悪役令嬢は最後に笑う

みさき

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番外編

侯爵令息のその後

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 姉上を勘当した。僕の愛しいレイラのために。

 なのに、どこが間違っていた?最初から?

 もしそうだったら、僕はどうすれば良かったのだろう。


 僕達は国王陛下や両親が居ない隙をついて姉上を断罪した。


 魔の森に追放された姉上は笑っていた。

 いつも氷の仮面を被っているように無表情だったのが、ニコニコと笑っていたのだ。心から楽しそうに。

 あんな笑顔を見たことがなかった。姉上が笑顔を見せるなんて思っていなかった。


 よく考えれば姉上が笑いかけてくれるなんてありえないのだ。

 いつも思っていた。侯爵家の落ちこぼれだと。バーナード家の恥さらしだと。

 顔や態度には出さないようにしていたが、あの姉上のことだから知っていたのだろう。僕は、何をしていたのか。上辺だけを見て、姉上が本当に考えていたことを全く知ろうとしなかった。


 卒業パーティーの翌日。僕は、初めて父上に殴られた。そして、次期当主の座から降ろされた。僕は軍に入り魔の森に面する国境を守る防衛官に任命される。最近、魔物の出現率が上がっている。そのため、防衛に割く人数を増やすらしい。

 魔物が増え始めたのは姉上が王国を去ってから。もしかしたら、姉上が魔物の数を減らしてくれていたんだろうか。だとしたら、僕たちは愚かだ。姉上は王国のためにたくさんのことをしてくれていた。なのに、僕は何も知らずに姉上を悪だと決めつけていた。

 もし、僕が姉上を見下したりせずに仲良くしていたらこんな事にはなっていなかったんじゃないか。最近ではそればかり考えている。もう、遅いと分かっているのに。  


 もうすぐ、僕は魔の森との国境に送られ、魔物との戦いに明け暮れることになるだろう。家に戻ってくることはない。最悪死んでしまうかもしれない。


 姉上に謝ることができるなら謝りたい。けれど、僕たちが会うことは二度とない。姉上がそう望んでいたから。

 だから、僕は心の中で姉上に謝ろう。そして、これからの成功を祈ろう。

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