異世界デパート"コレクト・スター"へようこそ~異世界救ったので地球の商品売ってのんびり生活したいと思います~

１章

51 ついに完成 THE・日本の朝食（魚は無いけど）

「次は私たちね。まずは私、真保がこの四角いフライパンを使った卵焼きの作り方を説明するわ。まず基本的な味付けからね。用意する食材は卵、塩、牛乳よ」

　真保はオオエドで買った四角いフライパンを取り出し、皇帝コッコウの卵、サマーソルト、牛乳を台所に置いた。



～皇帝コッコウ～

　コッコウが自然界で弱肉強食の世界で生き延び進化した姿。皇帝コッコウの卵はコッコウの卵より味が濃厚で絶品である。ただし警戒心が強くなり、少しでも気配を感じると逃げ出す。追いついても油断してはいけない。強力なくちばしと爪により襲い掛かってくる。



～サマーソルト～

　海を移動する島フォーシーズン島にあるサマーシェルの殻をすりつぶすことにより手に入る。フォーシーズン島が見つかりにくいことから高級食材であり、その味は海の風味を感じる塩味である。ちなみに翔は偶然見つけた時にたくさんサマーシェルを取ったので在庫は余るほどあり、孤児院にも分けている（院長には普通の塩だと言っているが）。



「まずボウルにいくつかの卵と適量の塩を混ぜ合わせます」

　真帆はボウルに片手で卵を２個割り、塩を適量加え箸で混ぜた。十分に混ざった後、ミルクを加え軽く混ぜ下準備は終わった。



「次に四角いフライパンに火かけて油を少量回しかけます。全体的に油がいきわたったら卵を少し加え紙のように伸ばします」

　真保はフライパンを中火でかまどに置き、少しフライパンが温まったら油を少量加え、油が全体になじむようにフライパンを傾けました。油が全体にいきわたったらボウルから卵を少し流し込み、薄い膜になるようにフライパンを傾けた。



「ここからが難しいところなんだけど、卵が持てるぐらい固まったら箸かフライ返しで奥から手前に２，３回折りたたむように巻きまく。巻いたものをフライパンの奥によせ空いたところにまた少し卵を流し込み、さっきと同じように紙になるように流し込む。この時奥に寄せた卵を少し持ち上げその下にも卵がいきわたるようにする。こうすることで形がきれいな卵焼きができます。」



　真保は器用に箸を使って破れないように卵を巻くと、更に卵を追加して同じように巻いていった。

ある程度の大きさまで巻くと、卵焼きを軽く中に放り投げると包丁を何回かふるい皿の上に盛り付けた。



「はい、食べてみて」

　真保が卵焼きを差し出し皆が一口、口に含むと卵の濃厚なうまみと同時に海の香りを含んだ塩味が口中に広がった。

「なにこれ、美味しい」

「卵の層が何層もあるからかむたびに味が出てきておいしい。それに味もちょうどよくてごはんが進みそう」

「それとこのフライパンの形ね～、この四角い形のおかげで卵が崩れるにできるわ～」



「それじゃ、みんなやってみましょう。最初は巻くのが難しいと思うからフライ返しでやったほうがいいわよ」

　真保の助言と共にヴィジョン組の卵焼き作りが始まった。最初はぎこちなくやっていたがさすが普段から料理をする彼女ら、一つの卵焼きを作り終わるころには全員箸を用いてクルクルっと卵を巻いていた。えっ、ユーナはって？ユーナも同じようにクルクルってまいているよ。



「あとこの卵焼きにはいろいろ種類があって、まずは塩の代わりに砂糖を入れた甘い卵焼き、ネギと醤油を加えた和風卵焼き、卵を巻くときに紙状の海苔を一緒に巻くのりいり卵焼き」

　と真保は砂糖入りの卵のボウル、ネギと醤油が入った卵のボウル、塩味の卵のボウルに紙状の海苔を用意した。



「次は私聖が味噌汁の作り方をお教えいたします。まずは出汁を作ります。使用するのは煮干しという日干しした小魚と乾燥した昆布です」

　聖は中型の鍋と煮干しと乾燥昆布を聖とヴィジョン２組分用意した。



「今回は簡単な方法で出汁を取ります。鍋に水を半分ほど張り、その中に乾燥昆布と煮干しを加えます。これで30分ほど放置します。翔君お願い」

　真保はお鍋に水を魔法で入れ、その中に昆布と煮干しを加えた。同様に昆布と煮干しを加えた２つの鍋に翔が時空間魔法をかけて３０分ほど時間を進めた。するとさっきは無色透明な鍋の水がほんのり茶色に濁っていた。



「次にこの出汁を火にかけます。火の強さは中火位にします。次に具材ですがオオエドでかkkて来たわかめととうふを使います。わかめは水洗いした後、一口大になるようにぶつ切りにして鍋に、豆腐は手に持って格子状に切って入れます。豆腐は一気に刃を入れたほうが形は崩れないです。手は傷つけないようにね」



　聖はだしのはいったなべに中火で火を入れている間に、昆布を軽く水洗いした後一口大に切り鍋に投入した。続いて豆腐を手に持ち包丁に賽の目上に切れ目をいれ鍋に投入した。



　聖のやり方を見ながらミゼルは昆布をぶつ切りにし、レオナはとうふを恐る恐る手で持ち、手の上で切り鍋に投入した。

「結構弾力があるのね、豆腐」

「ああ、だから下から支えれば持ち上げることができるんだ」



　具材を少し似たのち

「鍋の火を沸騰しないぐらいまで弱めて味噌を溶かします。今回用意したのは２種類の味噌。味噌を数種類入れることにより、味わい深い味噌汁ができます。溶かすときはこのようにお玉の上に味噌をのせ、箸で回しながら溶かします」



　聖は二種類の味噌をお玉ですくい、鍋の中の出汁に浸し、箸で回しながら溶かしいれた。少し経った後味を調整し味噌汁は完成した。



　そして夕食のテーブルの上には白いご飯、サラダ、数種類の卵焼きそして味噌汁が用意された。

これに魚があればTHE・日本の朝ごはんである（まあ、夕食だけど）。その日の夕食は皆が大満足で終わり、ごはんも味噌汁も全て食べてしまった。