悪役令嬢は最後に笑う

みさき

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番外編

悪役令嬢のその後 2

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「そういう考え方も……。今度、試してみます」

「ああ、楽しみにしてる」


 ただいま、皇帝陛下と仲良くお茶会中です。

 って、そうじゃなくて! なんでこうなった! いや、まぁ原因は私にもあるんだけど……。


 あの時、皇帝陛下が私を呼んだのは商会の話を聞くためだったらしい。謁見では他の人の目もありゆっくり話せなかいからとい理由らしかった。


 で、今は魔道具についての話をしてます。商会の建設から始まり現在、私がどのようにして魔道具を考えているのかという話です。

 いやー、商会にもこんなに話のわかる人いなかったからついついヒートアップしてしまいました。気づいたら結構時間たってたみたい。それにしても、私が何かした訳ではなくて安心したよ。


「有意義な時間だった。新しい魔道具ができたら知らせてくれ」

「はい、ありがとうございました」


 楽しかったー。新しい魔道具のアイデアが帰ったら早速試作してみよう。

 あれ、何か忘れてるような……。

 あ。副会長のこと忘れてた。今日帰ったら仕事すると約束してたんだった。

 絶対絶対に怒ってる。はぁー、どうしよう。


 ***


 その後、商会に戻った私を待っていたのは笑顔の副会長だった。


「セレン、もう終わりよね?」

「いいえ、溜まりにたまった仕事は一時間ぐらいでは終わりませんよ」


 一時間休憩なしで机仕事をこなした私をさらに地獄に突き落としたのは副会長のセレン。これまで、表舞台に出てこなかった私の代わりに社交関係は全て彼女がやってきた。


「遅くなったのは謝るから、休憩を頂戴」

「はぁー。分かりました。十分だけですからね」

「ありがとう、セレン」


 ぐでーっと机に突っ伏している私を見てセレンはため息をつく。


「アリシア様、あなたはこれからどうしたいのですか」

「何、急に」


 伏せていた顔をあげセレンの顔を見る。その顔は真剣そのもので苦笑しながら体を起こし姿勢を正す。


「どうするも何もまずは商会が最優先。その後の事を言っているのならまだ決まってない。やりたいことは特にないかな」

「そう、ですか」

「どうしたの? 急に。あなたがそんなこと聞くなんて珍しい」


 私がそう聞くとセレンは躊躇うようにした後口を開いた。


「私たちはアリシア様が婚約破棄され国外追放されるという情報を知ったとき王国を憎いと思いました。今までアリシア様が王国のためにどんなに尽力されていか知っています。だからこそ私は彼らが許せません。王国との取引を中止したことも私は後悔はしていません。ですが、アリシア様は後悔していませんか?」


 なんだ、そんなこと。


「大丈夫よ。後悔は全くしていないから。ただ、国王陛下には悪かったかなとは思ってる。だって全く悪くないのにね。だから、ちゃんとフォローは考えてあるの」

「いつの間に……」

「最初から。私も聖人君子じゃないから本当に大変な時にしか助けないけどね」


 だけど、あの国王陛下の事だ。自力でどうにかするだろう。

 呆気に取られていたセレンは肩を竦めながら言う私を見てクスクスと笑った。


「さあ、アリシア様。休憩はおわりです。仕事に戻りますよ」

「切り替え早いわね……」


 机の上の書類の山を見てため息をつく。自分に気合いを入れなおしてペンを持つ。

 よし!頑張りますか!

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