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3章
113 デート編⑥レオナとシシエドへ
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翌日翔とレオナはレオナのリクエストでヒノクニ大陸シシエド領に来ていた。まずはシシエド領の温泉街を歩くことにする。ちなみの二人の格好は浴衣、下駄に上着を羽織ったTHE温泉客となっている。
元々元シシエド国は豊富な鉱石と木材などの資材がある山から運び加工するために建国された。さらに山から湧き出る温泉にも目を向け観光名所にして栄えていった。
そのため土地は大きく3分割され山の麓(ふもと)の平原に作られた資材の運搬、加工を主とした商業区画、温泉の水源を保つために山を切り開いて作られた旅館区画、旅館区画と商業区画をつなぐように展開されている様々な店が立ち並ぶ温泉街区画である。
シシエド領の温泉街には何本もの小川が流れており、その小川の上をいくつもの橋でつなぎ小川に沿って様々な店が建てられている。
「あれは何?」
レオナはある場所を指さす。そこには三角屋根の下に四角い枠があり、その枠の中には湯気が出ている液体が入っておりその周りを長椅子が置かれていた。何人かの温泉客がその湯気が出ている液体に足を入れている。
「あれは足湯っていって足だけで入る温泉だよ」
「なんで足だけ入るの?」
「そもそも風呂に入る理由は身体を清めるだけでなく、体の血流を良くして体の中に入っている無駄な物:老廃物を汗として排出しているんだ。だけど風呂に入ると血圧が上がったりして体力を消費して体に負担がかかるから、体が弱い人や心臓に病気を持っている人には厳しいんだ。だけど足湯ならその負担も最小限になって老廃物の排出もしてくれるんだ」
翔とレオナは試しに足湯に入ってみた。湯を足につけてみると足から頭へと少しずつ体中が温まってきて血流がよくなり頬にも赤みが生じてきた。そうなると体の緊張も解けてきてゆったりできた。
「はぁーーー、いい気持ち」
「あー、そうだなあ」
しばし足湯を楽しむ2人だった。
足湯を後にした2人は再度温泉街を見まわっていたらレオナはある場所で鼻をクンクンさせ匂いを嗅ぎだした。
「何?この甘い匂いは?」
匂いの下に行くレオナについていくとあるお店に着いた。店頭には表面にシシエドと焼き印が押された一口大の茶色いパンみたいな物が置かれていた。店員のおばちゃんが近付くレオナと翔に気づき笑いながら話しかけてきた。
「いらっしゃい。シシエド温泉まんじゅう買っていくかい?」
「温泉まんじゅうですか?」
「ああ。薄い生地の中にあんこが入ったおいしいお菓子だよ。一個食べてみんさい」
翔とレオナは試食用の温泉まんじゅうを食べてみる。一口食べるとしっとりしたあんこの触感と甘みが口に広がりサクッとした生地の触感がアクセントになっていた。
「おいしい。いくつかもらえますか?」
「まいどあり」
温泉まんじゅうをいくつか買った翔とレオナは温泉街を見回るのを終え旅館に閾温泉に入るために歩き始めた。その二人の後を追う黒い影が
???
俺はシシエドの温泉街を縄張りにするスリだ。シシエドが国だったときは街に見周りも少なく仕事がしやすかったんだが、オオエド国と合併した時に見周りが一気に増えやがった。そのせいでほとんどの同僚が捕まりやがった。だが俺はそんな間抜けじゃねえ。見周りの配置も考え標的を狙うから捕まりはしねぇ。今日も無防備に巾着を持った観光客を見つけたぜ。見周りも付近にいねぇ。さぁ仕事の時間だ。
レオナの後ろから一人の男性が近付いてくる。翔もレオナも気づいているが知らないふりをする。すると男はレオナの横を通り過ぎる時レオナが貴重品を入れている巾着を奪おうと手をのばす。しかしレオナはその手をつかみ風魔法で空中に投げ飛ばした。男はそのまま空中に飛んでいくと近くの見回り兵の前に落ちていく (レオナはきちんと魔法で制御し男にけがはない)。レオナは特に気にした様子もなく翔に話しかける。
「じゃあ、温泉に行きましょ」
「ああ、でも本当に一緒に入るのか?」
「ええ、水着を着るから問題ないわ。約束でしょ?」
そう。レオナはデートが最後に回されるのを条件に翔に水着を着た温泉の混浴を約束させたのだ。
翔は先に水着を着て温泉に入った。すでに太陽は月の光が辺りを照らしている。翔達が入った旅館の温泉は外にあり、石で囲まれた湯船に山の源泉から直接湯を取る源泉かけ流し式という方法で湯を溜めている。周囲には竹の策で囲まれて一本のモミジの木が植えられており、枝から落ちたモミジの葉が温泉に浮かんでいる。
「おまたせ、翔」
黄緑のビキニを着たレオナが温泉に入り翔の隣に近寄ってきた。レオナの長い金色の髪は温泉の水にぬれ艶を増し月の光を浴びて輝いている。またもともとプロポーションもよかったレオナの身体は温泉により少し赤みがまし色気がましており、翔はその美しさに少しの間見惚れてしまった。
「?どうしたの翔?」
「!いや、別に。それにしてもいい湯だな」
翔の少し慌てた返事に疑問を持ちつつ翔の隣に移動したレオナは空をも上げながらのんびりする。そして翔の肩に頭を乗せた。その行動に顔をより赤くした驚いた翔はレオナに話しかける。
「どうしたのレオナ?」
「別に理由はないわ。ただこうしたかっただけ。嫌だった」
レオナは翔の肩に頭を乗せつつ暗線の熱だけではない理由で顔を赤らめ上目使いで翔に聞く。そんな顔で頼まれると翔の答えはひとつしかない。
「嫌じゃないよ」
そんな2人だけの時間はデート終了時間まで続くのであった。
元々元シシエド国は豊富な鉱石と木材などの資材がある山から運び加工するために建国された。さらに山から湧き出る温泉にも目を向け観光名所にして栄えていった。
そのため土地は大きく3分割され山の麓(ふもと)の平原に作られた資材の運搬、加工を主とした商業区画、温泉の水源を保つために山を切り開いて作られた旅館区画、旅館区画と商業区画をつなぐように展開されている様々な店が立ち並ぶ温泉街区画である。
シシエド領の温泉街には何本もの小川が流れており、その小川の上をいくつもの橋でつなぎ小川に沿って様々な店が建てられている。
「あれは何?」
レオナはある場所を指さす。そこには三角屋根の下に四角い枠があり、その枠の中には湯気が出ている液体が入っておりその周りを長椅子が置かれていた。何人かの温泉客がその湯気が出ている液体に足を入れている。
「あれは足湯っていって足だけで入る温泉だよ」
「なんで足だけ入るの?」
「そもそも風呂に入る理由は身体を清めるだけでなく、体の血流を良くして体の中に入っている無駄な物:老廃物を汗として排出しているんだ。だけど風呂に入ると血圧が上がったりして体力を消費して体に負担がかかるから、体が弱い人や心臓に病気を持っている人には厳しいんだ。だけど足湯ならその負担も最小限になって老廃物の排出もしてくれるんだ」
翔とレオナは試しに足湯に入ってみた。湯を足につけてみると足から頭へと少しずつ体中が温まってきて血流がよくなり頬にも赤みが生じてきた。そうなると体の緊張も解けてきてゆったりできた。
「はぁーーー、いい気持ち」
「あー、そうだなあ」
しばし足湯を楽しむ2人だった。
足湯を後にした2人は再度温泉街を見まわっていたらレオナはある場所で鼻をクンクンさせ匂いを嗅ぎだした。
「何?この甘い匂いは?」
匂いの下に行くレオナについていくとあるお店に着いた。店頭には表面にシシエドと焼き印が押された一口大の茶色いパンみたいな物が置かれていた。店員のおばちゃんが近付くレオナと翔に気づき笑いながら話しかけてきた。
「いらっしゃい。シシエド温泉まんじゅう買っていくかい?」
「温泉まんじゅうですか?」
「ああ。薄い生地の中にあんこが入ったおいしいお菓子だよ。一個食べてみんさい」
翔とレオナは試食用の温泉まんじゅうを食べてみる。一口食べるとしっとりしたあんこの触感と甘みが口に広がりサクッとした生地の触感がアクセントになっていた。
「おいしい。いくつかもらえますか?」
「まいどあり」
温泉まんじゅうをいくつか買った翔とレオナは温泉街を見回るのを終え旅館に閾温泉に入るために歩き始めた。その二人の後を追う黒い影が
???
俺はシシエドの温泉街を縄張りにするスリだ。シシエドが国だったときは街に見周りも少なく仕事がしやすかったんだが、オオエド国と合併した時に見周りが一気に増えやがった。そのせいでほとんどの同僚が捕まりやがった。だが俺はそんな間抜けじゃねえ。見周りの配置も考え標的を狙うから捕まりはしねぇ。今日も無防備に巾着を持った観光客を見つけたぜ。見周りも付近にいねぇ。さぁ仕事の時間だ。
レオナの後ろから一人の男性が近付いてくる。翔もレオナも気づいているが知らないふりをする。すると男はレオナの横を通り過ぎる時レオナが貴重品を入れている巾着を奪おうと手をのばす。しかしレオナはその手をつかみ風魔法で空中に投げ飛ばした。男はそのまま空中に飛んでいくと近くの見回り兵の前に落ちていく (レオナはきちんと魔法で制御し男にけがはない)。レオナは特に気にした様子もなく翔に話しかける。
「じゃあ、温泉に行きましょ」
「ああ、でも本当に一緒に入るのか?」
「ええ、水着を着るから問題ないわ。約束でしょ?」
そう。レオナはデートが最後に回されるのを条件に翔に水着を着た温泉の混浴を約束させたのだ。
翔は先に水着を着て温泉に入った。すでに太陽は月の光が辺りを照らしている。翔達が入った旅館の温泉は外にあり、石で囲まれた湯船に山の源泉から直接湯を取る源泉かけ流し式という方法で湯を溜めている。周囲には竹の策で囲まれて一本のモミジの木が植えられており、枝から落ちたモミジの葉が温泉に浮かんでいる。
「おまたせ、翔」
黄緑のビキニを着たレオナが温泉に入り翔の隣に近寄ってきた。レオナの長い金色の髪は温泉の水にぬれ艶を増し月の光を浴びて輝いている。またもともとプロポーションもよかったレオナの身体は温泉により少し赤みがまし色気がましており、翔はその美しさに少しの間見惚れてしまった。
「?どうしたの翔?」
「!いや、別に。それにしてもいい湯だな」
翔の少し慌てた返事に疑問を持ちつつ翔の隣に移動したレオナは空をも上げながらのんびりする。そして翔の肩に頭を乗せた。その行動に顔をより赤くした驚いた翔はレオナに話しかける。
「どうしたのレオナ?」
「別に理由はないわ。ただこうしたかっただけ。嫌だった」
レオナは翔の肩に頭を乗せつつ暗線の熱だけではない理由で顔を赤らめ上目使いで翔に聞く。そんな顔で頼まれると翔の答えはひとつしかない。
「嫌じゃないよ」
そんな2人だけの時間はデート終了時間まで続くのであった。
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