テンプレ通りに悪役令嬢ものを書いてみた

希臘楽園

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【6】悪役令嬢は義妹に仕掛られる

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更に2年経ち14歳となった私は、いよいよ王都の貴族学校に進学する事となった。
貴族学校は全寮制だ。辺境の領地から進学する生徒に考慮してなのだろう。
男子寮と女子寮に分かれていて、四大公爵家に関しては簡素ながらも専用のメイド室まで設けられていて寝食を共にする事が出来る。
だから私はステラも連れて行く。素人だった彼女も今では何の遜色もない立派なメイドだ。
ちなみにウィチタは庶子という事もあり、一般生徒と同じ扱いになっている。


新入生代表として私が挨拶をし、その後歓迎パーティーが開かれた。
この時をデビュタントとする者も多く、特に女子生徒は着飾って集う。
その中に一際目立つ風貌の女子生徒がいた。
透き通る様な金髪、碧い眼、身なりは神官服で地味なのだが、オーラが掛かった様に輝いて見える。
正に聖女と思わせる彼女は、シェフィールド公爵家次期大神官筆頭とされるソフィア嬢だ。
その彼女が私の元に近寄ってきて耳打ちする。

「貴方の義妹になるのでしょうか? ウィチタ嬢、彼女からは瘴気が感じられます」

そう言われて悪寒が走った。やはり彼女は闇魔法を使っているのだろうか?

「それから、貴方の後ろに侍っているメイドの方、聖女なのでは?」

やはり聖女は自分と同じ聖女が解ってしまうのだろうか?
どうするか? 一瞬判断に迷ったが、隠し通せるとは思えないので正直に答える。

「たしかに彼女は聖女です。しかし、シェフィールド公爵家にはどうか内密に・・・」

すると彼女はにっこり笑って

「構いませんよ。私としましてもライバルは少ない方が良いですから」


歓迎パーティーもノルベルト殿下が護衛役のニコル様を伴って登場すると、クライマックスを迎える。
皆の視線が殿下に向う。その時だった。
ウィチタが私に近寄って来る気配を感じた瞬間、「きゃっ!」と叫び声を上げた。
殿下に向けられたいた視線が彼女の叫び声でこちらに向く。

「酷いですわ!お義姉様! 私にワインを掛けるなんて!」

「どうした?」

騒ぎを聞きつけてノルベルト殿下もやって来る。
早速ウィチタは殿下にすがり付いて涙ながらに訴える。

「ノルベルト殿下、お義姉様が私にワインを掛けたんです! 折角のドレスが台無しです!」

同情した殿下も、敵意を剥き出しにする。

「ウィンディーネ、君って奴は・・・」

事の顛末を冷静に見ていた私は静かに口を開く。

「私はやっていません。義妹ウィチタが勝手に自分にワインを掛けたのです」

「どうしてそんな事を言うんだ?」

「私を悪者にしたいからですよ」

「嘘!嘘っ! お義姉様こそ私に恥をかかせたいのよっ! だいたい証拠が無いじゃない!」

皆の視線が殿下に向かれている隙を狙って仕掛けたのに、よくもまぁと私は呆れながら答える。

「証拠? 証拠でしたらありますわよ」

「そんなの出任せだわっ!」

ウィチタが叫ぶのを無視して、私は給仕に申し付けて水晶球を持って来させる。

「この会場のあちこちに様子を記録する魔道器が設置されておりますの。
要人が多く集まる場所ですし、今回の様に問題事を起こした場合の為にね。今からそれを再生してみます」

「私が改良した超精彩画像ハイビジョン魔道器がね!」

いつの間にか現れたイングリッドが得意になって解説する。
それを聞いたウィチタは怒りの形相で会場を出て行ってしまった。
再生した画像には、たしかに彼女が自分でワインを掛ける様子が記録されていた。

「殿下、王になる者、敵対する双方の意見を聞いて公平に判断する事が必要ですわよ」

私は扇子で口元を隠し静かに、いくらか皮肉を込めて言う。悪役令嬢っぽく。





遂に登場! 真の敵であるウィチタ嬢です。
だいたいこの手の小説というと、主人公を貶めるのは義妹(実妹だと双子)と決まってます。
時には彼女の実母(主人公の継母)もグルになったり。
シンデレラとは逆ですね。

画像に関してもピンク髪にツインテールがデフォみたいなので、それに倣ってみました。
ツインテールの先がクリンクルン過ぎて謎ですが。
悪女らしく悪魔の笑みにしてみました。手を翳しているのもナイスでした。
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