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番外 ※ 時間軸はランダムです。結婚後の話もあります。
花を愛でる side ディーノ& サヴィン 2 ※
しおりを挟むside サヴィン
ぼんやりとけぶる視界に、薄ピンクの花びらがひらって舞っていて、俺は楽しくて幸せでふわふわする頭でキレイだなーって手を伸ばして。
それで、それで・・・ディーノさんと花びらを捕まえた、んだけど。
捕まえたハズの俺が、いつの間にか彼の腕の中に捕まってて。躰だけじゃなくて、深くて濃密なキスに頭の中も心も全部が持って行かれて、どんどん熱くなる躰と・・・もっと欲しくて堪らなくなって。
ディーノさんの事しか考えられなくなった頃。
「んんっ・・・ぁっ・・や、だぁ・・もっと・・っ・・」
ちゅくって濡れた音をたてて、大好きな人のキモチイイ唇が離れちゃって。もっと、もっとたくさんシテ欲しい俺は、離れたくなくて・・・もっと全部を捕まえて欲しくて、自分からディーノさんの唇を、キスを奪っていた。
唇を食んで、舌を求めて口内を舐めて催促するなんて駄々っ子みたいだけど、もっと欲しいから仕方ないだろ・・・?
「・・・んっ・・んんっ・・」
鼻にかかった、甘えた声が出ちゃうけど。求めていた熱くて美味しい舌が絡められてしまえば、もう何も気にならない。
夢中でキスをいていたんだけど、いつの間にかキスされていて、それがすごく幸せで嬉しくて。
・・・でも、もっと欲しいのは強くなっていて。
“もっとディーノさんが欲しい”って、これ以上なく主張している熱い躰で、ぎゅって抱き付ければ、同じ位に熱くなった彼の躰を・・・男として求める欲望を感じて恥ずかしいけど嬉しい。
「熱い・・・な。花見と酒は、もういいのか?」
にやりと余裕有りげに笑うその表情も、格好良すぎです・・・ディーノさん。
・・・ズルい、です・・・っ・・俺、もう我慢出来ませんっ・・・
「もうっ・・・十分堪能しました・・・俺っ・・・ディーノさんが、欲しい、です・・っ?!・・はぁっん・・・っ・」
そう白状した瞬間、ぐって熱くなった処を押し付けられて、口腔を熱い舌でまさぐられる。そうやって引きずり出された快楽に一瞬息が詰まって、ぶわって躰の熱が上がる。
さっきまでの、ふわふわって躰が浮き上がる様な気持ち良さが、じわじわ背をせり上がる様な淫らな快楽に取って変わる。
んんっ・・?!これ・・・っ・・ヤバイ・・・このままじゃ・・・っ・・
このままじゃマズいって、本能的にわかっているけど。でも、この唇もキスも熱くて気持ちいい逞しい躰も、ディーノさんの全部を離す事なんて、絶対に出来ないから。
「ふぅ・・っ・・ん・・んっぁ・・んっ、んんっー・・・っ!!」
・・・すごく恥ずかしい事になっちゃったけど、俺の状態をしっかり把握しているハズのディーノさんが、ものスゴく嬉しそうな・・・甘い視線を向けてくれているから、いいんだ。
いいって言ったら、いいんだ・・・っ!
sideディーノ
「あっ・・・んっ・・ふ、ぅ・・あぁっ・・・」
寝室のベッドのシーツの上に、明るいブラウンの髪と象牙色の肌が舞う様に沈み込んでいる。
温室で俺の思惑通りに乱れ、可愛らしく淫らに濡れた恋人は身動ぐ事も出来ぬとばかりに俺にしがみ付いて、羞恥に染まった頬と快楽にけぶる瞳と・・・色香を纏った躰で俺を完全に陥落させた。
己の欲望が思う以上に実現しては、余裕など保っていられる筈もない。一刻も早く彼を、彼の熱を感じたい俺は、口付けと快楽の余韻で動けなくなったサヴィンを抱き上げ自室へと戻ってきた。
寝室のベッドに彼を出来る限り丁寧に、そっと横たえた。あまり性急にならないようにと、自制が効いたのはそこまでで。
熱くなった躰が、まだ冷たいシーツに驚いた様にヒクリと震え、少し離れた俺をぎゅっと引き寄せると耳元で小さく囁かれた言葉に、脳内でぷつりと何かが切れた音を聞いた。
「あっ・・・や、ですっ・・・離れるの、ダメです・・・早く、ディーノさんが・・ほしい、
です・・」
「・・・っ・・あぁ、俺もだ・・・」
サヴィンが少し落ち着くまで、とか云う自制は欠片も残らずに霧散した。俺を煽るばかりの可愛らしい言葉を紡ぐ唇を、これ以上暴走せぬよう己のそれで塞ぎ、互いの間を遮る布を性急に取り去って行く。そのまま、彼の甘い蜜に濡れる下肢を覆う下着に指を掛ける。
「んっ・・!・ふ・・んぅ・・・」
くちゅりと濡れた音と、蜜に濡れたソコが外気に触れた為だろうか・・・染まった頬と触れる肌の熱が上がったのは、気のせいではないだろう。羞恥を堪える様に、閉じられた瞼にぎゅっと力が込められ、じっと身を固くして俺の手の動きを待っているのだから。
そっと布を取り去れば、象牙色の肌に濃い桃色を混ぜたサヴィンの屹立は、白濁に濡れ俺を誘うかの様にふるりと震える。
そんな可愛らしい処に、触れずにいられるハズがない。
口付けをしたまま、そっと其処に手を伸ばしてもっと可愛らしくシテしまおうと、優しく愛撫する。
「んんっ・・!・・っん、やぁっ・・ん、さわっちゃ・・や・・です・・ぁんっ・・!」
「・・・ん?そうか・・・では、仕方ないな」
やわやわと掌で可愛がると、弾かれた様に唇が離れ、いやいやをする様に拒まれてしまった。
・・・こんなに善さそうに・・・可愛らしい反応と甘い声をあげているのに。
サヴィンは善い時や快楽に乱れながら羞恥を覚えると、こうやって可愛らしく抵抗をする。
・・・以前、嫌がられたと焦って止めた時、中途半端に昂った躰がどうにもならないと啼かれてしまった。躰に渦巻く快楽に身悶えて、切ないと啼くサヴィンの可愛らしさは、筆舌に尽くせない程だ。その後の、おねだりなど・・・鼻出血を危ぶむ位、可愛いらしく淫らで堪らなかった。
あのサヴィンを、何度でも愛で可愛がり尽くしたい。
だが今の俺は、それを待ちながら淫らに悶える可愛らしい彼を味わう余裕など・・・欠片も持ち合わせていない。
この可愛いサヴィンを愛するのを止めるなど、不可能だ。恥じらい拒否するポーズをとる、愛らしい彼を愛する行為を止めるなど・・・止めてなど、やれない。
だから・・・
「えっ?・・・ふぁ・・っん!やぁっ・・ん、ダメ・・ぁんっ・・・ですっ・・・あぁっ!」
ーーーお前が“触れるな”と云うのなら、こうするより無いな。俺は、もっと触れたい・・・愛したい。
それに今日は花見だろう。
花見は、花を愛でるものだから。
俺は、俺だけの花を、たっぷり愛でなければ、“花見”ではないだろう・・・?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
続きます~
Rが・・・ディーノが止まりませんでしたっ!(^_^;)
短編連載中の「これに呼び名をつけるなら」で、第4回ライト文芸大賞に参加中です。
Rも溺愛もありませんが、ちらっと読んでポチっと応援していただけたら、嬉しいです✨
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