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1章

5 VS破滅の意思⑤決着

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翔side

(みんなごめん。あとはお願い)

 翔は皆に心の中で謝った後、本当の作戦を実行するために魔法を発動する。

「【空間魔法チェンジスポット】」

 この魔法は2つの対象の位置を入れ替える魔法で、対象の大きさ、重さ、強さにより消費する魔力が変わる。今回は翔とワイズの位置は入れ替えるためにほとんどの魔力を使い切る。そして突然中心に現れた翔に向かって周囲の黒い球体は突っ込んでくる。この球体はある範囲内に近づくと自動的に攻撃してくることはゆうとたちのん戦いを見て翔は気づいていた。

 翔は更に魔法を使った。

「【フルロック・チェーン】」

【フルロック・チェーン】は周りに黒い鎖が現れ対象を縛り付け動きと能力を止める魔法である。翔はその魔法を自分に襲ってくる球体を撃ち落とすためには使わずワイズに使った。

「何!この鎖、離しなさい」

 その鎖はワイズの周りを覆っていた黒い球体を壊しワイズ本体を拘束した。ワイズはどうにか鎖の拘束を解除しようとするが外れなかった。そして翔は自分に向かってくる黒い球体の攻撃をモロに受けた。



空中の優斗達Side

 時は少し巻き戻る。

 いきなり優斗たちは翔の上空に転移され、驚いて動きを止めた。

(翔、いったい何を?)

 さらに戦況は加速する。翔の魔法によりワイズと翔が入れ替わり、優斗たちの真下にワイズが現れた。
 
(そうか、これで攻撃できる。でも、黒い球体は翔を攻撃するのでは?)

 そして翔の方を向くと、翔は魔法を使おうと準備していた。

(対策はあるみたいだな。まあ、後で作戦の差異については質問するが)

 その姿に安心し優斗は【テレパシー】で指示を出す。
 
(よし、みんな、翔が作戦通り隙を作ってくれた。今の隙にワイズのバリアを破壊してこの戦いに終止符を打つぞ)

 優斗がみんなを鼓舞すると各自必殺の構えをとった。しかし戦況は優斗たちの想像を超えて変化した。翔は魔法を放った。周囲の球体ではなくワイズ自身に。それによりワイズのバリアは砕け、翔は球体の攻撃を受けて倒れた。

「イヤーーーー、翔――」

女性陣の悲鳴がひびきわたる。

(くっ、翔、何故防御魔法を使わなかった?)

「みんな。集中して。これが最後のチャンスだ。各自全力攻撃でワイズを倒す」

 そこから優斗たちの怒涛の攻撃が始まった。

 まずはミーシャ。背中に12枚の翼が展開され詠唱とともに破銃ジャッジメントに魔法陣が展開されていく。

「天にいづるは制裁の光 空をかけるは天罰の神雷 降り注げ神罰の雷砲
【ジャッジメント・レールガン】」

 12枚の翼により集められた魔力が魔方陣により収束、増幅され『破銃ジャッジメント』から放出され、ワイズを貫いた。

 続いてミゼル。聖邪拳ジ・エンドに光と闇の魔力と闘気を練り始めた。するとミゼルの背後に白黒の竜が出現した。

「【魔黒舞踏奥義まこくぶとうおうぎ龍覇りゅうはメテオインパクト】」

 ミゼルは背後の竜を身にまとい、1筋の隕石のようにワイズに突撃した。

 続いてアリシア。天樹弓ミーティアに魔力を込めた。すると天樹弓ミーティアの大きさが3倍に増大した。そしてアリシアは精霊を呼び出し合唱(コーラス)を始めた。

「巡れ巡れ天樹の魔力 吹け吹け新緑の風よ 歌え歌え精霊たちよ。精霊弓術コズミック・ドルイド第10章新緑のソナタ」

 巨大化した天樹弓ミーティアにアリシアと精霊たちによるコズミック・ドルイドにより10本の矢が装填され放たれた。10本の矢は空中で1つの巨大な矢となりワイズを貫いた。

 続いて聖。神杖ユグドラシエルに魔力を込め魔法陣を展開した。

「その羽ばたきは浄化の風を その眼光は真実を見抜き その姿は救済の象徴 【神聖召還:セイクリッドフェニックス】」

 魔法陣より白銀の不死鳥が現れた。「お願い」と聖が話しかけると体に白い炎をまとってワイズに突っ込んだ。

 続いて真保。極魔本マギクリスタに魔力を込めて詠唱し始めた。

「我魔道を極めるもの 始まりの魔力よ 起源の力よ 魔道の深淵を我に見せよ 【オリジン・ノヴァ】」

ワイズの周りを7色の光が覆い収束し高密度の爆発がワイズを襲う。

最後に優斗。膨大な魔力が込められ聖剣ゼウスカリバーが光り輝く。

「このひと振りは希望の一撃 このひと振りは正義の一撃 このひと振りは終焉の一撃 切り裂け【アルテマ・ライジング】」

渾身の一撃がワイズを切り裂いた・・・
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