上 下
67 / 169
番外 ※時間軸はランダムです

とりあえずメロメロ 1

しおりを挟む



今日はディーノさんの部屋にお泊まりだ。



明日は仕事は休みだし、先日イオリにあげたワインのお返しにと殿下から(!!)高そうなワインを頂いたからと、ディーノさんの部屋で飲む事になった。

ディーノさんの部屋と云っても、共用のリビングを挟んでそれぞれの部屋がある、大きく括れば同室だ。
イオリの婚約が公にされた頃に、“これから侍従頭と補佐には、より密に連携を取り私のみならずイオリのフォローを”と、この部屋を割り振られたんだ。

ディーノさんと同室でどうなっちゃうんだろうってドキドキしたけど、リビングは朝と夜に一緒に食事をしたりお茶を飲みながら話したりして、各々の部屋で仕事をしたり眠ったり。

この部屋になる前とあまり変わらない事に気が付けば、ひたすら居心地が良くて。
夜の・・・の時は、お泊まりを他の人に見られたらっていう心配もないし、どちらかの部屋で一緒に寝て、朝一緒に・・・風呂に入ったり、そのまま・・・に突入しちゃっても、同じ空間がお互いの居住スペースだから安心だし。


明日が休みでワインを飲むなら、きっと今日はどっちかの部屋で一緒に寝るんだ。

・・・よし、今日こそディーノさんに・・・フェラするんだ!でもどうやって切り出そう・・・イオリは最中のタイミングで云ったら良いって言ってたけど。
ディーノさんは絶対に喜ぶって、イオリは言っていたけど・・・迷っていてもしょうがないか。うん!俺もイオリみたいに“どーん”とぶつかってやる!



・・・とかってぐるぐるしてた俺、そんな心配は必要なかったぞ・・・




ーーーだって俺、今、ディーノさんのを口いっぱいに頬張って、うっとりしながら夢中でちゅぱちゅぱしちゃってるからっ・・・ーーー





夕飯を一緒に食べて、其々の部屋で入浴を済ませてからリビングのソファーに座って、殿下から頂いたワインをグラスに注いで貰い、乾杯をする。

・・・凄く良い香りで不思議とイオリにあげたワインにも似た感じがする。でも、こちらの方が香りが芳醇でほんのり甘い香りだ。

「ん!?あのワインに似てる・・?でも全然違うような・・・?しかもすっごく上手いんだけど!」

「ああ、殿下より本物を味わってみよ、と。あちらのワインもまあまあ上手いが、このワインとはと雲泥の差があるのだと仰っていたぞ」

確かにそうだ。アルコール度はそこそこ高めなのに、アルコールの匂いを感じない。爽やかな甘さと、喉ごしの良さがなんとも云えない。

ディーノさんとソファーでくっついて座って寛ぎながら、会話をして美味しいワインを飲めて明日は休日なんて・・・!!
ディーノさんと一緒にいられる幸せとワインの美味しさに、すいすいとワインが喉を落ちていく。


あらかた飲んでしまった頃、ディーノさんが俺の手からグラスをすっと取り上げた。

「ディーノさん・・・?」

「・・・少し飲み過ぎたか?目が潤んで・・・頬も熱い、な。このまま眠ってしまうつもりか?・・・明日は休日だというのに・・今日は預け・・か?」

・・・っ!!俺を見つめる雪空色の瞳と、低く抑えたバリトンに胸がきゅんと音を立てた。
そんなつもり、全然無いし!寧ろ、シたいです!・・・そうだ!今日こそ、フェラするんだって、野望に燃えているんだった。

「やだっ・・・俺、ディーノさんと・・したいんだもん!!」

「っ!!・・・これは・・もう酔い効き始めているのか・・?」

・・・ちょっと待て、俺。“やだっ?”“だもん?”何でそんな言葉を口走っているんだ?!
ディーノさんの云う通り、酔っぱらっちゃったのか?

「俺、あんな少しのワインに酔ってないもん・・今日は、ディーノさんにするんだから!」

、か。・・・まあ、確かに酒に酔っているのではないだろうな・・・効果は凄いな・・・サヴィンが敬語を使えず、こんなに可愛くなるとは・・・」

・・・?ディーノさんが何か言っているけど、俺が酒に酔っているわけではないと、分かってくれてるみたいだ。
俺は、隣に座るディーノさんにポスッと抱きついた。



ーーー普段の俺なら、ディーノさんにこんな言葉は使わないし、“ポスッ”なんてしない。

この辺りから、俺はんだけど、この時の俺はこんなに自分がオカシイのに、酔っていないし全然普通だって思ってた。

そして、こんなにのに、この後の事を鮮明に記憶していたんだから、我ながらスゴいと思う。


・・・殿下、俺は何かしましたか・・・?


もしかして、イオリにあげたワインのせいで、何か大変な目に遭われてしまったのでしょうか?

取り敢えず、俺は願いを果たせたような・・・いや、叶ったと思います・・・が。
何だか大変な事になっていたような気もするのですーーー




しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

傷だらけの僕は空をみる

猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。 生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。 諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。 身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。 ハッピーエンドです。 若干の胸くそが出てきます。 ちょっと痛い表現出てくるかもです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

ヤクザと捨て子

幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子 ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。 ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

処理中です...