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2章

81 ヒノクニ騒動編④オオエド大陸を侵食する4つの災厄

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はるか昔ヒノクニ大陸に4体の魔物が生まれた。その4体の魔物は成長するとともに濃密な瘴気をまとい強大な力を身に着け、数年後眷属の魔物と共に各国へと進行していった。



 オオエド国にはあらゆる生物のスケルトンを眷属とする黒い鎧を着た巨大な人型の骨が進行してきた。その魔物たちが近付くにつれオオエド国の住民は極度の空腹感に襲われ動けなくなった。のちに黒い鎧を着た巨大な人型の骨は『飢餓の黒骸ガシャどくろ』と呼ばれた



 ヨツクニ国には様々な彗星い生物を眷属とする体に分厚い粘液でまとった紫色の巨大なカエルが進行してきた。その魔物たちが進行すると周囲の植物、土地、生物は腐り果てていった。のちに体に分厚い粘液でまとった紫色の巨大なカエルは『腐敗のプルートゲコリアス』と呼ばれた。



 シシエド国には大量の動物を眷属とする黒い霧をまとった巨大なマンモスが進行してきた。その魔物たちは周囲に霧を広げ、その霧に触れたものはさまざまな疫病にかかっていった。のちに黒い霧をまとった巨大なマンモスは『疫病のプレーグマンモス』と呼ばれた。



 イセノミヤ国には大量の植物を眷属とする黒い和服と蝶の羽を持つ女の子が進行していた。その植物に触れた物はすぐに絶命していった。のちに黒い和服と蝶の羽を持つ女の子は『死滅の黒死姫』と呼ばれた。



 この4体の魔物はアマテラスたちと力を合わせた当時の人々がどうにか討伐した。しかしアマテラスたちは知らない。その魔物たちがある神が生み出したことを。さらにその魔物たちをアマテラスたちが倒す前にオオエド大陸に封印したことを。







 イセノミヤ国が一望できる丘で金成は怒りを発していた。



「どういうことだ!何故一葉が帰ってこない?」



 隣に座っていた多恵は落ち着いた表情で金成をたしなめる。



「落ち着きなはれ、金成はん。故障でもしたんとちゃうんですか?」



「落ち着いてられるか?くそ、もう手遅れだ。どんだけ我慢したと思う」



「そんなことより、ほら、見なはれ。そろそろ始まりますよ」



 と2人は大陸制覇の光景を特等席でみていた。しかしその光景は見れないだろう。とある7人により



 イセノミヤ国東の平原、飢餓の黒骸ガシャどくろとその眷属の様々なスケルトンが進行していった。その前に現れたのはミゼルとミーシャ。魔物たちは周囲に飢餓の呪いを振りまくが2人の強力な魔力の前では意味がなかった。



「じゃあ、ミーシャまず周りの骨たちを吹きとばすから浄化お願い」



「うん、わかったよ~」



 ミゼルは聖邪拳ジ・エンドをガンっガンっとならし、魔力、闘気を込めながら飛び上がった。



 ミーシャは背中から隠していた天族の翼を広げミゼルへ向かって補助魔法をかける。



「【エンゼルロットフォース】」



 【エンゼルロットフォース】。翔と一緒に開発した多重補助魔法【エンゼルロット】シリーズの一つ。【エンゼルロットフォース】は筋力強化・俊敏性強化・魔力強化・属性強化・攻撃範囲強化の5つを一度に掛けて、味方の攻撃を補助する。



 そしてミゼルは下にいるスケルトンの群れに向けて技を放つ。



「【魔黒舞踏:桜華地榴弾】」



 【魔黒舞踏:桜華地榴弾】。魔力と闘気を合わせた魔黒舞踏のひとつで魔力と闘気を込めた拳を敵に向けて振り魔力弾を放出。その魔力弾は敵に当たると周囲の者にも衝撃波と魔力波を与える。今回ミゼルは空中から放つことにより進行してくるスケルトンすべてを射程とした。



 ミゼルの技の威力、射程により飢餓の黒骸ガシャどくろ以外のスケルトンは全てつぶされた。しかしスケルトンたちは骨をカタカタ鳴らし復活しようといている。そこに上空に飛んだミーシャの追撃が襲う。



「打ち砕くはさまよえる魂 降り注ぐは太陽の輝き【サンライズテラブレス】」



 【サンライズテラブレス】。破銃ジャッジメントにより放たれる光魔法の一つで魔法陣から巨大な砲門が現れ、破銃ジャッジメントのトリガーによりその砲門から太陽光レーザーが放たれる。そのレーザー光には浄化効果も含まれているのでスケルトンたちは浄化され塵となった。



「あーーーー」



 飢餓の黒骸ガシャどくろはミゼルとミーシャの攻撃により身を守る鎧は壊され、不死性はじょうかされた。そこへミゼルが最後の一撃を放つ。



「【魔黒舞踏奥義:剛破マキシマムブレイク】」



 【魔黒舞踏奥義:剛破マキシマムブレイク】。魔黒舞踏の奥義の一つ。原理は単純で拳に魔力、闘気を纏わせ敵をなぐる。ただし奥義と呼ぶにはこの一撃で山一つを消し飛ばさなければならない。魔界国ゼルドロスにはこの奥義を覚えるための特殊な空間があり、その空間では無限に復活する大地が存在する。ちなみにミゼルの本気の一撃は大陸一つを吹きとばす。



 そのミゼルの一撃で飢餓の黒骸ガシャどくろは粉砕された。これにて東の平原の戦いは終了した。





 イセノミヤ国南の平原、腐敗のプルートゲコリアスとその眷属である水生生物が進行していった。その前に現れたのは聖とレオナ。魔物たちは周囲に腐敗の呪いを垂れ流しているが2人の強力な魔力の前では意味がなかった。



「じゃあ、さっさと倒しましょうか」



 レオナは二振りのナイフを取り出し魔力を込めた。このナイフは双剣アルマ・カルマ。ミスラに会った時に加護と共にもらった新しい神器である。



「ええ、そうですね」



 聖は魔杖ユグドラシエルを手に持ち魔力を込めた。



「【ホワイトフレアスライサー】」



 レオナは双剣アルマ・カルマに光属性と火属性の魔力を込め、幾度高速で振りぬく。するとその魔力は刃の雨となり敵に降り注ぐ。



「【マルチプルホーリーカノン】」



 聖の周りに多数の白い球体が現れる。その球体は敵に近づき光属性の光線を発射する。



 数秒後、目の前の魔物たちは腐敗のプルートゲコリアスを除いて光の光線と刃の雨により消滅した。腐敗のプルートゲコリアスだが体の粘膜は2人の攻撃ではがされていた。慌てて二人を撃退しようと二人へ攻撃しようとしたが、すでに聖一人しかいなかった。すると下半身に違和感を感じたプルートゲコリアスは下を見ると



ドサッ



 下半身は切られていた。



「【雷装:鳴神切り】」



 プルートゲコリアスは全身に雷を纏って放たれた高速の斬撃により真っ二つに切られていた。そしてプルートゲコリアスは急に暗くなったため上を振り向くと



「ゲコッ?」



 大きな拳が迫っていた。



「我が敵に終焉の一撃を【神聖召還:タイタンの鉄槌】」



ドシンッ



 こうして南の平原を進行していた腐敗のプルートゲコリアスは巨人の一撃で粉砕された。 



 イセノミヤ国西の森を大量の動物型の魔物と疫病のプレーグマンモスが進行していた。その前に現れたのは真保とアリシア。魔物たちは疫病をまき散らしているが2人の強力な魔力により弾かれていく。



「たくさんいるわね」



 真保は極魔本マギクリスタを開きながら魔力を込める。



「ええ、時間もないしさっさと倒しましょうか」



 アリシアは天樹弓ミーティアを構える。



「地獄の凍土をもって 永久の眠りに沈み 凍てつけ【ニブルヘイムインフィニティ】」



 真保から放たれた大量の魔力を吸収し極魔本マギクリスタから魔法陣が飛び出す。その魔法陣は一瞬で目の前の魔物の大群を覆い地面・空中関係なく凍り付かせた。まだ意識がある魔物もいたが



「【シルフフォールレイン】」



 アリシアが上空に放った魔法で作った一本の矢は凍った魔物たちの上空の中心にくると一気に分裂し凍った魔物を射抜いた。これにより西の森を進行していたすべての魔物は粉々に砕け散った。



 イセノミヤ国西の平原を大量の植物型の魔物と死滅の黒死姫は進行していた。その前に現れたのは翔。そしてその後ろには西の門に集まった咲夜達オオエド国の兵士がいた。



 翔は神刀:陰日向で居合の構えを取る。そして魔法陣を展開し目の前の魔物を囲む。そして



「【天魔流居合:火走り・煉獄】」



 カチッ



 一気に振りぬいた。すると目の前のすべての魔物は上下半分に切り裂かれ、くろい炎で燃え尽きた。死滅の黒死姫は下半身を犠牲によけたが、すでに目の前には翔が【ゲート】で間合いに入り刀を上弦に構えていた。そして



 スパっ



 黒死姫を切り裂き西の平原の戦いは終了した。
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