6 / 27
【5】再会Ⅱ
しおりを挟む
『レヴァイアサン』
敷玄璃亜、襟倉麗羅、甲斐安奈、常呂座愛那の四人で組んでいたロックバンドの名称だ。
それを知っているという事は璃亜と同じバンドのメンバーで転生者となる。
「璃亜~!」
ピンク髪をツインテールにした少女がベット上の璃亜に抱きつこうとするが、他の二人が制する。
「璃亜、他の者が入って来れない様にこの部屋に結界を張って!
それから盗み聞きされるかもしれないので、静寂の魔法も!」
愛那と思われる茶髪の少女が璃亜に指示する。
「わかったわ」
魔法なんて使うのは初めてだったが、チート補正が効いているのだろう、何の造作も無く二つの魔法を掛けられた。
「これで良し!
安奈なんだろ? もう璃亜に抱きついてもいいぞ!」
それを聞いてピンク髪の少女が改めて璃亜に抱きつく。
「へへっ 安奈だよっ! こんなに早くみんなに会えるなんて! 嬉しいよ~!」
「本当にそうね。みんなと会えるのはもっと先かと思ったけど。
それでは改めて自己紹介すると、私が璃亜。この世界ではグロリア・ダグラス公爵令嬢になっているわ」
「そして私が愛那。こっちではロザーナ・ノースロップ伯爵令嬢だ。
璃亜とは乳姉妹の間柄となっている」
「乳姉妹って何なの?」
「身分の高い家の夫人は自分で子供を育てないで、もっと身分の低い女性に任せてしまうの。乳母というのだけどね。その任された女性にも自分の産んだ子供がいると、任された子供と自分の子供との間柄は乳兄弟ないし乳姉妹となるの。この場合だと私は愛那のお母さんに育ててもらった事になるわ。
そして私の方が愛那より身分が高いから、私が主人で愛那が従者となるの」
璃亜が説明する。
「ふ~ん。愛那は璃亜の家来なんだ」
「お前なぁ。私と安奈だったら、安奈の方が家来となるんだぞ!」
「えっ そうなの?」
「ホント何も解ってないんだな!
私たちはみんな貴族の令嬢だけど、その中でも爵位に差があるんだ。
一番偉いのが璃亜の公爵、次いで麗羅の侯爵・・・って、お前、麗羅だよな?」
指されて今まで話に入って来なかった赤髪の四人目が初めて口を開く。
「・・・うん、私は麗羅。こっちではレイラ・ロッキード侯爵令嬢・・・」
「それで3番目が私で伯爵、4番目は子爵でこれは居ないけど、最後が安奈の男爵」
「えーーーーー! 私、ビケなの? 安奈ことアンナ・マクダネル男爵令嬢は」
「そうだよ。だから公爵令嬢の璃亜に男爵令嬢でしかない安奈が抱きつくなんて本来出来ないんだ。
そんな事をしたら「無礼だ!」と討ち取られても仕方無いくらいなんだぞ。
ま、前世でもバンド内では、璃亜・麗羅・愛那・安奈と互いに名前で呼び合っていたけど、本来なら年長でリーダーである璃亜は「璃亜さん」又は「璃亜先輩」と呼んで敬うべきなんだ。
特に最年少の安奈はそうすべきなんだぞ!」
「わ~ん! ごめんなさーーーーい!」
「良いのよ。安奈はそれで」
璃亜は安奈の髪を撫でながら宥める。
「しかし、この世界に来たからには、その辺りの事は徹底しないといけないよ。
こうやって四人だけで話している分には構わないけど、公の場では目上には「様付け」、そうでなくても「さん付け」をする事。かくいう私も根がガサツだから、地が出ない様に注意しないといけないけどね」
愛那はそういって舌をペロリと出しておどける。
そしてこう付け加える。
「ところがこの世界、その秩序が守られていないらしいんだ」
敷玄璃亜、襟倉麗羅、甲斐安奈、常呂座愛那の四人で組んでいたロックバンドの名称だ。
それを知っているという事は璃亜と同じバンドのメンバーで転生者となる。
「璃亜~!」
ピンク髪をツインテールにした少女がベット上の璃亜に抱きつこうとするが、他の二人が制する。
「璃亜、他の者が入って来れない様にこの部屋に結界を張って!
それから盗み聞きされるかもしれないので、静寂の魔法も!」
愛那と思われる茶髪の少女が璃亜に指示する。
「わかったわ」
魔法なんて使うのは初めてだったが、チート補正が効いているのだろう、何の造作も無く二つの魔法を掛けられた。
「これで良し!
安奈なんだろ? もう璃亜に抱きついてもいいぞ!」
それを聞いてピンク髪の少女が改めて璃亜に抱きつく。
「へへっ 安奈だよっ! こんなに早くみんなに会えるなんて! 嬉しいよ~!」
「本当にそうね。みんなと会えるのはもっと先かと思ったけど。
それでは改めて自己紹介すると、私が璃亜。この世界ではグロリア・ダグラス公爵令嬢になっているわ」
「そして私が愛那。こっちではロザーナ・ノースロップ伯爵令嬢だ。
璃亜とは乳姉妹の間柄となっている」
「乳姉妹って何なの?」
「身分の高い家の夫人は自分で子供を育てないで、もっと身分の低い女性に任せてしまうの。乳母というのだけどね。その任された女性にも自分の産んだ子供がいると、任された子供と自分の子供との間柄は乳兄弟ないし乳姉妹となるの。この場合だと私は愛那のお母さんに育ててもらった事になるわ。
そして私の方が愛那より身分が高いから、私が主人で愛那が従者となるの」
璃亜が説明する。
「ふ~ん。愛那は璃亜の家来なんだ」
「お前なぁ。私と安奈だったら、安奈の方が家来となるんだぞ!」
「えっ そうなの?」
「ホント何も解ってないんだな!
私たちはみんな貴族の令嬢だけど、その中でも爵位に差があるんだ。
一番偉いのが璃亜の公爵、次いで麗羅の侯爵・・・って、お前、麗羅だよな?」
指されて今まで話に入って来なかった赤髪の四人目が初めて口を開く。
「・・・うん、私は麗羅。こっちではレイラ・ロッキード侯爵令嬢・・・」
「それで3番目が私で伯爵、4番目は子爵でこれは居ないけど、最後が安奈の男爵」
「えーーーーー! 私、ビケなの? 安奈ことアンナ・マクダネル男爵令嬢は」
「そうだよ。だから公爵令嬢の璃亜に男爵令嬢でしかない安奈が抱きつくなんて本来出来ないんだ。
そんな事をしたら「無礼だ!」と討ち取られても仕方無いくらいなんだぞ。
ま、前世でもバンド内では、璃亜・麗羅・愛那・安奈と互いに名前で呼び合っていたけど、本来なら年長でリーダーである璃亜は「璃亜さん」又は「璃亜先輩」と呼んで敬うべきなんだ。
特に最年少の安奈はそうすべきなんだぞ!」
「わ~ん! ごめんなさーーーーい!」
「良いのよ。安奈はそれで」
璃亜は安奈の髪を撫でながら宥める。
「しかし、この世界に来たからには、その辺りの事は徹底しないといけないよ。
こうやって四人だけで話している分には構わないけど、公の場では目上には「様付け」、そうでなくても「さん付け」をする事。かくいう私も根がガサツだから、地が出ない様に注意しないといけないけどね」
愛那はそういって舌をペロリと出しておどける。
そしてこう付け加える。
「ところがこの世界、その秩序が守られていないらしいんだ」
1
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ
トール
恋愛
会社帰り、駅までの道程を歩いていたはずの北野 雅(36)は、いつの間にか森の中に佇んでいた。困惑して家に帰りたいと願った雅の前に現れたのはなんと実家を模した家で!?
自身が願った事が現実になる能力を手に入れた雅が望んだのは冒険ではなく、“森に引きこもって生きる! ”だった。
果たして雅は独りで生きていけるのか!?
実は神様になっていたズボラ女と、それに巻き込まれる人々(神々)とのドタバタラブ? コメディ。
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………
naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話………
でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ?
まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら?
少女はパタンッと本を閉じる。
そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて──
アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな!
くははははっ!!!
静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる