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掃除を終え満足気に笑っている白雪姫にガタッという扉の音が聞こえました。小人たちが帰ってきたのだと、急いで出迎えに行くとそこにいたのは狩人でした。

「姫様、生きていらっしゃったのですね……」

涙を流し、崩れ落ちた狩人に白雪姫は警戒心たっぷりです。

「申し訳ございませんでした。お后様に命じられ姫様を亡き者にしようとするなど、私は……」

そう言って狩人はさらに泣き出してしまいました。
それに、困ったのは白雪姫。正直、命の危機は全くといっていいほど無く、今もこんなふうに生きているのですから。

「大丈夫よ。私はこうして親切な小人たちに助けられて無事なんだもの」

そう微笑む白雪姫でしたが、その言葉に狩人は首を振りました。

「お后様は姫様を殺すよう、私に命じました。今、無事だとしても今後も命を狙われます!  どうかお逃げ下さい」

母親との思い出のつまった国から逃げ出すことはしたくない白雪姫。何かを思いつきはさみを手に取りました。そして、バサリと長い長い黒髪を切ってしまったのです。掃除をしやすいようにリボンでまとめてあった髪を狩人に手渡しました。

「これを、お義母様に渡してください。少しの間時間は稼げるはずです。その間にあなたは逃げなさい。お義母様は何をするか分からないわ 」

渡されと美しく長い黒髪。それを、大事に抱え狩人は城へと戻りました。感謝の言葉と謝罪の言葉を残して。

そして、家に残った白雪姫小人たちになんと説明しようか肩までの長さになった髪を揺らして考えたのでした。
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