133 / 263
裏通りと薬剤師
動静
しおりを挟む
翌日、小男達は現れなかった。安心出来るかといえば、きっとそれはない。
警戒を解くわけにはいかないのは重々承知している。
ただ、診察が順調に行えて調子の良くなった患者達が笑顔でメディシナ(治療院)をあとにするのを見ると思わず頬は緩む。
日常がつつがなく送れた安堵感が疲労とともに体を包み込んでいく。
オーカの高い地位のヤツらか。
あの手の輩があっさり引くとは思えない、といってこっちから動く事も出来ない。
夕飯前の喧噪が、陽が落ちていくのに合わせて落ち着いていく、帰ろう。
「キノ! 帰るぞ」
「あいあーい」
キノの元気な返事に一日の終わりを実感する。
「悪いなネスタ、仕事終わりに」
「構いませんよ、【キルロメディシナ】はどうですか?」
「順調かな。ただ、ちょっと聞きたい事があるんだ……いいか?」
夜半、仕事終わりのネスタを待合室に手招きした。
いろいろと情報が足りない。ネスタならなにか知っているかもしれないと踏んで声を掛けた。
今はなんでもいい、ヤツらのことが少しでもわかればそれでいい。
少し疲れた表情を見せてはいたが、ネスタは笑顔を向けてくれた。
相変わらず忙しいのだろう。
「ここ最近、オーカの偉いやつが裏通りにちょっかいを出してきてさ、ヤクロウを出せってうるさかったんだ。そんなのがあったんで、ヤクロウは今ミドラスで匿っている。しらばっくれてやり過ごしてはいるんだが、いかんせんしつこそうな連中でな。対策のためにオーカのことを教えて欲しいんだ」
ちょっかいを出してきているという言葉にネスタの顔は兵士の顔を見せる。
険しい表情を浮かべキルロの真剣な眼差しに答えていく。
「ヤクロウさんが? オーカは前に少しお話ししましたが、資源の採取が中心の国で、富の一極集中が見られます。それと最近になって急に摂政が現れた。ザックリですがこんな感じです」
そうだ。
この間、ネスタから聞いていたのだ。
摂政、クック? 思い出した。
きな臭いな、イヤなパーツの繋がり方だ。
キルロの顔も険しくなる。
「それと摂政の件で潜っている仲間からの報告ってわけではないですが、ヒューマンが差別されているのではないかと言っていました。ちゃんとした報告ではないのでなんともですが」
「差別ねえ……」
差別⋯⋯次か次へとイヤな話ばかりが上がる。
そういや、頭の悪い感じがヤツらか滲み出ていたな。
待てよ、そうか。
だからヤクロウは手引きして移住させているのか?
移住させているのが面白くないのか? それにしても今さら感がある。
ネスタの言葉が思考の渦を作り出す。
同じところでぐるぐると巡る。
ネスタが口を開くと辛うじて渦が消えていく。
「オーカの人間ってどんな人でした?」
「赤い短めのマントを羽織って、真っ白な宮廷服かな? 年齢は30歳くらい、背の低い男だ。狼人と猫人を伴っていた。やたらと態度のデカイ横柄なヤツだったよ。思い出しただけで、ムカついてきた。んで、オーカから逃げて来た人間がそいつを見て、オーカのお偉いさんだって教えてくれたんだ」
ヒューマンを差別しているから、お連れは亜人だったのか?
まあ、そこはいいか。
オーカとヤクロウの繋がり、行動の理由なんかがぼんやりとだが見えてくると、いろいろなピースがハマり出す。
分からない事もままあるが、それもその内見えて来そうだ。
「マントを羽織っていたとなると、多分相当に高い地位の人間だと思われます。それなりの地位にならないとマントを羽織れないはずですからね。オーカではマントが地位の証明となり、身に付けられるというのは、ひとつのステータスになりますから」
「ウチでもマント導入するか?」
「絶対イヤです」
キルロの軽口は本気の否定を食らい、いたずらっぽい笑みにネスタは眉をしかめる。
ランプの橙色に照らされる二人は真剣な眼差しへと戻っていく。
「ただ、分からないのはかなりの地位にある者が、なぜヤクロウさんを必要としているのかという事です。しかもわざわざ自ら出向いてまでですよ?」
「住人の感じからヤクロウもそれなりの地位にいたらしいぞ。住人が総出で守ったくらいだからな」
「それならなぜヤクロウさんはその地位を蹴ってまで、貧しい暮らしを選んだのでしょうか? 地位があるならオーカにいながら指示出せばいいだけの話」
ネスタの言葉はもっともだ。地位のある人間が指示を出せば人は動く。
もしかしたらオーカから指示を出す方が有効なのかもしれない。
ただなんとなく形にすらならない何かが、ヤクロウの行動に納得している自分がいる。
効率的とかそういう類のことではなく、ただ漠然とした思い、信念みたいなもの。
思いのまま突き動く衝動のようなもの、ヤクロウからはそれを無意識に感じているのかもしれない。
「なんて言えばいいのかわかんないけど、なんとなくヤクロウが裏通りに来たのはわかる⋯⋯気がする。詳しいことはわかんないけど、あいつがここにやってきたことにはきっと意味も理由もあるはずだ。まあ、笑っている住人が多いってことはそれだけでも、あいつがここに来た価値があったんじゃないのかな?」
「理事長がそうおっしゃるならそういう事にしておきましょう」
ネスタが諦めにも似た笑みをこぼした、理解は出来ないが納得は出来た。
似た者同士通じ合うなにかがあったのだ。キルロと似た者同士であるなら自分達もヤクロウのために動こう、悩む必要はない。
「そういえば、ヤツらがヤクロウのこと仲間だか同士だかって言っていた。ヤクロウもあのだっせえマントつけていたのかな? それはそれで見て見たいよな」
「笑いたいだけでしょう」
「フフ、バレた?」
全く、とネスタが嘆息した。
偉いヤツ相手にこちらの出来ることなんてあるのかな?
ただヤクロウを渡すことは絶対してはいけないってことは間違いない。
「また、迷惑かけそうだ。先に謝っておく、すまん!」
「問題ないですよ、もう慣れましたから」
キルロに笑顔を向けた、その笑顔にいつも励まされる。
考え込むような表情ばかりが目につく、じっとさせているのが良くないのか?
ハルヲは自分の仕事をこなしつつヤクロウの様子を見ていた。
何か張りつめている。
不安かな?
覇気のない表情を目にする事が多く、どうすべきか手をこまねいていた。
「ヤウロウって薬剤師よね? 治療の手伝いして貰ってもいい?」
少し驚いた顔をみせたが、すぐにうなずいてみせた。
何もしてないよりいいのだろう。すぐに立ち上がり伸びしてみせると顔に少しばかり覇気が戻っていく。
「案内してくれ」
「こっちよ」
モモが治療のために薬剤の準備しているのをヤクロウがのぞき込むと、眉間に皺を寄せ難しい顔をしている。
「ハーフっ娘、これでいつもやっているのか?」
「ハーフっ娘?! そうよ、なにか?」
ヤクロウは薬剤を次々に手に取ると腕を組んで唸る。
ブツブツ言いながら薬剤を見つめる。
「犬っ娘! カルテってあるか? これでも悪くはないが、もっと効率良く薬の効果を上げられるぞ、どうする?」
「見てくれるの?」
「もちろん。礼ってわけじゃないが、こんな事しか出来ないからな」
「モモ、ヤクロウに薬の見直しをして貰うから補佐してあげて。口は悪いけど性根は優しい男だから」
ハルヲは口角をあげながら言うと、横目で睨むヤクロウが照れたように顔を赤くした。
効能があがるならこちらも助かる。
ヤクロウの表情も少しは戻ったかな。
こちらもぼちぼち動こうか。
ハルヲの青い瞳が強い意志を放つ。
「エレナ! 使い頼んでいい?」
「あ、はい。もちろん。どこにですか?」
「マッシュとフェインとユラをキルロの所に連れて行って、それでキノを拾って、こっちに戻ってきて」
突然のことに面食らったがエレナはすぐにうなずいた。
「わかりました。すぐに行ってきます」
「よろしくね」
ハルヲが自分より大きくなったエレナの肩に手を置いた。
何が出来るか分からないが、後手を踏むのは得策ではない。
打てる手は打っておかないと。
先の見えない漠然とした不安はあるが、やるべきことはシンプルだ。相手がどう出るか不気味な感じは拭いきれないが、まずは出来ることをしよう。
警戒を解くわけにはいかないのは重々承知している。
ただ、診察が順調に行えて調子の良くなった患者達が笑顔でメディシナ(治療院)をあとにするのを見ると思わず頬は緩む。
日常がつつがなく送れた安堵感が疲労とともに体を包み込んでいく。
オーカの高い地位のヤツらか。
あの手の輩があっさり引くとは思えない、といってこっちから動く事も出来ない。
夕飯前の喧噪が、陽が落ちていくのに合わせて落ち着いていく、帰ろう。
「キノ! 帰るぞ」
「あいあーい」
キノの元気な返事に一日の終わりを実感する。
「悪いなネスタ、仕事終わりに」
「構いませんよ、【キルロメディシナ】はどうですか?」
「順調かな。ただ、ちょっと聞きたい事があるんだ……いいか?」
夜半、仕事終わりのネスタを待合室に手招きした。
いろいろと情報が足りない。ネスタならなにか知っているかもしれないと踏んで声を掛けた。
今はなんでもいい、ヤツらのことが少しでもわかればそれでいい。
少し疲れた表情を見せてはいたが、ネスタは笑顔を向けてくれた。
相変わらず忙しいのだろう。
「ここ最近、オーカの偉いやつが裏通りにちょっかいを出してきてさ、ヤクロウを出せってうるさかったんだ。そんなのがあったんで、ヤクロウは今ミドラスで匿っている。しらばっくれてやり過ごしてはいるんだが、いかんせんしつこそうな連中でな。対策のためにオーカのことを教えて欲しいんだ」
ちょっかいを出してきているという言葉にネスタの顔は兵士の顔を見せる。
険しい表情を浮かべキルロの真剣な眼差しに答えていく。
「ヤクロウさんが? オーカは前に少しお話ししましたが、資源の採取が中心の国で、富の一極集中が見られます。それと最近になって急に摂政が現れた。ザックリですがこんな感じです」
そうだ。
この間、ネスタから聞いていたのだ。
摂政、クック? 思い出した。
きな臭いな、イヤなパーツの繋がり方だ。
キルロの顔も険しくなる。
「それと摂政の件で潜っている仲間からの報告ってわけではないですが、ヒューマンが差別されているのではないかと言っていました。ちゃんとした報告ではないのでなんともですが」
「差別ねえ……」
差別⋯⋯次か次へとイヤな話ばかりが上がる。
そういや、頭の悪い感じがヤツらか滲み出ていたな。
待てよ、そうか。
だからヤクロウは手引きして移住させているのか?
移住させているのが面白くないのか? それにしても今さら感がある。
ネスタの言葉が思考の渦を作り出す。
同じところでぐるぐると巡る。
ネスタが口を開くと辛うじて渦が消えていく。
「オーカの人間ってどんな人でした?」
「赤い短めのマントを羽織って、真っ白な宮廷服かな? 年齢は30歳くらい、背の低い男だ。狼人と猫人を伴っていた。やたらと態度のデカイ横柄なヤツだったよ。思い出しただけで、ムカついてきた。んで、オーカから逃げて来た人間がそいつを見て、オーカのお偉いさんだって教えてくれたんだ」
ヒューマンを差別しているから、お連れは亜人だったのか?
まあ、そこはいいか。
オーカとヤクロウの繋がり、行動の理由なんかがぼんやりとだが見えてくると、いろいろなピースがハマり出す。
分からない事もままあるが、それもその内見えて来そうだ。
「マントを羽織っていたとなると、多分相当に高い地位の人間だと思われます。それなりの地位にならないとマントを羽織れないはずですからね。オーカではマントが地位の証明となり、身に付けられるというのは、ひとつのステータスになりますから」
「ウチでもマント導入するか?」
「絶対イヤです」
キルロの軽口は本気の否定を食らい、いたずらっぽい笑みにネスタは眉をしかめる。
ランプの橙色に照らされる二人は真剣な眼差しへと戻っていく。
「ただ、分からないのはかなりの地位にある者が、なぜヤクロウさんを必要としているのかという事です。しかもわざわざ自ら出向いてまでですよ?」
「住人の感じからヤクロウもそれなりの地位にいたらしいぞ。住人が総出で守ったくらいだからな」
「それならなぜヤクロウさんはその地位を蹴ってまで、貧しい暮らしを選んだのでしょうか? 地位があるならオーカにいながら指示出せばいいだけの話」
ネスタの言葉はもっともだ。地位のある人間が指示を出せば人は動く。
もしかしたらオーカから指示を出す方が有効なのかもしれない。
ただなんとなく形にすらならない何かが、ヤクロウの行動に納得している自分がいる。
効率的とかそういう類のことではなく、ただ漠然とした思い、信念みたいなもの。
思いのまま突き動く衝動のようなもの、ヤクロウからはそれを無意識に感じているのかもしれない。
「なんて言えばいいのかわかんないけど、なんとなくヤクロウが裏通りに来たのはわかる⋯⋯気がする。詳しいことはわかんないけど、あいつがここにやってきたことにはきっと意味も理由もあるはずだ。まあ、笑っている住人が多いってことはそれだけでも、あいつがここに来た価値があったんじゃないのかな?」
「理事長がそうおっしゃるならそういう事にしておきましょう」
ネスタが諦めにも似た笑みをこぼした、理解は出来ないが納得は出来た。
似た者同士通じ合うなにかがあったのだ。キルロと似た者同士であるなら自分達もヤクロウのために動こう、悩む必要はない。
「そういえば、ヤツらがヤクロウのこと仲間だか同士だかって言っていた。ヤクロウもあのだっせえマントつけていたのかな? それはそれで見て見たいよな」
「笑いたいだけでしょう」
「フフ、バレた?」
全く、とネスタが嘆息した。
偉いヤツ相手にこちらの出来ることなんてあるのかな?
ただヤクロウを渡すことは絶対してはいけないってことは間違いない。
「また、迷惑かけそうだ。先に謝っておく、すまん!」
「問題ないですよ、もう慣れましたから」
キルロに笑顔を向けた、その笑顔にいつも励まされる。
考え込むような表情ばかりが目につく、じっとさせているのが良くないのか?
ハルヲは自分の仕事をこなしつつヤクロウの様子を見ていた。
何か張りつめている。
不安かな?
覇気のない表情を目にする事が多く、どうすべきか手をこまねいていた。
「ヤウロウって薬剤師よね? 治療の手伝いして貰ってもいい?」
少し驚いた顔をみせたが、すぐにうなずいてみせた。
何もしてないよりいいのだろう。すぐに立ち上がり伸びしてみせると顔に少しばかり覇気が戻っていく。
「案内してくれ」
「こっちよ」
モモが治療のために薬剤の準備しているのをヤクロウがのぞき込むと、眉間に皺を寄せ難しい顔をしている。
「ハーフっ娘、これでいつもやっているのか?」
「ハーフっ娘?! そうよ、なにか?」
ヤクロウは薬剤を次々に手に取ると腕を組んで唸る。
ブツブツ言いながら薬剤を見つめる。
「犬っ娘! カルテってあるか? これでも悪くはないが、もっと効率良く薬の効果を上げられるぞ、どうする?」
「見てくれるの?」
「もちろん。礼ってわけじゃないが、こんな事しか出来ないからな」
「モモ、ヤクロウに薬の見直しをして貰うから補佐してあげて。口は悪いけど性根は優しい男だから」
ハルヲは口角をあげながら言うと、横目で睨むヤクロウが照れたように顔を赤くした。
効能があがるならこちらも助かる。
ヤクロウの表情も少しは戻ったかな。
こちらもぼちぼち動こうか。
ハルヲの青い瞳が強い意志を放つ。
「エレナ! 使い頼んでいい?」
「あ、はい。もちろん。どこにですか?」
「マッシュとフェインとユラをキルロの所に連れて行って、それでキノを拾って、こっちに戻ってきて」
突然のことに面食らったがエレナはすぐにうなずいた。
「わかりました。すぐに行ってきます」
「よろしくね」
ハルヲが自分より大きくなったエレナの肩に手を置いた。
何が出来るか分からないが、後手を踏むのは得策ではない。
打てる手は打っておかないと。
先の見えない漠然とした不安はあるが、やるべきことはシンプルだ。相手がどう出るか不気味な感じは拭いきれないが、まずは出来ることをしよう。
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説

2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった


Link's
黒砂糖デニーロ
ファンタジー
この世界には二つの存在がいる。
人類に仇なす不死の生物、"魔属”
そして魔属を殺せる唯一の異能者、"勇者”
人類と魔族の戦いはすでに千年もの間、続いている――
アオイ・イリスは人類の脅威と戦う勇者である。幼馴染のレン・シュミットはそんな彼女を聖剣鍛冶師として支える。
ある日、勇者連続失踪の調査を依頼されたアオイたち。ただの調査のはずが、都市存亡の戦いと、その影に蠢く陰謀に巻き込まれることに。
やがてそれは、世界の命運を分かつ事態に――
猪突猛進型少女の勇者と、気苦労耐えない幼馴染が繰り広げる怒涛のバトルアクション!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる