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自殺願望
しおりを挟む8.『自殺願望』
俺は大きな川の前に立っていた。激しい水の音がごうごうと耳に入ってくる。なんとなくふわふわとした気分だ。
ここはどこだろう?
記憶が曖昧であったが一つだけ強い思いがあった。
〝死にたい〟
俺は何かに突き動かされるように一目散に川へと駆け出した。
「おい、待て。」遠くで声が聞こえたが振り返らずに走り続ける。
「舟はそっちじゃない!」野獣のような怒鳴り声。それをも無視して川にたどり着いた俺は、その最も流れの激しい部分に思いっきり飛び込んだ。鼻と口から大量の水が流れ込んで、俺の意識は途絶えた…。
「先生、自殺した子が生き返りました。」「なんだと? そんな、信じられない…。」
誰かの会話が聞こえて、俺は意識を取り戻した。どうやら俺は病院のベッドの上にいるようだ。白いライトが目に眩
しい。
その強い光を浴びるうちに記憶が徐々に蘇ってきた。身を起こして窓の外を眺めながら、俺は思わずため息をつく。
あの世でも自殺を図った俺は、三途の川を渡ることさえできなかったらしい。
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