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本編

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「・・・ぁっん・・あ、も・・いくっ・から・ぁ手を離しっ、ああっ!!」

あまりの恥ずかしさに拒否った言葉を言ってしまい、イルファンを不安にさせたり凹ませた後。
何とか誤解を解いたはずが、急にすぅっと真顔になった後、この上もなく優しい微笑みを浮かべたかと思ったら、翠の目をギラリと光らせた。

にやりと、いつか見た悪い笑みよりたちの悪い笑顔で、その締まった頬を緩めたかと思ったら、優しく触れていた俺の勃ちあがったそこを優しいのに激しいとしか表現できない所作で愛撫し始めた。

とっくに我慢の限界を迎えていた俺は、あっという間に追い立てられるように達してしまう。

達した後も、掌で穏やかな愛撫を続けながら、チュッチュッとあやすようなキスを繰り返す。

「イオリ、可愛いな。恥ずかしいところなど、一体どこにあるのだ?ココもこんなにして、私に応えてくれている。もっと、声を反応しこたえてて。イオリを私に全部見せて」

達したのに刺激を与え続けられているせいか、俺のそこは萎えずにイルファンの掌でぴくぴくと勃ったまま、快感を拾い続けている。

チュッと音を立てて唇を吸い上げて離すと、そのままうなじや胸と胸の先端、脇腹や下腹を舐めたり甘噛みされ、俺を握り込む大きな手は容赦ない刺激ともどかしい刺激を絶妙に織り混ぜ、甘く俺を苛む。

唇が下腹をチュッと音を立てて離れる時、チクッとした刺激を感じる。反射的に目を開けてそこを見ると、翠色を欲情で深い色に染めた瞳と合う。
視線が合うと、ふっと笑う様に唇を緩めた・・・

「~~~っ~!!」

ぱくりと、手から解放した俺をその形の良い薄い唇を開き、口に咥えこんだんだ。

再び激しい羞恥と混乱に襲われる。でも、それ以上に沸き上がる強い快感が頭を痺れさせ、そのままそれを受け入れてしまう。

チュッ・・・クチュン、クチュッ・・・
イルファンの綺麗な唇が、いやらしい音をたてて俺のを扱きたて、滑らかな舌がぬるぬると敏感な先端を舐め、先走りどころかさっき出したものまで舐め取る。

目を閉じてしまいたいのに、その光景から目を離せない。イルファンと見つめ合ったまま、強く吸い上げられ堪えるまもなく追い上げられる。

「あっ・・あっ!やっぁ、もう・・また・・くち離してっ~~~っ!!」

必死に言ったのに、イルファンは離してくれないどころか腰を両手で掴み、敏感な先端に舌先をこじ入れるように押し付け、口内で強く締め付けられてもう止められない快楽をそのまま吐き出していた。

「そんなの、飲んじゃダメっ!!」

イルファンの喉の嚥下する動きを感じ、焦って彼を押し退けるも口の端を指でクイッと拭い、ふわっと笑う。

「・・・ぁあっ、もう~~」

飲んじゃったんだ~。あんな事されちゃうなんて・・・

連続で追い立てられ達した俺は、力の入らない体をベッドの上でイルファンに抱き締められている。

忙しない呼吸を繰り返す俺を、そのままぎゅうっと抱き締めるイルファンの呼吸も早く、吐き出される息は俺と同じくらい熱い。

「・・・んっ!」

力の抜けきった足をぐっと持ち上げられたかと思ったら、脚の間の一番奥にぬるりと何かをまとった熱い・・・イルファンの指が触れた。

俺だって、一応は男同士の知識はある。どこで繋がるのか、それをするには女の子にするより丁寧な準備が必要とか・・・

イルファンと気持ちが通じ合った後、何となく仕入れた知識だけど、やっぱり未知の事は怖い。それでも、彼が俺を大切にしている事も、俺を気遣ってくれる事も知っている。
俺だってイルファンが欲しいのだから、これは必要な事だ。

「イオリ、力を抜いて。傷つけたくない。なるべくゆっくりするから、私にイオリを預けて、拒まないで・・」

イルファンの心配そうな、欲情を抑えている為か掠れた声が耳に届く。
さっき触れた時、イルファンの昂りはすごく硬く大きくて、あれをそのまま我慢しているのだ。俺を傷つけないように、ちゃんと手順を踏んでくれている。

俺は恥ずかしがっている場合ではないんだ。イルファンばっかり我慢させるなんて、俺の本意じゃない。
俺は震える体からなるべく無駄な力を抜くように、ゆっくり息を吐く。

「イオリ・・・ありがとう。もし、苦痛なら教えてくれ」

イルファンは俺の気持ちを汲み取って、ちゃんと応えてくれる。大丈夫、痛くたって我慢できる、こんなに俺を大切にしてくれる。イルファンが欲しいのは俺なんだから。



「ああっ・・!やぁ~~っ、そんなにしちゃ・・~~んっもう、だいじょうぶだからぁ~~」

痛いなんて不安に思った俺の、大バカッ!!
痛いなんてもんじゃない。


気持ち良すぎてどうにかなりそうなんだけどっ!!
・・・

浅いところ少し深く挿れてはぐるりと掻き回し、俺が快感に身を捩ればグッと深く探り、”善いところ、ここだな”なんて言いながら、クイッと中を押し上げるように抉られ、俺の意思とは関係なく仰け反る体。

持ち上げられた脚はイルファンの肩に担ぎ上げられ、あられもない格好で後孔に彼の指を受け入れている。

「もう、3本入るようになったな。痛みは・・・ないようだな。初夜用のオイルを準備しておいて正解だな」

イルファンが何か言っているけど、もう意味も理解できない。ただ体が熱くて気持ち良くて、もうなにも分からない。
彼の唇が、指が促すままに快感を享受して反応を隠さずさらけ出していた。

「ああ、こんなに乱れるなんて思わなかったな・・・こんなイオリを見せられたら、私ももう抑えられない。イオリ、愛している。私をイオリのものに、イオリを私のものに」

指がずるりと抜かれ、思わずすがり付くように追った俺のそこに指よりも熱く硬いものが触れ、くっと強く押し付けられた。さっきまでの快感を欲する俺のそこは、グイッと強く押し入れられるそれを、そのまま後腔に受け入れる。

「~~~っ~~んんっ!!」

ぐぷりと大きなものが咥内に入ってくる。痛みはそんなにないけど、さっきまでとは違う大きくて硬い。

「くぅっ!・・・イオリ、痛みは?・・は・・あぁ、すまないイオリ・・・優しくしてやらねばならないのに・・もう、抑えられないっ・・!!」

イルファンの掠れたすごく腰に響く声が聞こえ、グッと腰を引き寄せられるまま、さっきまでは触れられなかった奥まで熱いもので貫かれる。

「ああぁぁぁぁっ!!」

俺の口からは今まで出した事もない、甘い声の悲鳴が出ていた。

はぁはぁと、どちらのとも分からない呼吸が繰り返される。
俺の中には、自分のじゃない拍動を感じるほどに大きなものでみっちりと埋め尽くされていて。熱くて硬い、少しでも意識してしまうとイルファンが掠れた甘い声で咎めてくる。

「ぁ、くっ・・こら、イオリ。そんなに締め付けては・・・私ももうそんなに抑えられない。・・・痛みは大丈夫か?もっとゆっくりしてやるつもりが、一気に奥まで踏み込んでしまった、すまない」

秀麗な眉をひそめ口元を引き締めて、ぎりぎり堪えているくせに、俺の心配をして動かないでいてくれるイルファンに早い鼓動また跳ねる。

俺は握り締めている彼の腕から手を離し、ひそめられた眉と口元を指先で辿り、頬に触れる。

「もう、大丈夫・・イルファンはちゃんと優しいよ?だから、今度は俺が頑張るから。イルファン、いいよ?」

「・・・ああ、イオリ・・くぅっ・・!!」

俺に優しい笑みを見せた直後、その翠色の瞳に情欲と熱さを映す。
俺の唇に落としたキスは、深く貪るようなものに代わり、少し引かれた腰は小刻みな動きを繰り返しながらまた奥まで押し込まれる。

何度も繰り返されるイルファンの動きに翻弄され、自分でも何を口走っているのかも分からない。
ただただ熱くて、気持ち良くて。
奥を強く突かれては次第に何かがせり出してくるような、触られてもいないのにとろとろと溢れ出している前を熱い手でするりと撫でられた瞬間、ぐりっと中のどこかを強く抉られた。

「っあぁ・・やぁぁあっ・・・イルフ・・ああ!!」

初めて感じる不思議な快感と、それに引かれるように起こった強い射精感に抵抗する事もできず、イルファンにしがみついたまま、激しく達した。俺にとって、今までで一番深く強い悦楽だった。
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