔で顔を上げ、入口へと向かう。
誰か言ってくれればいいのに。
扉から出てきたエレナに住人たちの視線が一斉に向けられる。
こんなにたくさんの人から視線など浴びたことがない。
心臓がバクバクと飛び出しそうだ。
顔も熱っぽいのが分かる。
はぁ~
大きく息を吐いた。
「み……み、みなさま……」
静まりかえる。
おお⋯⋯注目が………
「キ、キルロさんは大丈夫ですので、お家にお戻りください!」
一斉に吐かれる安堵のため息。住人達は良かったと口々に言いながら、帰宅していった。
緊張した……。
「ごくろうさん」
マッシュが背中をトンと叩いた。
エレナはマッシュを睨むと、いい笑顔でマッシュは応えた。
「それでオーカのヤツらは追い払ったのですか?」
「一応は、焼け石に水って感じがしないでもないが」
ネスタが住人をいなくなったことを確認して口を開く。すっきりと割り切れない感じが言葉から伺えた。
「う、う~ん、あれ?? なんで、ここで寝てんだ? あれ? ネスタ? カズナ? うん???」
「よお、起きたか。一息入れているとこだ、おまえさんも一息入れろ」
状況が飲み込めないキルロが怪訝な表情であたりを見回すと、その姿に空気が少しずつ緩んでいった。
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