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番外編
悪役令嬢のその後 1
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帝国に来てからの話をしよう。
ぐーちゃんに乗って森を出たあと私たちはロゼ商会の本店に来ていた。私も商会長としての仕事があったしね。
やることたくさんあり過ぎなのよ。それに、なんで皇帝に謁見なんかしなくちゃいけないの?いや、分かってるよ。元侯爵令嬢、ロゼ商会会長。こんな肩書き持ってたらやらなくちゃいけないの分かってるけど、めんどくさぁーい。
いっそ、会長は王国を国外追放された精神的ショックで寝込んでて副会長が行きます。なんて出来ないかな。
......やらないから! やらないからさ、そんな青白い顔で睨まないで! 普通に怖いから!
ま、頑張りましょーか。謁見さえ済ませちゃえばこれからは自由に魔道具開発が出来るし。うん、あと少しの辛抱だ。
****
というわけで、謁見の日が来ました。早く終わらないかな。まだ始まってないけど。
皇帝陛下は今年で25歳だったかな。王位についてからもうすぐで七年になる。私も昔会ったことがあるけど油断できない人という感じで、笑っていても相手を見定めるような目が印象的だった。
うーん。どうなるんだろうねぇ。
私の目的はロゼ商会を帝国に受け入れて貰うこと。あとは自由に魔道具の研究が出来るようにすること。
第一目標は前者だけど、問題はその見返りに何を要求されるか。商会でできることなら大丈夫なんだけど......。
始まってみなくちゃ分からないか。
今日の私の衣装は紺色のロングスカートに白のブラウス。スカートのすそには刺繍をしてある。私がデザインした制服だ。機能性にも重視した制服。
貴族の令嬢じゃない私がドレスなんて着れないし今の私の正装はこの制服だ。
「アリシア様、そろそろお時間です」
「はい、分かりました」
考え事してたらいつの間にか時間がきていたみたい。侍従が呼びに来た。
よっし! 気合い入れて頑張りますか!
****
「望むのはそれだけか?」
「はい、陛下」
はい、あっさり終わりましたよ。謁見。
ロゼ商会は無事帝国へと仲間入りを果たし、魔道具の研究も自由に出来るようになった。
怖いのは、見返りを一切要求されなかったこと。後から、何かきそうで怖い。
まぁ、終わったものは良かった。後は帰って......。
えー。まだ帰れないの?笑顔で侍従さんが呼んでるんだけど。早く、帰って仕事しなきゃいけないのに。副会長が怖い笑顔で待ってるのよー!
ということは笑顔で無視されました。誰も聞いてくれなかったよ。そして、通された部屋は客室のような場所。
二人分のお茶の準備がしてあるってことはもう一人来るのかな? 私は、ここで待てばいいの?
置いてあったソファに座って待っていると、ガチャッと音がした。立ち上がり入口を見ると、そこには陛下が立っていらっしゃいました。
......陛下?! さっき、会いましたよね?!
ビックリしすぎて固まっていると陛下がクツクツと笑いながら扉を閉めた。慌てて、礼をする。
「大丈夫だ。顔をあげていいぞ」
「あ、あの皇帝陛下がなぜここに......?」
「なぜって、私が呼んだんだが?」
......はい? 私、何かした?!
ぐーちゃんに乗って森を出たあと私たちはロゼ商会の本店に来ていた。私も商会長としての仕事があったしね。
やることたくさんあり過ぎなのよ。それに、なんで皇帝に謁見なんかしなくちゃいけないの?いや、分かってるよ。元侯爵令嬢、ロゼ商会会長。こんな肩書き持ってたらやらなくちゃいけないの分かってるけど、めんどくさぁーい。
いっそ、会長は王国を国外追放された精神的ショックで寝込んでて副会長が行きます。なんて出来ないかな。
......やらないから! やらないからさ、そんな青白い顔で睨まないで! 普通に怖いから!
ま、頑張りましょーか。謁見さえ済ませちゃえばこれからは自由に魔道具開発が出来るし。うん、あと少しの辛抱だ。
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というわけで、謁見の日が来ました。早く終わらないかな。まだ始まってないけど。
皇帝陛下は今年で25歳だったかな。王位についてからもうすぐで七年になる。私も昔会ったことがあるけど油断できない人という感じで、笑っていても相手を見定めるような目が印象的だった。
うーん。どうなるんだろうねぇ。
私の目的はロゼ商会を帝国に受け入れて貰うこと。あとは自由に魔道具の研究が出来るようにすること。
第一目標は前者だけど、問題はその見返りに何を要求されるか。商会でできることなら大丈夫なんだけど......。
始まってみなくちゃ分からないか。
今日の私の衣装は紺色のロングスカートに白のブラウス。スカートのすそには刺繍をしてある。私がデザインした制服だ。機能性にも重視した制服。
貴族の令嬢じゃない私がドレスなんて着れないし今の私の正装はこの制服だ。
「アリシア様、そろそろお時間です」
「はい、分かりました」
考え事してたらいつの間にか時間がきていたみたい。侍従が呼びに来た。
よっし! 気合い入れて頑張りますか!
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「望むのはそれだけか?」
「はい、陛下」
はい、あっさり終わりましたよ。謁見。
ロゼ商会は無事帝国へと仲間入りを果たし、魔道具の研究も自由に出来るようになった。
怖いのは、見返りを一切要求されなかったこと。後から、何かきそうで怖い。
まぁ、終わったものは良かった。後は帰って......。
えー。まだ帰れないの?笑顔で侍従さんが呼んでるんだけど。早く、帰って仕事しなきゃいけないのに。副会長が怖い笑顔で待ってるのよー!
ということは笑顔で無視されました。誰も聞いてくれなかったよ。そして、通された部屋は客室のような場所。
二人分のお茶の準備がしてあるってことはもう一人来るのかな? 私は、ここで待てばいいの?
置いてあったソファに座って待っていると、ガチャッと音がした。立ち上がり入口を見ると、そこには陛下が立っていらっしゃいました。
......陛下?! さっき、会いましたよね?!
ビックリしすぎて固まっていると陛下がクツクツと笑いながら扉を閉めた。慌てて、礼をする。
「大丈夫だ。顔をあげていいぞ」
「あ、あの皇帝陛下がなぜここに......?」
「なぜって、私が呼んだんだが?」
......はい? 私、何かした?!
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