異世界デパート"コレクト・スター"へようこそ~異世界救ったので地球の商品売ってのんびり生活したいと思います~

２章

62 コレクトスターの従業員募集

メルトホルン共和国市民区　天魔翔の家

(ん、まぶし)

翔の目に入ってきたのはカーテンの隙間から除く朝日の光だった。今日はコレクトスターが完成してから数日たったある日である。

翔はベッドから出て体を伸ばした。すると隣のベッドの布団もモゾモゾ動き出した。

「うーん、翔お兄ちゃんおはよう」

「おはよう、ユーナ。起こしちゃった？まだ寝ててもいいよ」

「ううん、大丈夫」

翔は目をこすりながら布団から出てきたユーナに声を掛けながら、カーテンを開けた。そこからは普段通りのメルトホルン共和国の街並みが見えた。

(うん、いつも通り、今日も頑張ろう)



翔とユーナは水面所で顔、歯磨きを済ませると部屋着に着替え１階に降りた。ちなみにヴィジョンの一般的な家庭では水面所やトイレなどは一家に１～２個付いているが、翔の家では各部屋に水面所、トイレ、シャワーがあり、１、２階にそれぞれ男女で分けられた水面所、トイレが備え付けられていた。また１回には源泉かけ流しも大浴場が完備である。



1階にはすでにアリシアと聖が起きており朝食の準備をしていた。翔の家ではリビングに黒板が置かれており、黒板には個人の様々な予定が記載されています。そこに料理の当番も書かれており、一日３名で行われる。今日は翔、アリシア、聖である。

「おはよう、翔君、ユーナちゃん」

「おはよう、翔、ユーナ」

「おはよう、聖、アリシア」

「おはよう、聖おねちゃん、アリシアお姉ちゃん」



翔とユーナは朝の挨拶をしながらキッチンに入り、手を洗い始めた。

「今日の献立は？」

「卵焼きに魚の塩焼き、サラダ、お味噌汁よ」

「OK」

「ユーナは私のサラダづくりを手伝ってくれる？」

「うん、アリシアお姉ちゃん」



１時間後、全員で朝食を取った後、翔が話し始めた。

「前にも話したけど、コレクトスターの従業員には孤児院の子供たちを雇いたいんだ。それで今からその話をしに行くんだけど皆も付いてきてくれる？」

「今、孤児院の人数何人ぐらいだっけ？」

「たしか、４０人ぐらいかな。でも無理強いはしたくないから働きたい人だけを雇おうと思ってるんだ」

「私は予定がないし付いていくけど皆は？」

真保が皆に振り向くと全員うなずいた。



翔達が身支度を済ませ、孤児院兼協会に向かうと、孤児院の前で遊んでいる子供たちがこっちに気づき近づいてきた。

「翔お兄ちゃん、いらっしゃい。今日はどうしたの？」

「ジルさんに会いに来たんだけどいる？」

翔は子供たちをなでながら院長の行方を聞いた。すると子供たちは翔の手を引きながら院長のいる部屋まで連れて行ってくれた。翔はお礼に孤児院のみんなで食べるようにクッキーを渡し、扉をノックして中に入った。

「あら、みなさんどうしたんですか？」

「前に話したと思うけど子供たちに手伝ってほしいことがあるんだ。あ、でも強制じゃないからね」

「それはあの建物に関することですか？」

とジルは窓から見えるコレクトスターを指さしながら聞いてきた。

「うん、実は・・・」

翔は先ほどの計画について詳しく説明した。するとジルはうなずくと子供たちを一室に集めた。



「みんな今日は翔さん達から仕事を頼まれました。これは無理やりではないから考えて答えてね。みんなも目に入ってると思うけど翔さん達がお店を作ったの。名前はコレクトスターっていって、このお店の中には食堂、雑貨屋、鍛冶屋、農場があるの。そこで翔さん達はそこであなたたちに働いてほしいらしいの。翔さんは働く気があればだれでもいいと言ってたけど、私から２つ条件を出すわ。１つは本当に働きたいか、これは先ほど言ったみたいに強制ではないしお客様相手の仕事だから意欲が無ければだめだと思うの。２つ目は計算ができること、これはお金を使う商売だから計算間違いが多いと大変なことが起こるわ」



「実際お客さん相手に仕事をしてもらうのは１か月後ぐらいで、それまではそれぞれの仕事場のやり方を覚えてもらうから安心してね」

ジルに続き翔が話すと子供たちは少し考えそれぞれ希望を言ってきた。その結果

食堂：黄昏の彗星・・・16名（リーダー：料理班カナ(15歳)　フロア班：マオ(15歳)）

商店：星降る夜・・・８名（リーダー：イチカ（15歳））

工房：流星のアトリエ・・・6名（リーダー：トム（14歳））

農場：星空ファーム・・・８名（リーダー：エルダ（12歳））

となった。それどれのグループに翔達が何人かついて具体的な仕事について説明した



食堂：黄昏の彗星にて・・担当：ミーシャ・真保

　ミーシャと真保はカナ・マオ達１４人を連れて食堂内に入った。そして興味深げに周囲をきょろきょろ見てる子供たちに説明をした。

「まずさっき説明したように料理組２フロア組6人計8人のグループを２つ作って。開店して最初の一カ月はこの16人で回すけど最終的には１グループ交代で１日休みながら働いてほしいの」

「私たち、毎日働けるよ」

「だめよ、働きたいって気持ちは大事だけど、体には疲労は蓄積して倒れちゃうからね。あと大量が悪い時はすぐに連絡すること。その時はもうひとグループから助っ人を頼んだり調整してあげるから」

「「はい」」

「まずフロア組ね～。やることは注文を取ること、注文を届けること、食べ終わった食器を片付けること、お会計をすることだよ～。後時間があればお店の掃除もお願いね～」

リーシャは実際に作業をしながら説明した。子供たち全員その話を聞きながらわからないことは質問しつつ必死に覚えていた。

「次は厨房組なんだけど、具体的な料理は決まってないから今日はフロア組の練習に参加しよっか。何かあれば厨房組にもフロアを任せるかもしれないし。逆の場合もあるけどね」



商店：星降る夜・・・担当：レオナ・聖

レオナと聖はイチカ達8人を連れて店内に入った。レオナたちは子供たちを２グループに分けると真保達と同じ説明をしたのち実際の仕事内容について説明した。

「ここでは様々な雑貨を売ってるの。みんなにやってほしいことは、商品の棚出し、お会計、袋入れね。商品によっては割れ物や液体、刃物もあるから取り扱いには注意すること」



工房：流星のアトリエ・・・担当：アリシア・ミゼル

アリシアとミゼルはトム達６人を連れて店内に入った。アリシアたちは子供たちを２グループに分けると真保達と同じ説明をしたのち実際の仕事内容について説明した。

「ここでは主に鍛冶で作られたものを売ってるわ。で商品を作ってくれる人なんだけど」

アリシア達は店内にある奥の扉を開けるとそこには以前の職人のが何人か待っていた。

「この人たちはこのお店を作ってくれた職人さんで、このお店で出す商品も作ってくれてるの」

今度は職人の人たちに向けてアリシアは説明した。

「でこの子たちはこのお店を手伝ってくれる子供達。最初は６人で働いてくれるけど最終的には日替わりで３人ずつ働いてもらうわ」

「よろしくな、坊主たち」

「こちらこそよろしくお願いします」

「何か困ったことがあったら遠慮なくいってね」

「はい頼りに差してもらいます」

「おじさんすごい筋肉だね」

「力仕事は任せな」

終始和やかに職人たちと子供たちの顔合わせは終了した



残るは翔達が担当する農場：星空ファーム。しかしここにはあるゲストが