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11 初めての魔法

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『【投擲Lv1】が【投擲Lv2】に強化されました。物を投げた時の威力のダメージ補正が増えます』

『【地図Lv1】が【地図Lv2】に強化されました。新たに地図上に名前をつけることができる【マークポイント】が可能になりました』

 ふう、今の敵はやばかった。あからさまにボス級の強さだった。HPを確認したけどあと20だった。最後の攻撃、直撃なら死んでたなこれ。

 あと【投擲】と【地図】のスキルレベルが上がった。気になるのは【地図】の方。早速地図を見て拡大してみると新しく『マークポイント』というタブが増えていた。選んでみると

『名前を入力してください』

 アナウンスと共にキーボードが現れた。少し考え『ワイルドベリーの茂み』と入力すると
 
『登録しました(残り4)』

 地図上に旗が現れ『ワイルドベリーの茂み』と名付けられた。これは便利。どこに何があるかすぐわかるじゃん。

 僕はスキルの確認が終わると先ほどホークハンターに襲われていミルキーフライの幼虫の下に向かった。ミルキーフライの幼虫は全身に傷がついていたがどうやら生きていたようだ。

 ただ近付こうとすると威嚇してきたので、僕は今の位置で『ワイルドベリー』と『薬草』を置いて小屋へと戻った。

 空が夕焼けに染まる中僕は小屋に戻ると急いで『たき火』を作った。ただこの時『火打ち石』の水晶部分が割れてしまい金属片しか残らなかった。これはそろそろ魔法を覚えるべきかな。

 ツボよし、水よし。これで水分不足も解決だ。まずツボに泉で汲んできた水を入れてこのツボをたき火に乗せれば水を沸騰させて殺菌(煮沸しゃふつ)・・殺菌・・たき火の上に乗せれない!ダメじゃん!くそ――――

 よし、落ち着こう。金属の網の様なものがあれば解決するがそんなものはない。だからかまどを作ろう。たしか【工作】に・・・あった。素材は『石』と『粘土』・・・よし、あるな。今日は暗いから明日に回そう。後はスキルでも覚えようかな。

 現在のSPは5。ホークハンターとの戦いでも気づいたが遠距離攻撃がいる。そうなると手っ取り早いのが魔法だ。で現在覚えれる魔法は

・火の魔法

・水の魔法

・風の魔法

 火と水は最初からあったけど風は多分ホークハンターの魔法を見たからかな。今必要なのは火と風かな。

『【火の魔法Lv1】を習得した。新しく【ファイアボール】を覚えた』

『【風の魔法Lv1】を習得した。新しく【ウインド】を覚えた』

 えーと、説明を読むと今回習得した魔法は【属性魔法】というらしい。魔法には2種類あって【鑑定】などの【無属性魔法】と火、水、風の様な【属性魔法】に分かれるらしい。で属性魔法の場合レベルが上がれば覚えれる魔法が増える。しかしレベルアップ時には一つだけ覚えることができてその他はSPを消費して覚えると。

 あとは戦闘系のスキルとして【気配察知】と【体術】を覚えよう。

『【気配察知Lv1】を獲得した。スキルを使用することで短時間周囲の状況を理解することができる』

『【体術Lv1】を獲得した。新しく【移動速度上昇(微)】を覚えた』

 早速【気配探知Lv1】を使ってみるとMPを消費して周囲にいくつかの反応が確認できた。範囲は周囲200Mほどで3秒で消えた。これは便利だけどMPには気をつけなくっちゃ。

 次に【移動速度上昇(微)】だけどこのスキルはパッシブスキルで歩くとき少しだけ上昇するらしい。まあ、歩いてみたがよくわからなかった。おそらく1時間とか歩けば違いが分かるかな。

 さてあと寝るまでの間だけど魔法の練習でもしようかな。火の魔法は森が燃えるかもしれないから風の魔法を使おう。近くの木に狙いを定めて手の平を前に掲げて

「【ウインド】」

 すると僕の手の平から風の塊のようなものが出て木に衝突した。魔法の威力で木の表面の樹皮がはがれた。僕はそれからMPが尽きるまで【ウインド】を放ちベッドで寝た。

【ステータス】

HP:30/170
MP:1/110
水分:40/100%
満腹度:60/100%
アタック:15
ガード :17
マジック:18
スピード:15
テクニック:20
レジスト:10

【スキル】

マジックバックLv2
鑑定Lv3
工作Lv2
伐採Lv1
投擲Lv2
火の魔法Lv1
・ファイアボール
風の魔法Lv1
・ウインド
気配察知Lv1
体術Lv1
・移動速度上昇(微)

【称号】

漂流せし者
鑑定をするもの
スキルを強化する者
アイテムを集める者
工作家

4日目

 朝、『緑玉』と『水玉』を食べた僕は今日の計画を考える。今日は小屋周辺の改良をしよう。まずは早速小屋の近くでかまど作りに取り掛かる。作り方は簡単で手ごろな石を積み、石の隙間を粘土で埋めると

ポン

『かまどができました』

 上にツボを置く場所、下には火を入れる場所を作った。ただし粘土が乾いていないため下に『わた』、『枝』、『薪』をいれ手をかざし魔法を唱える。

「【ファイアボール】」

 すると僕の手から火の玉が燃料である木材に当たりボウボウと燃え上がる。これで放置していると粘土は乾くだろう。

 次に昨日『ワイルドベリーの茂み』で見つけた『ワイルドベリーの苗木』を植えるために近場の土を『牙のナイフ』で耕すことにする。作業する事1時間

「ふう、終わった」

 僕の目の前には『ワイルドベリーの苗木』が植えられた畑が出来上がった。感度の方も火は消えており粘土も乾いたようだ。そして残り時間、小屋の中で工作している

ピローン

 メールの着信音が聞こえた。メールの送信者はお母さんで内容はそろそろ夜ご飯だからゲーム止めなさいだった。僕はそのメールを見るとすぐにログアウトした。
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