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【2】メリッサ
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「光と風のプレリュード」という乙女ゲームを知っているかな?
私はその世界に俗にいう異世界転生した者なんだ。
この世界での私の名はメリッサ。
父親がパン職人の平民の娘として生まれた私だったのだけど、聖女の素養があったので、領主であるブラックバーン男爵家の養女となって貴族学校にも入学。
持ち前の気さくさと平民出身、聖女である事から王太子殿下をはじめ取巻きの上級貴族の方々にも可愛がられ、私の邪魔をしてくる殿下の婚約者であるウィンディーネ公爵令嬢をみんなと協力して断罪。
最終的には私が王太子妃となるシンデレラストーリーなんだ。
自分が転生してゲームのヒロインになったのには驚いたけど、せっかくの人生、ゲーム通りに歩んでみたい。このゲームはかなりやり込んだので、取巻き連中の攻略ルート、更には最難関の王太子攻略ルートもバッチリ。家の手伝いもして評判を上げ、ブラックバーン男爵家から養女としてお迎えが来るのを密かに待っていたんだ。
そして、その時が来た!
「おい! お前を養女として迎えたいと使者がお見えになっているぞ!」
「やったー! 領主のブラックバーン男爵様からだよね?」
「いや、もっと凄いぞ! 何とワイツウェル公爵家様からだ!」
「え?」
ゲームと違うじゃん・・・
***********
その後、家族総出でワイツウェル公爵領館に赴き、公爵殿下夫妻に謁見する事となった。
壇上にはあの悪役令嬢のウィンディーネもいた。
「君がメリッサか。
娘のウィンディーネが、どうしても君を養女にしてくれと言ってきかないのだよ。
私も同じ年頃の娘がウィンディーネの友達になってくれれば良いと思ってる。
どうかね? ウィンディーネと二人でよく話し合ってみてくれ」
公爵殿下に促され、私はウィンディーネ様と二人、人払いをした庭園に出た。
「貴方は聖女としての素養があるそうね。
それにお家の手伝いもよくしていると聞いたわ。
是非、我が公爵家の養女となって私を助けてほしいの。
ただし、平民である貴方をいくら養女になるからといって貴族学校に入学させる訳にはいかないわ。
この領主館で手伝いをしてほしいの。
もし、これを断ってもブラックバーン男爵家から養女の誘いが来る事は無いわ。
格上であるワイツウェル公爵家の命によって諦める様に言ってあるから。
貴方は今まで通り平民のままで暮らすだけよ。御両親も悲しむでしょうね」
どうしょう?
これでは貴族学校に入学して王太子殿下や取巻きのみなさんに会う事が出来ないよ。
わ~ん! 詰んじゃったよ!
私はその世界に俗にいう異世界転生した者なんだ。
この世界での私の名はメリッサ。
父親がパン職人の平民の娘として生まれた私だったのだけど、聖女の素養があったので、領主であるブラックバーン男爵家の養女となって貴族学校にも入学。
持ち前の気さくさと平民出身、聖女である事から王太子殿下をはじめ取巻きの上級貴族の方々にも可愛がられ、私の邪魔をしてくる殿下の婚約者であるウィンディーネ公爵令嬢をみんなと協力して断罪。
最終的には私が王太子妃となるシンデレラストーリーなんだ。
自分が転生してゲームのヒロインになったのには驚いたけど、せっかくの人生、ゲーム通りに歩んでみたい。このゲームはかなりやり込んだので、取巻き連中の攻略ルート、更には最難関の王太子攻略ルートもバッチリ。家の手伝いもして評判を上げ、ブラックバーン男爵家から養女としてお迎えが来るのを密かに待っていたんだ。
そして、その時が来た!
「おい! お前を養女として迎えたいと使者がお見えになっているぞ!」
「やったー! 領主のブラックバーン男爵様からだよね?」
「いや、もっと凄いぞ! 何とワイツウェル公爵家様からだ!」
「え?」
ゲームと違うじゃん・・・
***********
その後、家族総出でワイツウェル公爵領館に赴き、公爵殿下夫妻に謁見する事となった。
壇上にはあの悪役令嬢のウィンディーネもいた。
「君がメリッサか。
娘のウィンディーネが、どうしても君を養女にしてくれと言ってきかないのだよ。
私も同じ年頃の娘がウィンディーネの友達になってくれれば良いと思ってる。
どうかね? ウィンディーネと二人でよく話し合ってみてくれ」
公爵殿下に促され、私はウィンディーネ様と二人、人払いをした庭園に出た。
「貴方は聖女としての素養があるそうね。
それにお家の手伝いもよくしていると聞いたわ。
是非、我が公爵家の養女となって私を助けてほしいの。
ただし、平民である貴方をいくら養女になるからといって貴族学校に入学させる訳にはいかないわ。
この領主館で手伝いをしてほしいの。
もし、これを断ってもブラックバーン男爵家から養女の誘いが来る事は無いわ。
格上であるワイツウェル公爵家の命によって諦める様に言ってあるから。
貴方は今まで通り平民のままで暮らすだけよ。御両親も悲しむでしょうね」
どうしょう?
これでは貴族学校に入学して王太子殿下や取巻きのみなさんに会う事が出来ないよ。
わ~ん! 詰んじゃったよ!
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