悪役令嬢は最後に笑う

みさき

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本編

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  腕にはまった腕輪を撫でながらそう答えた。

『はっ?!』

「本当に知らなかったのですね。陛下はご存知でしたよ?」


 これは、私が10歳ぐらいの時かな?

 魔法付与の練習でできた偶然の産物。

 本当は魔力を抑えるための魔道具を作ろうとしてたんだけど、そこから色々あって『拘束の腕輪』は作られました。


「こんなの解除するなんて簡単ですよ? だって、元々は私の魔力を抑えるために作ったんですから。これが、吸える量よりもたくさんの魔力を流しちゃえば」


 ほら、と自分の腕にはまっている腕輪を見せる。

 そこには、ヒビが入り壊れかけた腕輪がぶら下がっていた。

 目の前には、王太子たちのポカンとした間抜け面が並んでいた。

 紳士、淑女の皆様、その顔はやめた方がいいよ?


「と、これはどうでもいい話ですよね。さて、ここからが本題です!」


 いま、私は満面の笑みを浮かべているだろう。

 淑女の言葉遣いじゃなくて、素の口調を使っているけど気づいてないし。


「さて、それでは質問です。ロゼ商会は知っていますか? 王国一の商会でとっても有名ですよね」

『もちろん、知っている。だが、それがどうした』

「ではでは、商会長が誰かはご存知ですか?」


 わざと馬鹿にするように告げれば、面白いように顔を真っ赤にさせて睨んできます。

 まぁ、全く怖くはないんだけどね。

 ふふ、商会長が誰かはしらないよねー?

 だって、世間の皆様も知らないんだもん。仕方ないよね。

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