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ギブアンドテイクは基本です。
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翌日―――。
「及川さん…及川さん…!!!」
自分の名を呼ぶ声に、高瀬ははっと見つめていたPCから顔を上げた。
「すみません、今行きます…!!」
集中するとつい他の事が目に入らなくなり、人に迷惑をかけるのは高瀬の悪い癖である。
基本的にはひたすら文字の打ち込み作業を行っていることが多く、没頭できる環境だったこともその一因だが。
「あぁ、別に怒ってるわけじゃないんだけど…。部長が及川さんの事を呼んでるみたいだから。会議室まで来て欲しいって」
この会社への配属当時から高瀬をいろいろと指導してくれた先輩事務員の言葉に、高瀬の顔色が青くなる。
「もしかして…派遣契約打ち切りとかですかね…」
「それはないと思うわよ?及川さん、タイピングも早いしよくやってくれてる方だと思う」
前の派遣の子なんて無断欠勤なんかしょっちゅうでミスも多かったし、と愚痴る彼女にほんの少しだけ安心するが、そうも言ってはいられない。
派遣社員としてここに勤め始めてもうすぐ2年になる。3ヶ月毎の更新はここのところほぼ惰性のように行われていたが、そろそろ本格的な契約終了の時期も近づいてきていたのだ。
ここで社員となれるか契約打ち切りになるか、大きなターニングポイントを迎える。
少しだけ緊張した面持ちで会議室に向かった高瀬だったが、扉を開けたとたん、ぎょっと思い切りのけぞった。
「…ぶ、部長…??」
「…やはり、君には見えるのか…」
社内でも有名なイケメン部長の背後に、何かいる。
いや、なにかではなく、明らかに女性の霊だ。
それも生霊の類の。
「ど、どうなさったんですか、その…」
―――生霊は。
高瀬の声には出さない問い掛けを正確に理解したのだろう。
部長はひとつ大きな吐息を吐くと、「秘書課の社員だ。昨日首を切った」と実にシンプルに回答してくれた。
「お茶を淹れる度に毎回言い寄られてな…。いい加減鬱陶しくて昨日首にしたんだが…。翌日からこうなった」
「はぁ…」
うなだれる部長と、その背後の高級そうな背広にべったり貼りつく女の生霊とを見比べる。
そう言われると、確かにそんな女性社員がいたかもしれない。
しがない派遣社員と花形の秘書課社員では働くフロアも違う為、ほとんど顔を合わせることはなかったはずだが。
「で…これを私にどうしろと…?」
「払ってくれ」
「はい?」
「払えるだろ?君なら」
一体それをどこで聞いた?
そんな疑問が顔に出ていたのだろう。
イケメン部長は実に重々しい口調で、「…見た」とだけ答える。
「…もしかして、こないだ近くの路上で…」
「死んだ子犬の霊を成仏させてやっていただろう。それを、見た」
おぅ。
まさか見られているとは思わなかった。
時間的にも早朝で、だからこそ誰も見ていないと思って油断していたのだが…。
「あの日は私も仕事の残りがあって定時よりも早く出勤していたんだ。そうしたら轢かれた子犬のしたいの前で君が…」
「浄霊をしていたのを見た、と」
続きを促してやれば、あっさりとそれにうなづく。
正直失敗したなぁ、というのが本心だ。
職場の人間にはあまり見られたくなかったのだが。
ただ、たまたま前日の残りの仕事が気になって早朝出勤をした際に、トラックに惹かれて亡くなった犬の霊を見つけ…見捨てられずに成仏させてやっただけ。
それでも、轢かれたばかりの犬の死体の前で何事かをブツクサと呟く若い女の姿は随分奇異に映ったことだろう。
申し訳ないが、犬の死体は国土交通省に連絡して引き取ってもらった。
意外と知られていないが、そういった回収専用のダイヤルが存在しているのだ。
さすがに制服姿で其の辺に埋めてやるわけにもいかず、かと言ってそのままにするわけにもいかない為、それが至善策だった。
可哀想ということなかれ、そのまま何もしなければ更に哀れなことになるだけだ。
それに霊自体は既に納得して成仏しているのだから後は唯の抜け殻である。
「もし君が連絡をしなければ、私が通報しようと思っていたんだ…」
「はぁ…」
意外と優しいんだな。それともただ単に後から出勤してくるであろう社員の事を心配したのか。
「それはいいとして、問題は君だ。やっぱり浄霊できるんだな?」
「…残念ながら生霊は浄霊できませんよ。何しろ生きてるんで、どんなに清めても欲望ダダ漏れで浄化できません。除霊…つまり一時的にどかすことなら可能ですけど、その場合でもこの人は部長本人に未練があるわけですからすぐに元に戻ってきますよ」
バレているなら仕方ない、とあっさり認めて出来ることできないことを説明してやる。
「駄目…なのか…」
「オススメの方法としては、首にした女性社員にさっさと次の職場を紹介して、そこで適当に次の男を見つけさせることですね。一発で解放されますよ」
要は彼に対する未練がなくなればいいのだ。
高瀬の身も蓋もない解決案に対し、しかし一考の余地があると判断したのだろう。
しばらく考え込んだ部長だが、小さく「…よし」と呟くと、冷めた顔の高瀬の肩をぽんと叩く。
「それでいこう」
「はぁ…」
なんだかさっきからこればっかり言ってるな、と。
自分でもそう思いながらも、他の相槌が出てこない。
まぁ、納得してもらえたならよかった。
「助かったよ、及川くん。やっぱり君に相談して正解だった。
…あぁ、派遣の契約の件なんだが、実は来季から君を正社員として雇用させてもらおうと考えてるんだ」
「本当ですか!?」
部長からの衝撃の発言にすっかり忘れていたが、思っても見ない話に直様飛びついた。
「あぁ。君は色々と役に立ちそうだからね…」
「う」
ちらり、と横目でこちらを見る部長。
明らかに仕事以外での期待を高瀬に寄せているのはわかるが、ここで断ることもできない。
何しろこの会社は意外と居心地もいいし、正社員での雇用となれば給料もアップ、生活も安定する。
つまりはいいことづくめなのだ。
だが、普通はなかなか採用されないし、高瀬自身も半ば諦めていたのだが…。
ちらりと、若くして部長にまでのぼりつめたイケメンの顔を見上げ、高瀬は半ば確信気味に問いかける。
「…もしかして部長って…憑依体質ってやつですか」
それに対する彼の答えは、実に苦渋に満ちていた。
「…そうだ…」
絞り出すような彼の声に、ひとつ頷いた高瀬は、みなまで言うなとその手を彼に差し出す。
「ギブアンドテイク、それでいきましょう」
彼はすぐに除霊のできる便利な部下を、そして自分は安定した職場を得る。
実にウィンウィンな関係だ。
彼もそう思ったのだろう。
先程とは打って変わった笑顔で「助かる…!」と高瀬の手をぎゅっと握った。
商談成立だ。
「じゃあ、詳しい条件は派遣会社を通じてまた連絡する。今日のところは戻ってくれて結構だ」
「は~い」
ルンルン気分で返答をする。
多少面倒な事にはなったが、まぁ結果は上々だ。
――――需要と供給。これ以上ない、よい取引ができた。
「及川さん…及川さん…!!!」
自分の名を呼ぶ声に、高瀬ははっと見つめていたPCから顔を上げた。
「すみません、今行きます…!!」
集中するとつい他の事が目に入らなくなり、人に迷惑をかけるのは高瀬の悪い癖である。
基本的にはひたすら文字の打ち込み作業を行っていることが多く、没頭できる環境だったこともその一因だが。
「あぁ、別に怒ってるわけじゃないんだけど…。部長が及川さんの事を呼んでるみたいだから。会議室まで来て欲しいって」
この会社への配属当時から高瀬をいろいろと指導してくれた先輩事務員の言葉に、高瀬の顔色が青くなる。
「もしかして…派遣契約打ち切りとかですかね…」
「それはないと思うわよ?及川さん、タイピングも早いしよくやってくれてる方だと思う」
前の派遣の子なんて無断欠勤なんかしょっちゅうでミスも多かったし、と愚痴る彼女にほんの少しだけ安心するが、そうも言ってはいられない。
派遣社員としてここに勤め始めてもうすぐ2年になる。3ヶ月毎の更新はここのところほぼ惰性のように行われていたが、そろそろ本格的な契約終了の時期も近づいてきていたのだ。
ここで社員となれるか契約打ち切りになるか、大きなターニングポイントを迎える。
少しだけ緊張した面持ちで会議室に向かった高瀬だったが、扉を開けたとたん、ぎょっと思い切りのけぞった。
「…ぶ、部長…??」
「…やはり、君には見えるのか…」
社内でも有名なイケメン部長の背後に、何かいる。
いや、なにかではなく、明らかに女性の霊だ。
それも生霊の類の。
「ど、どうなさったんですか、その…」
―――生霊は。
高瀬の声には出さない問い掛けを正確に理解したのだろう。
部長はひとつ大きな吐息を吐くと、「秘書課の社員だ。昨日首を切った」と実にシンプルに回答してくれた。
「お茶を淹れる度に毎回言い寄られてな…。いい加減鬱陶しくて昨日首にしたんだが…。翌日からこうなった」
「はぁ…」
うなだれる部長と、その背後の高級そうな背広にべったり貼りつく女の生霊とを見比べる。
そう言われると、確かにそんな女性社員がいたかもしれない。
しがない派遣社員と花形の秘書課社員では働くフロアも違う為、ほとんど顔を合わせることはなかったはずだが。
「で…これを私にどうしろと…?」
「払ってくれ」
「はい?」
「払えるだろ?君なら」
一体それをどこで聞いた?
そんな疑問が顔に出ていたのだろう。
イケメン部長は実に重々しい口調で、「…見た」とだけ答える。
「…もしかして、こないだ近くの路上で…」
「死んだ子犬の霊を成仏させてやっていただろう。それを、見た」
おぅ。
まさか見られているとは思わなかった。
時間的にも早朝で、だからこそ誰も見ていないと思って油断していたのだが…。
「あの日は私も仕事の残りがあって定時よりも早く出勤していたんだ。そうしたら轢かれた子犬のしたいの前で君が…」
「浄霊をしていたのを見た、と」
続きを促してやれば、あっさりとそれにうなづく。
正直失敗したなぁ、というのが本心だ。
職場の人間にはあまり見られたくなかったのだが。
ただ、たまたま前日の残りの仕事が気になって早朝出勤をした際に、トラックに惹かれて亡くなった犬の霊を見つけ…見捨てられずに成仏させてやっただけ。
それでも、轢かれたばかりの犬の死体の前で何事かをブツクサと呟く若い女の姿は随分奇異に映ったことだろう。
申し訳ないが、犬の死体は国土交通省に連絡して引き取ってもらった。
意外と知られていないが、そういった回収専用のダイヤルが存在しているのだ。
さすがに制服姿で其の辺に埋めてやるわけにもいかず、かと言ってそのままにするわけにもいかない為、それが至善策だった。
可哀想ということなかれ、そのまま何もしなければ更に哀れなことになるだけだ。
それに霊自体は既に納得して成仏しているのだから後は唯の抜け殻である。
「もし君が連絡をしなければ、私が通報しようと思っていたんだ…」
「はぁ…」
意外と優しいんだな。それともただ単に後から出勤してくるであろう社員の事を心配したのか。
「それはいいとして、問題は君だ。やっぱり浄霊できるんだな?」
「…残念ながら生霊は浄霊できませんよ。何しろ生きてるんで、どんなに清めても欲望ダダ漏れで浄化できません。除霊…つまり一時的にどかすことなら可能ですけど、その場合でもこの人は部長本人に未練があるわけですからすぐに元に戻ってきますよ」
バレているなら仕方ない、とあっさり認めて出来ることできないことを説明してやる。
「駄目…なのか…」
「オススメの方法としては、首にした女性社員にさっさと次の職場を紹介して、そこで適当に次の男を見つけさせることですね。一発で解放されますよ」
要は彼に対する未練がなくなればいいのだ。
高瀬の身も蓋もない解決案に対し、しかし一考の余地があると判断したのだろう。
しばらく考え込んだ部長だが、小さく「…よし」と呟くと、冷めた顔の高瀬の肩をぽんと叩く。
「それでいこう」
「はぁ…」
なんだかさっきからこればっかり言ってるな、と。
自分でもそう思いながらも、他の相槌が出てこない。
まぁ、納得してもらえたならよかった。
「助かったよ、及川くん。やっぱり君に相談して正解だった。
…あぁ、派遣の契約の件なんだが、実は来季から君を正社員として雇用させてもらおうと考えてるんだ」
「本当ですか!?」
部長からの衝撃の発言にすっかり忘れていたが、思っても見ない話に直様飛びついた。
「あぁ。君は色々と役に立ちそうだからね…」
「う」
ちらり、と横目でこちらを見る部長。
明らかに仕事以外での期待を高瀬に寄せているのはわかるが、ここで断ることもできない。
何しろこの会社は意外と居心地もいいし、正社員での雇用となれば給料もアップ、生活も安定する。
つまりはいいことづくめなのだ。
だが、普通はなかなか採用されないし、高瀬自身も半ば諦めていたのだが…。
ちらりと、若くして部長にまでのぼりつめたイケメンの顔を見上げ、高瀬は半ば確信気味に問いかける。
「…もしかして部長って…憑依体質ってやつですか」
それに対する彼の答えは、実に苦渋に満ちていた。
「…そうだ…」
絞り出すような彼の声に、ひとつ頷いた高瀬は、みなまで言うなとその手を彼に差し出す。
「ギブアンドテイク、それでいきましょう」
彼はすぐに除霊のできる便利な部下を、そして自分は安定した職場を得る。
実にウィンウィンな関係だ。
彼もそう思ったのだろう。
先程とは打って変わった笑顔で「助かる…!」と高瀬の手をぎゅっと握った。
商談成立だ。
「じゃあ、詳しい条件は派遣会社を通じてまた連絡する。今日のところは戻ってくれて結構だ」
「は~い」
ルンルン気分で返答をする。
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