『Wonderful Mystery Marvel Island』

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55 東の森ボス戦 風爪乱撃①

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まずはハウル・フォレスト・ベアーに気づかれる前に僕、シズクは遠距離攻撃を行う。
「【ストライクショット】」
「【ツララフォール】」
 僕の強力な矢の一撃がハウル・フォレスト・ベアーの頭にささり、さらに多数の氷のツララが頭上から降り注いだ。

 「グワアァァァァァ」
 ハウル・フォレスト・ベアーは多少のダメージを受けたようだが、こちらに気づき後ろ足で立ち上がり咆哮を上げる。咆哮を合図にヒミコは木刀を、ヒビキは機構剣を構えハウル・フォレスト・ベアーに近づいていく。

 咆哮をあげたハウル・フォレスト・ベアーはそのままヒミコたちに向けて腕を振り下ろし、風の爪撃が飛び出す。この爪撃は飛距離が長く前にいたヒミコ、ヒビキはともかく、後衛にいた僕たちまで届いた。
「おっと」
 とっさに躱したがハウル・フォレスト・ベアーはこちらに近づきながら風の爪撃を繰り出してくる。その爪撃、連射可能なのね・・・・。ヒミコとヒビキは爪撃をよけながらハウル・フォレスト・ベアーに近づいていった。
 あの爪撃は腕の振りがでかいから、ハウル・フォレスト・ベアーの近くにいれば当たらないはず。ハウル・フォレスト・ベアーはヒミコたちが近付いてくると風の爪撃をやめ、ヒミコに向けて拳を振りおとしていった。
「そんな攻撃当たらない」
 ヒミコはハウル・フォレスト・ベアーの攻撃をよけ、ハウル・フォレスト・ベアーの爪は地面にささる。ヒミコはすぐに攻撃しようと木刀を構えるがしかし次の瞬間爪が刺さった地面からヒミコに向けて木の拳が放たれた。
「きゃあ」
「ヒミコ!」
 ヒミコは無防備なところを突然現れた木の拳に殴られ吹き飛ばされた。ハウル・フォレスト・ベアーはヒミコの追いかけ追撃の拳を振り下ろす。

(くっ、さっきの攻撃で足が動かない)

 ヒミコはどうにか木刀を縦に防御しようとするが受けきることは難しいだろう。僕たちの所では攻撃が届かない。そこに
「させません」
 【機構換装】によりきりかえた機構盾を構えたヒビキが入り込みハウル・フォレスト・ベアーの拳を受け止めた。機構盾に少しのダメージで済んだヒミコとヒビキは一度距離を開ける。ハウル・フォレスト・ベアーはその二人を追うが
「【マジックチャージ】【アイスギロチン】」
「【ウインドカッター】」
 2人の脇を【マジックチャージ】で威力が強化された【アイスギロチン】と【ウインドカッター】が通り抜けハウル・フォレスト・ベアーにぶつかり怯んだ。

「ヒビキ、助かったわ」
「いいえ、ヒミコ。先ほどの攻撃は爪が地面に刺さらなければ起きないようです。なので攻撃は私が受け止めるので攻撃をお願いします」
「ええ」
 2人はその隙に作戦を言い合うと再びハウル・フォレスト・ベアーへ接近する。ヒミコが切りかかり、ハウル・フォレスト・ベアーがヒミコに向けて攻撃しようとするが、ヒビキが代わりにハウル・フォレスト・ベアーの攻撃を受け止める。そして攻撃の隙が大きいハウル・フォレスト・ベアーに向けて
「【一閃】」
ヒミコが攻撃を加えていく。そしてヒビキの体力が危なくなると
「【ダイダルブラスト】」
 シズクが【ダイダルブラスト】でハウル・フォレスト・ベアーを吹きとばし、その隙にヒビキが後ろに下がりポーションでHPを回復する。そしてヒビキと交代で僕が前に出てハウル・フォレスト・ベアーの攻撃を時にはよけ、時には盾で受けて錆びていきヒビキの代わりをする。ヒビキがHPが回復したら僕と入れ替わる。この時僕は【フラッシュ】、『下級毒ポーション』『油瓶』『下級麻痺ポーション』などで隙を作り、その隙にヒミコ、シズク、ヒビキが精霊魔法を繰り出す。

 このパターンを繰り返し20分後、ヒビキの【一閃】をくらったハウル・フォレスト・ベアーは周囲に響き渡るように咆哮をあげる。これはヤバい
「みんな、下がって」
 僕が皆に後退を伝えるとヒミコとヒビキは僕がいた場所まで下がった。ハウル・フォレスト・ベアーの様子を見ていると巨大な竜巻が覆った。そして巨大な竜巻が消えるとそこには風を纏ったハウル・フォレスト・ベアーがいた。
「お兄ちゃん、これって猪の時と同じ」
「ああ、第2ラウンドの始まりだ」
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