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1章
46オオエド探索⑥鍛冶屋『匠』の頑固店主登場
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家具屋『瓦』の女性の店員に紹介された鍛冶屋に到着した翔達。店頭にはいくつかの金属やフライパンや鍋、鎧、盾などが転がっており、カンッカンッと金属をたたく音が聞こえる。ここは鍛冶屋『匠』。
「失礼します、誰かいませんか?」
「・・・」
レオナが店内に声をかけるが金属をたたく音しか聞こえない。
「レオナ、鍛冶場でそんな声じゃ聞こえないよ。もっと大声で」
「すみませーん。誰かいませんか」
と翔は店内に響くように声を張った。近所迷惑にならないように周囲に防音の結界も忘れずに。天魔翔アフターケアも忘れない。
「なんじゃ、お主ら?」
奥から一人の男性が現れた。よく鍛えられた体、黒色の作業着作務衣を着ており、今まで作業していたんだろうか、片手に金槌を持ち、翔達をいぶかしげににらみつけた。その眼光は気弱な人なら逃げ出すだろう。
「先ほど行った『瓦』さんで調理器具がどこで買えるか確認したらここを紹介されたんです」
しかしそこは翔達。気にせず話しかけます。
「うちを紹介するってことはチグサさんか。じゃあ、むげにも扱えねえな、何が欲しいんだ」
「まずフライパン見せてくれませんか?」
と翔が尋ねると職人は目線をフライパンの場所に向けた。勝手に見ろってことらしい。
翔達は大小さまざまなフライパンを見回った。底の浅い物、深い物、取っ手の長い物、短い物。
「んっ?なにこれ?変な形」
ユーナが一つのフライパンに興味を示した。その形は円形ではなく、取っ手部分の辺が短い長方形だった。
「これは卵焼き用だね。この形を使って四角い卵焼きを作るんだ。今度作ってみるよ。」
「四角い卵焼き?何それ?面白そう」
「ほう?坊主よく知ってるな。そのフライパンの使い方を」
職人が翔とユーナの会話に少し表情をやわらげ混ざってきた。
「以前、たまたまこのフライパンを使ってとこを見たことがあるんですよ。しかしこのフライパンいい出来ですね。使ってる金属は鉄、銅、加熱鉄取っ手は・・ファイアウッド、それでこの値段。これは買おうかな」
「軽く見るだけで素材までわかるのか?」
「一応「鑑定」持ちなんで。自分でもすこし鍛冶作業は行うんで少しならわかります。!!!」
と職人の質問に答えながらフライパンを物色していると翔はあるフライパンに目をつけた。
それは何の変哲もないフライパン。値段も同じフライパンより少し割高。
「ほう?」
「どうしたの、翔?ん?たしかに何か感じるわね」
職人が翔が目を付けたフライパンに感心していると真帆がそのフライパンに何かを感じ取った。他のメンバーも同様である。
「このフライパンは鉄と少量のミスリル、火の妖精の羽の粉を混ぜ合わせた金属でできてあって、わざわざ完成後に表面を普通のフライパンに見えるように加工されてるんだ。普通はこんな値段で買えないよ」
「まさかみやぶられるとはなあ。気に入った。いいぜ、それはそのまま売ってやる。後、欲しいもん言いな。見繕ってやるよ(チグサが紹介するだけあるな。この坊主)」
「ありがとうございます。ええと・・・」
「おお、すまねぇ。自己紹介がまだだったな。ワシの名は一鉄、この『匠』の店主だ。て行っても店番は嫁さんに任せて、急用以外は工房に引っ込んでるけどな。今日はたまたま嫁さんが別の場所にいってたから店番していたが」
「じゃあ一鉄さん、煮物が作れる小鍋、大鍋、白米が炊ける大釜、まな板をください」
「おう。少し待ってな」
と一鉄は店の奥に入っていった。
翔達が店内で待っていると
「あら?いらっしゃい、何をお探しですか?」
と和服を着た女性が入ってきた。
「今、一鉄さんにいくつか調理道具を見繕ってもらっているので待っているんです」
「あの人が自分で、あらあら珍しい!私はあの人の嫁ですずと言います」
と自己紹介を受けた。翔達も自己紹介を行っていると
「おう、待たせたな。ん、すず帰ってたのか?」
「ええ、今帰りましたよ、あなた。それにしてもあなた自身が見繕うなんてよほどこの子たちを気に入ったのね」
「ふん、うるせいやい。ほらよこれが頼まれたものでい。会計はすずにききな」
「あらあら、気を悪くしちゃったわね、ごめんなさい。会計はちょっと待ってね」
「すみません。会計している間もう一つ頼みたいんですが?」
「なんでい?」
「この包丁と同等の品質でいくつかの和包丁を作ってほしいんですが。素材は言っていただければ用意します」
と翔はいつも使っている包丁を一本差し出した。翔はこの鍛冶屋に包丁があったのを見逃しては居なかったのである。
一鉄は受け取るとその包丁を観察し始めた。
「この包丁は坊主が?」
「いえ、ダンジョンの宝箱に入ってたものです。難しいでしょうか?」
「難しいだあ?素材があればできるだろうがなかなか大変だぞ。大丈夫なのか?」
「任せてください。その包丁と同等の包丁ができるなら惜しみません」
「だったら・・・」
一鉄はいくつかの金属と魔物の素材を注文してきた。はっきり言って包丁には使わない素材ばっかりだ。国宝ができてしまう。だがそこは翔達。一鉄が注文した素材を各自のマジックボックスから取り出して一鉄の仕事場に置きだした。その光景を見て
「あんたらいったい何者だ?」
と一鉄は口を大きく開きつぶやいた。それもそうだろう。まさかすぐに揃うなんて思わないのだから。注文した金属や素材はAランクの冒険者でも見つけるのは困難な物なのだから
「いえいえ、ただの旅人ですよ。それでどのくらいかかりますかね?」
「はっ!これだけの素材だ、半端なものはつくりたくねぇ、2週間くれ、最高の一品を作り上げるぜ」
「わかりました。余った素材はあげるんでお願いします」
「だったら、お代はいらねえ、こんだけの素材を使っていい上に余ったらくれるってんだから」
と手を差し出してきた。翔も同様に手を差し出し握手をした。
これにより2週間後一鉄の腕+最高級素材+鍛冶関連の神の悪ふざけにより、規格外の調理道具が完成してしまう。
「失礼します、誰かいませんか?」
「・・・」
レオナが店内に声をかけるが金属をたたく音しか聞こえない。
「レオナ、鍛冶場でそんな声じゃ聞こえないよ。もっと大声で」
「すみませーん。誰かいませんか」
と翔は店内に響くように声を張った。近所迷惑にならないように周囲に防音の結界も忘れずに。天魔翔アフターケアも忘れない。
「なんじゃ、お主ら?」
奥から一人の男性が現れた。よく鍛えられた体、黒色の作業着作務衣を着ており、今まで作業していたんだろうか、片手に金槌を持ち、翔達をいぶかしげににらみつけた。その眼光は気弱な人なら逃げ出すだろう。
「先ほど行った『瓦』さんで調理器具がどこで買えるか確認したらここを紹介されたんです」
しかしそこは翔達。気にせず話しかけます。
「うちを紹介するってことはチグサさんか。じゃあ、むげにも扱えねえな、何が欲しいんだ」
「まずフライパン見せてくれませんか?」
と翔が尋ねると職人は目線をフライパンの場所に向けた。勝手に見ろってことらしい。
翔達は大小さまざまなフライパンを見回った。底の浅い物、深い物、取っ手の長い物、短い物。
「んっ?なにこれ?変な形」
ユーナが一つのフライパンに興味を示した。その形は円形ではなく、取っ手部分の辺が短い長方形だった。
「これは卵焼き用だね。この形を使って四角い卵焼きを作るんだ。今度作ってみるよ。」
「四角い卵焼き?何それ?面白そう」
「ほう?坊主よく知ってるな。そのフライパンの使い方を」
職人が翔とユーナの会話に少し表情をやわらげ混ざってきた。
「以前、たまたまこのフライパンを使ってとこを見たことがあるんですよ。しかしこのフライパンいい出来ですね。使ってる金属は鉄、銅、加熱鉄取っ手は・・ファイアウッド、それでこの値段。これは買おうかな」
「軽く見るだけで素材までわかるのか?」
「一応「鑑定」持ちなんで。自分でもすこし鍛冶作業は行うんで少しならわかります。!!!」
と職人の質問に答えながらフライパンを物色していると翔はあるフライパンに目をつけた。
それは何の変哲もないフライパン。値段も同じフライパンより少し割高。
「ほう?」
「どうしたの、翔?ん?たしかに何か感じるわね」
職人が翔が目を付けたフライパンに感心していると真帆がそのフライパンに何かを感じ取った。他のメンバーも同様である。
「このフライパンは鉄と少量のミスリル、火の妖精の羽の粉を混ぜ合わせた金属でできてあって、わざわざ完成後に表面を普通のフライパンに見えるように加工されてるんだ。普通はこんな値段で買えないよ」
「まさかみやぶられるとはなあ。気に入った。いいぜ、それはそのまま売ってやる。後、欲しいもん言いな。見繕ってやるよ(チグサが紹介するだけあるな。この坊主)」
「ありがとうございます。ええと・・・」
「おお、すまねぇ。自己紹介がまだだったな。ワシの名は一鉄、この『匠』の店主だ。て行っても店番は嫁さんに任せて、急用以外は工房に引っ込んでるけどな。今日はたまたま嫁さんが別の場所にいってたから店番していたが」
「じゃあ一鉄さん、煮物が作れる小鍋、大鍋、白米が炊ける大釜、まな板をください」
「おう。少し待ってな」
と一鉄は店の奥に入っていった。
翔達が店内で待っていると
「あら?いらっしゃい、何をお探しですか?」
と和服を着た女性が入ってきた。
「今、一鉄さんにいくつか調理道具を見繕ってもらっているので待っているんです」
「あの人が自分で、あらあら珍しい!私はあの人の嫁ですずと言います」
と自己紹介を受けた。翔達も自己紹介を行っていると
「おう、待たせたな。ん、すず帰ってたのか?」
「ええ、今帰りましたよ、あなた。それにしてもあなた自身が見繕うなんてよほどこの子たちを気に入ったのね」
「ふん、うるせいやい。ほらよこれが頼まれたものでい。会計はすずにききな」
「あらあら、気を悪くしちゃったわね、ごめんなさい。会計はちょっと待ってね」
「すみません。会計している間もう一つ頼みたいんですが?」
「なんでい?」
「この包丁と同等の品質でいくつかの和包丁を作ってほしいんですが。素材は言っていただければ用意します」
と翔はいつも使っている包丁を一本差し出した。翔はこの鍛冶屋に包丁があったのを見逃しては居なかったのである。
一鉄は受け取るとその包丁を観察し始めた。
「この包丁は坊主が?」
「いえ、ダンジョンの宝箱に入ってたものです。難しいでしょうか?」
「難しいだあ?素材があればできるだろうがなかなか大変だぞ。大丈夫なのか?」
「任せてください。その包丁と同等の包丁ができるなら惜しみません」
「だったら・・・」
一鉄はいくつかの金属と魔物の素材を注文してきた。はっきり言って包丁には使わない素材ばっかりだ。国宝ができてしまう。だがそこは翔達。一鉄が注文した素材を各自のマジックボックスから取り出して一鉄の仕事場に置きだした。その光景を見て
「あんたらいったい何者だ?」
と一鉄は口を大きく開きつぶやいた。それもそうだろう。まさかすぐに揃うなんて思わないのだから。注文した金属や素材はAランクの冒険者でも見つけるのは困難な物なのだから
「いえいえ、ただの旅人ですよ。それでどのくらいかかりますかね?」
「はっ!これだけの素材だ、半端なものはつくりたくねぇ、2週間くれ、最高の一品を作り上げるぜ」
「わかりました。余った素材はあげるんでお願いします」
「だったら、お代はいらねえ、こんだけの素材を使っていい上に余ったらくれるってんだから」
と手を差し出してきた。翔も同様に手を差し出し握手をした。
これにより2週間後一鉄の腕+最高級素材+鍛冶関連の神の悪ふざけにより、規格外の調理道具が完成してしまう。
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