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第3章

テレビにまつわるあれこれ

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1.高校生クイズ

毎年夏、高校生クイズを観ながら、お母さんは言うんだ。
「この子達、こんな下らない事を勉強する暇があったら、ちゃんと受験勉強した方がいいのにね。」
そういう次元の問題じゃないんだと、僕はひたすら聞き流す。

2.愛せない男

私が仕事上、最近よく逢う男がいる。
スーツが良く似合う、無駄のないマッチョ。
大きなストライドで歩き、遠目にもよく目立つ。
お洒落な髪型。姿勢よく均整の取れたスタイル。
走る姿はチーターの如く、精悍で美しい。
しかも意外にも真面目な性格で、ルールを良く守る。
そして彼はいつも私の肩を、背後から抱き寄せて来る。
だけど、残念。ときめきよりも、恐怖しかない。

何故なら私は演者、彼は鬼ごっこ系バラエティの鬼役だから。


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