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ブライダルハネムーン
ブライダルハネムーン 8―1 ※
しおりを挟むーーーとうとう今日は7日目。新婚旅行最終日で・・・明日には王都の王宮に戻るんだ。
一日中、ずーっとイルファンとくっついて居られるのも、あとちょっとだけ、か。
また執務室で仕事をする、格好良いイルファンと一緒に仕事をするのも・・・楽しみだけど。
戻ったら・・・正式にイルファンの伴侶として、ずっと側にいられるんだ。今までは、彼の公務の同伴や手伝いは基本的に出来なかった。俺はあくまでもイルファン個人の秘書だったから。もっと手伝える事があったらって、本当は悔しくて・・・寂しかった。
俺がこっそりとしょんぼりしていると、いつもイルファンがそっと抱き締めてくれて、それは嬉しかったけど。
そう言えば、第三王子妃(?)って呼ばれたけど・・・俺、男なのに“妃”なの?
・・・呼び方なんて、どうでもいいけどさ。
ん~・・やっぱり“イオリ”か“イオリ殿”って呼ばれる方が良いなぁ・・
国王陛下も、今まで通りに過ごして良いって云ってくれてたし、後は王子妃(?)としての王族の式典とか行事に参加する事になるんだって。
上手く出来るか不安だけど、イルファンがいるから大丈夫だ。
ディーノさんやサヴィンさんもいるし、教えて貰いながら頑張るつもりだ。
そう云えば、他の王子殿下や王族の方々との交流って、必要かな?・・・第二殿下の事とかあるし、イルファンもお義父様も必要ないっ云ってるけど。
むしろ“伊織が他の目に晒される機会をあえて作るなどとっ・・・そんな危険な行為は容認出来ぬ!”って、イルファンには大反対された。どこが危険なの?・・・なんで?
お義父様には“可愛い息子嫁(?)を、あえて危険が及ぶかもしれぬ状況に置くなど、有り得んな。イオリ、今まで通り、イルファンの傍に居れば良いのだぞ?そなたに何かあれば、あいつ(俺の父親の事だ。お義父様の親友らしいよ?)に顔向けが出来んからな。私の側でも、良いのだぞ?”って言われたし。
そう云って下さったお義父様を、イルファンがすごい目で見てた。だから、何でだよ?
・・・皆、心配し過ぎだし、俺に甘くない?有り難いけど。
ところで、俺が色々と考えているのは・・・もう当たり前の様にイルファンの膝の上だったりする。
イルファンの膝の上に横座りして、頭を胸板にもたれてぼんやりと明日からの事を考える。
だって、また躰が思うように動かないんだよ・・・っ!
昨日、庭園にやっと行けた・・・んだ。
庭園はすごく綺麗で、ガラス張り(特別製の強化ガラスの多重構造で、空は見えるけど外から内側は見えないんだって)の日の光がいっぱいで、室内にばかり篭っていた俺には、久々の陽光で気持ちが良かった。
そこには、木や花が綺麗に咲いていて。小さな泉と四阿が・・・四阿は・・・大きなベッドとシーツの上にはいろんな花が散りばめられていて・・・それはそれはロマンティックだったよ!
それで、それで・・・初めて野外で・・・いや、厳密には野外じゃないけど・・・その、室内じゃない場所の、明るい光の中で・・・せっくす・・・した。ものすっごく、いちゃいちゃの、らぶらぶだった。
ものすっごく恥ずかしかったのは、最初の辺りだけで。明るい自然光の中で、抱き合って躰を繋げて愛を交わし合うの、すっごく気持ち善くて・・・しあわせだった。
・・っ・・・これ以上、イルファンの膝の上で思い出したら・・・大変な事になりそうだから、もう止めるったら止める。奥の奥がスゴかった事とかっ・・・だめ。絶対に思い出しちゃダメッ。
俺は、これ以上アヤシイ事を考えないように、明日からの事とか仕事の事とかを考えようと頭を切り替える。
やらしい事を、頭の中から追い出していると、上から“くくっ”ってイルファンの笑う声がした。“んっ?”て上を見ると、可笑しそうに笑うイルファンのキラキラの美貌が。うん、俺のイルファンは今日もイケメンだ。
「どうかした?何か良い事?」
「・・・いや、ころころと表情を変える伊織が可愛らしくて・・・な。躰は如何だ?痛みは・・・やはり、痛むか?ふぅ・・・昨日の伊織の可愛さと色香は、もはや私の欲望の制御をする機能すら破壊する程でな・・・しかし、あの陽光の中でしどけなく乱れる伊織の、美しい肢体と蕩ける可愛い貌が・・・」
「・・・っ・・わぁぁぁぁ~~!!取り合えず、何処も何ともナイからっ!!」
これも今日までって、恥ずかしいのを我慢していたけど。もっと際どい言葉が出てきそうで反射的にイルファンの形の良い唇を手で塞ぐ。
昨日・・・昨日、明るい所で全部を視られてしまったのは、もう、もうっ・・・結婚したし、遅かれ早かれみたいなトコロだけどっ・・・
俺だって、イルファンの格好良い躰を、その、えっちぃトコロも全部バッチリ見たよ?すごく格好良くて綺麗で筋肉も彫刻みたいに整った躰、見たよ?!
・・・でも、自分のなよっちい貧弱な躰を、さも綺麗で素敵だ・・・みたいに云われたら、居たたまれない恥ずかしい。羞恥で気絶出来るかも。
俺はイルファンの口を必死に塞いだだけで、恥ずかしくて何だかぐったりしながら、彼にぎゅっと抱きついてみる。
「・・・んーっ・・あったかい・・おっきい・・・安心するー・・・ん・・・キモチイイ」
・・・うん、最終日はこうやって抱っこしてもらって、俺がイルファンを抱っこして、のんびり過ごすのもいいかも。
ーー躰は動かないけど・・・実は、何処も痛みは無いんだ。
あんなに、あんなにいっぱいして、あんな奥の・・・すごく感じちゃって堪らない奥のもっと奥まで、いっぱい可愛がられたけど。
じんじんって、まだ快感が残っているみたいな感覚が残ってて、少しの刺激で“せっくすしたい”って“奥の、もっと奥まで可愛がって”って、躰が動かないくせに口走ってしまいそう。それくらい、スゴかったんだ・・・
ん・・ぅ、どうしよう・・・、なんかヤバい・・っ・・自分で抱き付いたのに、そんなつもりじゃなかったのに、躰の熱が上がってるの・・・気のせいじゃない。
・・・こんなに、えっちになってしまった躰で普通の生活に戻れるのか・・・な?
バスローブの下の、胸の先端の・・・乳首・・も、俺の下肢の間の屹立も、肌がスゴくえっち・・違う!・・えっと、敏感・・?そう、敏感になっちゃって。
今も・・・何もしてないのに、バスローブの下でツンって勃ちゃってるの、ヤバい・・・よな?
イルファンの抱っこと、耳元で感じるテノールだけで・・・乳首と陰茎が、勃っちゃうなんて・・っ・・
ぼんやりしたり、わぁって恥ずかしくなったりしながら考えている俺の口に、何かがぽいっと押し込まれる。
びっくりしながら、ここは俺を害する人なんて入ってこれないし、イルファンしかいないから。口に入った物は食べても良い、いや、食べなければ。もぐもぐ・・・・あ、美味しい。
躰がえっちになってるし、頭の中もいっぱいいっぱいの状態に、口に何かが入れられてパニクる俺。
焦った脳は、訳の分からない解釈に納得しているしどうにもならないけど、とにかく食べてみればすごく美味しいフルーツカナッペ?
あ、フルーツサンドか~。ぼんやりのパニックで食事するのは良くないなぁ・・・
俺は咀嚼しながら斜め上を見れば、美貌に柔らかい笑みを浮かべたイルファンが俺を見ている。その大きな手の長い指で、一口サイズのサンドイッチを摘まんで、俺の口元に近づけて“ん?”て少し顔を傾ける。
って、何でこんなに、すっごく格好イイんだよ~・・・!
普段は無表情の“絶対零度の第三王子殿下”なのに・・・あ、その貌も、すごーく男前だよ?でも、こんなに柔らかい優しい貌で、頭を“こてん”って“ん?”って・・・あーもう!美形のカッコ可愛いって、目と心臓に悪い・・・いや、活性化される?
俺が混乱した頭で、口はもぐもぐしながら、さらに脳内ではイルファンに惚気ていると、そのカッコカワイイ旦那さまは、折角のその表情ににやりと悪い貌を重ねて上書きしてしまった。勿体ない・・・んん、この表情もちょいワルで格好イイな・・・
「・・・ああ、大事は無い様だな・・・如何したのだ?落ち着かぬ様な、楽しい・・嬉しそうでもある様で・・む・・混乱している・・の、か?・・・む・・・?」
指先のフルーツサンドを空になった俺の口に入れて、その指をぺろりと舐める、その仕草ですらもセクシーなのは何で?
俺はどきどきするのを誤魔化すように、口の中のパンを懸命にもぐもぐしたけど。
どきっとしたのがバレたのか、その指と手が俺の胸にそっと近づいて、近づいて・・・
「ひゃっ・・・ん!・・イルファン・・」
「ん・・ローブの上からでも分かるぞ?・・乳首を、この様に可愛らしく膨らませて・・・どうしたのだ?ナニかを思い出して・・・欲情・・・したか?」
くにくにって、ローブの上から勃ってる乳首を指で押し潰すみたいに確かめられちゃってる。恥ずかしいし、えっち~って手で避けなきゃダメなのに、俺は出来ない・・・したくないんだ。・・・だって、“もっと触って、もっと可愛がって”って思っちゃってる・・から。
乳首をくにくにと弄られて、そこだけじゃなくて、勃っちゃってる脚の間の・・・屹立の先端がじゅわって、もう溢れてきちゃってる・・・っ・・
やだやだっ・・・どうしよう・・恥ずかしいし、勃ってるのを隠したいのに・・・触って可愛がって欲しくて、真逆の欲求にどうして良いのか分かんない・・・
乳首をくにくにしている指が、するりとローブの中に滑り込んできて。あって思った時には、きゅって摘ままれて、こりこりって揉んできゅて引っ張られっ・・・
「ひぁ・・!っん~~・・やあぁぁっ!!」
「・・これは・・・ここだけで、極めたのか・・?」
胸から指が離れて、ほっとした筈なのに“何で?もっと!”って気持ちが口から滑り出そうになる。
「やっ・・もっ・・ひぅぅっ!」
「・・・ああ、こんなに濡らして。それ程に堪えるなど・・・何故だ?言わなければ伝わらないだろう?昨日の様に、直接知らせるのも可愛いが」
イルファンは、胸に気を取れている俺の
達したばかりの屹立を、するりと撫でてきゅって掌に包んで、綺麗な手が汚れるのも気にならないとばかりに、ゆるゆるとあやす様に扱いて耳元で囁く。
「やっ・・ぁ、んんっ・・ぁう・・」
セクシーなテノールで囁いたら・・・イったばかりのソコを触ったら・・ダメ。
文字通り腰砕けになった俺は、イルファンの頭を両腕で抱き締めて降参するしかない。
「・・もっと、胸の、トコ触って・・おちんちんも、後ろの・・・奥も・・・っ欲し、可愛がって・・・?・・んぅ・・っ」
頑張って言葉にしたご褒美みたいに、優しいキスが降ってきて、それはすぐに甘く絡み付く深いキスに変わった。
気持ち善くて、腰が揺れちゃうのも気にならない俺は、ソファーに寝かされていたのにも・・・気付かなかったんだ。
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