悪役令嬢は最後に笑う

みさき

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本編

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 いまは、イヤリングとネックレス、それに髪飾りに腕輪など。あ、髪飾りはさっき落としたんだっけ。

 そしたら、今つけているのは7個ぐらいかな。

 感情の起伏でも、魔力は大きくなったりするからもしもの為にいっぱい付けてきたんだよね。


「私は、常に魔道具をつけていないと制御に失敗して暴走してしまう。という設定だったんですよ。おかげで、学園では落ちこぼれだの侯爵家の恥さらしだの散々言ってくれましたね。実際は、魔道具なしでも全然大丈夫なんですけど」

『そんなこと、私は知らない......!』

「言ってませんもん。てか、言う必要ある?」


 いや、これほんとに。

 婚約者だからとかで、今までいいように使ってくれたでしょ。

 それに......。


「私がこれだけの魔力を持っていたとして、戦場に送らないと言う保証があった?」


 そう、聞くと王太子殿下たちは一斉に黙り出す。


 だから、嫌だったんだよ。

 この国の人達は。自分たちのことしか見ない。

 自分の安全が自分の利益が。貴族も王族も、民をかえりみないで贅沢ばかり。そうじゃない人もいるとは分かってる。でも、私には耐えられない。

 だから、私はこの国を出ていく。


「長く、話しすぎました。もう二度とあなたがたに会わないことを祈ります」


 それではと告げピィーと高い口笛を吹いた。

 この音は私の使い魔を呼ぶ合図。

 しばらくすると大きな羽音とともに空から降りてくる影が見えてきた。


「ぐーちゃーん。久しぶりねぇー。しばらく会えなくてごめんね」


 私の使い魔のグリフォンのぐーちゃん。

 可愛い名前でしょ!

 あ、通信切るの忘れてた。画面の中では、貴族たちが阿鼻叫喚。

 だって、グリフォンって幻獣と言われるくらいには珍しいんだよ。私が契約出来たのは偶然だし。


『お、おいアリシ......』


 あれ、王太子殿下なんか言ってた?

 うん、聞かなかったことにしよう。うん。


「ぐーちゃん。帝国まで飛んでくれる? さすがに夜中にこの森は私でもきついから。それに、新しいお菓子を考えてきたの! 帝国に着いたらさっそく作るから楽しみにしててね!」


 こう見えてぐーちゃん、結構甘いものが大好きなんです。よく、私のおやつを取られちゃうし。

 っと、話がズレた。


「それでは、レッツゴー!」


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