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64 バレンタイン邸
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僕は商業ギルドで登録した後エルネアさん達と別れ、『開拓者』『素材収集家』関連のイベントを進めるためにバレンタイン邸に向かった。バレンタイン邸は他の家とは違っていた。まずは3メートルほどの石レンガでできた塀に巨大な門。その門には数人の門番がいた。僕が門に近づくと
「ここはバレンタイン邸です。用が無ければ近付かないでください」
「すみません。冒険者ギルドでここに行くように言われたので来たのですが?」
僕は門番に先ほど作ったギルドカードとザックさんからもらった手紙を見せる。ギルドカードには名前、職業、ギルド登録印、称号などが記されている。このギルドカードはどの情報を見せるか選択することができ、ザックさん達からのアドバイスから名前、ギルド登録印のみ可視化している。門番はギルドカードと手紙の押し印を見るとこちらに敬礼してくる。
「ザック様の紹介でしたか。ご案内いたします」
番人は門を開け僕を門の中に通してくれた。門を開けると巨大な噴水が見えその噴水には2人の男女の石像が立っていた。僕が石像を見ていると案内してくれている番人が説明してくれる。
「この石像はバレンタイン家の初代当主でありこの街の救世主アイリ・バレンタイン様、クルスバレンタイン様です」
この人たちがそうなんだ。アイリの方は膝までの丈のズボン、上はジャケット、髪型はポニーテールという動きやすそうな格好で腰には2本の長剣を差していた。クルスは身体全体を覆うローブをはおり、背中には大きいリュック、片手には本を抱えていた。
噴水の先にある扉を開けて屋敷内に入りある部屋まで通された。その部屋で待っていると一人の男性が入ってきた。
「お待たせしてすまない。バレンタイン家当ジーク・バレンタインだ」
「こちらこそ突然きて申し訳ありません。ザックさんより急いで向かった方がいいといわれたので」
僕は挨拶をするとザックさんの手紙を渡す。ジークさんは手紙を確認すると目を見開きこちらに尋ねてくる。
「本当に『開拓者』と『素材収集家』を持っているのか?」
僕は職業欄を可視化したギルドカードを見せる。ジークさんはギルドカードを確認すると僕にギルドカードを返した後、話を始めた。
「ありがとう。ケン殿と呼んでいいかな?」
「いえ、普通に読んでいただいて大丈夫です」
「そうか。じゃあケン君と呼ばせてもらおう。『開拓者』と『素材収集家』について話を聞いてるかね?」
「はい。ザックさんからこの惑星で有名な職業だと聞いています」
「そうか。家名からわかるように私の家系はアイリ様とクルス様の直系に当たるんだ。先祖の役目を引き継いで街の代表をさしてもらっている。少し待っていてくれ」
ジークさんは部屋から出ていった。数分後一つの箱と一冊の本を持って来た。
「これは家に代々伝わるアイテムだ。アイリ様とクルス様からの遺言で『もし次に『開拓者』と『素材収集家』が現れたらこのアイテムを渡してほしい』と伝わっている。だからケン君に受け取ってほしい」
『ジークからアイリの遺物:『開拓者の腕輪』を受け取った。ジョブクエスト:開拓者の遺物をクリアしました。『開拓者』がLv3になりました。報酬としてSPが10受け取りました』
『ジークからクルスの遺物:『素材収集家の素材辞典』を受け取った。ジョブクエスト:素材収集家の辞典をクリアしました。『素材収集家』がLv3になりました。報酬としてSPが10付与されます』
「さて今までの話はアイリ様とクルス様の末裔としての話だ。これからはここの代表としてお願いしたいことがある。先祖がこの星に移り住んで約300年、現在までこの惑星を調べながら、魔物と戦いつつここまで調べてきた。いくつかの拠点は作りだしたがこの惑星の全てを調べ終わったわけではない。さらに最近発見された謎の遺跡、他の惑星の存在も知らされた。そこでケン君に遺跡や他の惑星への行き方などを調べてほしいんだ」
『ストーリークエスト:未知の惑星の手掛かりが発生しました。受けますか?』
おお、ストーリークエストだ。でも条件ってなんだ。プレイヤーすべてに聞いているのかな?とにかく受けよう。
「はい、出来るだけ頑張りたいと思います。少し質問していいですか?」
「なんだね?」
「この依頼は全てのプレイヤーに頼んでいるのですか?」
「いや、この依頼は冒険者・商業ギルドから一定の実力があると判断された島人にのみ伝えている。ケン君の場合は特別だ」
つまり条件があるんだ。僕の場合『開拓者』か『素材収集家』のおかげかな。
「と言ってもいきなり遺跡調査を頼むわけではない。まずはザックたちの依頼を達成していってもらい実力をつけて行ってくれ。ただその道中でなにか重要な発見をしたら伝えてほしい」
「わかりました」
僕はジークさんからザック、マイラさん宛に手紙を受け取り、バレンタイン邸を後にした。
よし、まずはアイテムの確認だ。まず『開拓者の腕輪』。
----------------------
開拓者の腕輪
ランク☆
重さ:500g
カテゴリー:【キーアイテム】【アクセサリー】
耐久度:???
解説:アイリが後継者のために残した腕輪。装備すると・・・
効果:全ステータス+1
----------------------
効果弱い。まあキーアイテムだからな。でも説明文の感じ装備しないとジョブ関連が進まないよな。僕は『開拓者の腕輪』を装備すると頭の中で島で聞いた声が聞こえた。
『初めまして。『開拓者』を引き継いだ人。ここでは後継者君と呼ぶね。まず私はこの惑星『ファースト』を全て見たわ。この腕輪は私が旅していたときにつけてた装備なの。後継者君にはたくさんの景色、未知の発見をしてもらうために様々な場所に行ってほしいの。でも何も目標が無かったらつまらないでしょ。だからこの星の様々場所に私が使っていたアイテムを隠しといたわ。え?他の人に採られないのかって?大丈夫、特殊な技術でこの腕輪を持っていないと見つからないようにしているから。それにこの腕輪を見た時弱いと思ったでしょ?安心して、私が隠したアイテムを見つけるとこの腕輪は強くなるように封印を施したから。だから後継者君、星を舞台とした宝探し楽しんでね』
『ジョブクエスト:ファースト宝探しツアー1が発生しました』
----------------------
ファースト宝探しツアー1
種類:ジョブクエスト
期限:なし
報酬:???
まずはどこかの森に行ってみて。どこかにヒントがあるかもね
----------------------
ヒントそれだけ?これクリアするのめっちゃ大変じゃん。後は手がかりだけど、ここまで有名なら本屋に伝記とかありそう。後で探しとこ。
さて次は『素材収集家の辞典』。
----------------------
素材収集家の辞典
ランク☆
重さ:1kg
カテゴリー:【キーアイテム】【本】
耐久度:???
解説:クルスが後継者のために残した本。開いてみると・・・
----------------------
早速開いてみると何も描かれていなかった。うん?どういうこと?僕が不思議に思っていると突然白紙のページに文字が浮かんできた。
『初めまして、後輩君。僕は素材収集家のクルス、君の先輩にあたる。この本は代々素材収集家に引き継がれている本なんだ。この本には素材を乗せることでその素材を取り込み様々な情報を記録するんだ。その情報が一定上になると試練素材が記される。その素材を記録することにより新しいスキルを覚えることができるよ。あ!『素材収集家』は普通の手段でレベルは上がらないよ。唯一この本のみでレベルが上がるんだ。頑張って』
『ジョブクエスト:辞書記載1』
----------------------
辞書記載
種類:ジョブクエスト
期限:なし
報酬:???
たくさん素材を記録しましょう。ただし自力で採った素材のみです。辞書は見てますよ
----------------------
まだこっちの方が楽かも。素材だけじゃなく武器も記録できるみたいだけどこれは作ってもOKなのか?今度確かめてみよう。
「ここはバレンタイン邸です。用が無ければ近付かないでください」
「すみません。冒険者ギルドでここに行くように言われたので来たのですが?」
僕は門番に先ほど作ったギルドカードとザックさんからもらった手紙を見せる。ギルドカードには名前、職業、ギルド登録印、称号などが記されている。このギルドカードはどの情報を見せるか選択することができ、ザックさん達からのアドバイスから名前、ギルド登録印のみ可視化している。門番はギルドカードと手紙の押し印を見るとこちらに敬礼してくる。
「ザック様の紹介でしたか。ご案内いたします」
番人は門を開け僕を門の中に通してくれた。門を開けると巨大な噴水が見えその噴水には2人の男女の石像が立っていた。僕が石像を見ていると案内してくれている番人が説明してくれる。
「この石像はバレンタイン家の初代当主でありこの街の救世主アイリ・バレンタイン様、クルスバレンタイン様です」
この人たちがそうなんだ。アイリの方は膝までの丈のズボン、上はジャケット、髪型はポニーテールという動きやすそうな格好で腰には2本の長剣を差していた。クルスは身体全体を覆うローブをはおり、背中には大きいリュック、片手には本を抱えていた。
噴水の先にある扉を開けて屋敷内に入りある部屋まで通された。その部屋で待っていると一人の男性が入ってきた。
「お待たせしてすまない。バレンタイン家当ジーク・バレンタインだ」
「こちらこそ突然きて申し訳ありません。ザックさんより急いで向かった方がいいといわれたので」
僕は挨拶をするとザックさんの手紙を渡す。ジークさんは手紙を確認すると目を見開きこちらに尋ねてくる。
「本当に『開拓者』と『素材収集家』を持っているのか?」
僕は職業欄を可視化したギルドカードを見せる。ジークさんはギルドカードを確認すると僕にギルドカードを返した後、話を始めた。
「ありがとう。ケン殿と呼んでいいかな?」
「いえ、普通に読んでいただいて大丈夫です」
「そうか。じゃあケン君と呼ばせてもらおう。『開拓者』と『素材収集家』について話を聞いてるかね?」
「はい。ザックさんからこの惑星で有名な職業だと聞いています」
「そうか。家名からわかるように私の家系はアイリ様とクルス様の直系に当たるんだ。先祖の役目を引き継いで街の代表をさしてもらっている。少し待っていてくれ」
ジークさんは部屋から出ていった。数分後一つの箱と一冊の本を持って来た。
「これは家に代々伝わるアイテムだ。アイリ様とクルス様からの遺言で『もし次に『開拓者』と『素材収集家』が現れたらこのアイテムを渡してほしい』と伝わっている。だからケン君に受け取ってほしい」
『ジークからアイリの遺物:『開拓者の腕輪』を受け取った。ジョブクエスト:開拓者の遺物をクリアしました。『開拓者』がLv3になりました。報酬としてSPが10受け取りました』
『ジークからクルスの遺物:『素材収集家の素材辞典』を受け取った。ジョブクエスト:素材収集家の辞典をクリアしました。『素材収集家』がLv3になりました。報酬としてSPが10付与されます』
「さて今までの話はアイリ様とクルス様の末裔としての話だ。これからはここの代表としてお願いしたいことがある。先祖がこの星に移り住んで約300年、現在までこの惑星を調べながら、魔物と戦いつつここまで調べてきた。いくつかの拠点は作りだしたがこの惑星の全てを調べ終わったわけではない。さらに最近発見された謎の遺跡、他の惑星の存在も知らされた。そこでケン君に遺跡や他の惑星への行き方などを調べてほしいんだ」
『ストーリークエスト:未知の惑星の手掛かりが発生しました。受けますか?』
おお、ストーリークエストだ。でも条件ってなんだ。プレイヤーすべてに聞いているのかな?とにかく受けよう。
「はい、出来るだけ頑張りたいと思います。少し質問していいですか?」
「なんだね?」
「この依頼は全てのプレイヤーに頼んでいるのですか?」
「いや、この依頼は冒険者・商業ギルドから一定の実力があると判断された島人にのみ伝えている。ケン君の場合は特別だ」
つまり条件があるんだ。僕の場合『開拓者』か『素材収集家』のおかげかな。
「と言ってもいきなり遺跡調査を頼むわけではない。まずはザックたちの依頼を達成していってもらい実力をつけて行ってくれ。ただその道中でなにか重要な発見をしたら伝えてほしい」
「わかりました」
僕はジークさんからザック、マイラさん宛に手紙を受け取り、バレンタイン邸を後にした。
よし、まずはアイテムの確認だ。まず『開拓者の腕輪』。
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開拓者の腕輪
ランク☆
重さ:500g
カテゴリー:【キーアイテム】【アクセサリー】
耐久度:???
解説:アイリが後継者のために残した腕輪。装備すると・・・
効果:全ステータス+1
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効果弱い。まあキーアイテムだからな。でも説明文の感じ装備しないとジョブ関連が進まないよな。僕は『開拓者の腕輪』を装備すると頭の中で島で聞いた声が聞こえた。
『初めまして。『開拓者』を引き継いだ人。ここでは後継者君と呼ぶね。まず私はこの惑星『ファースト』を全て見たわ。この腕輪は私が旅していたときにつけてた装備なの。後継者君にはたくさんの景色、未知の発見をしてもらうために様々な場所に行ってほしいの。でも何も目標が無かったらつまらないでしょ。だからこの星の様々場所に私が使っていたアイテムを隠しといたわ。え?他の人に採られないのかって?大丈夫、特殊な技術でこの腕輪を持っていないと見つからないようにしているから。それにこの腕輪を見た時弱いと思ったでしょ?安心して、私が隠したアイテムを見つけるとこの腕輪は強くなるように封印を施したから。だから後継者君、星を舞台とした宝探し楽しんでね』
『ジョブクエスト:ファースト宝探しツアー1が発生しました』
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ファースト宝探しツアー1
種類:ジョブクエスト
期限:なし
報酬:???
まずはどこかの森に行ってみて。どこかにヒントがあるかもね
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ヒントそれだけ?これクリアするのめっちゃ大変じゃん。後は手がかりだけど、ここまで有名なら本屋に伝記とかありそう。後で探しとこ。
さて次は『素材収集家の辞典』。
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素材収集家の辞典
ランク☆
重さ:1kg
カテゴリー:【キーアイテム】【本】
耐久度:???
解説:クルスが後継者のために残した本。開いてみると・・・
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早速開いてみると何も描かれていなかった。うん?どういうこと?僕が不思議に思っていると突然白紙のページに文字が浮かんできた。
『初めまして、後輩君。僕は素材収集家のクルス、君の先輩にあたる。この本は代々素材収集家に引き継がれている本なんだ。この本には素材を乗せることでその素材を取り込み様々な情報を記録するんだ。その情報が一定上になると試練素材が記される。その素材を記録することにより新しいスキルを覚えることができるよ。あ!『素材収集家』は普通の手段でレベルは上がらないよ。唯一この本のみでレベルが上がるんだ。頑張って』
『ジョブクエスト:辞書記載1』
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辞書記載
種類:ジョブクエスト
期限:なし
報酬:???
たくさん素材を記録しましょう。ただし自力で採った素材のみです。辞書は見てますよ
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まだこっちの方が楽かも。素材だけじゃなく武器も記録できるみたいだけどこれは作ってもOKなのか?今度確かめてみよう。
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