160 / 290
頭隠して尻隠さず的な何かです。
しおりを挟む
それは突然だった。
「ケンちゃんヘルプ!!」
「ん?タカ子?」
ふと気がついたら背中に幼女(偽)が張り付いていたというホラーな現状にも関わらず、実にあっさりとした対処を見せる賢治。
「みんなが私をいじめるんだよ……!!!!わ~んっ!!……ってここどこ?」
ぐりぐりと顔を背中に押し付けながら若干演技がかった様子で自身の窮状を訴えた高瀬は、賢治の首にしっかりと腕を巻きつけながら、きょろきょろと辺りを伺った。
「どこって……見てわかる通りのラブホ?」
ほら、と指さされたのは、今時まだあったのかというくらいベタなピンクのベッド。
「ラブホとは………ラブなホテルですか」
「だな」
…………。
首筋にしがみついたまま、じっと賢治を見つめる高瀬。
すすすっと背中から降りると、とりあえず真っピンクのベッドの上に移動し、ぴょんと一飛び。
ギシ…。
「うむ」
霊体のはずなのになぜベッドが軋むのかという問題は別にして、実に見事な安物のスプリングである。
そうか、今までの疑問がひとつ解決した。
「これが世に言うギシギシあんあんというやつか」
「……タカ子、いい子だから戻って」
「あい」
賢治に何とも言えない慈愛に満ちた顔を向けられ、大人しくベッドを降りると、再び定位置となったその背中に張り付く。
「なんか感動した!」
ちょっと大人になった気がする、と興奮冷めやらぬ様子でウキウキで呟くと「バカな子ほど可愛いって本当だよなぁ」というしみじみとした賢治の声が。
多分に哀れまれているような気がするが、相手が賢治なのでそこは気にしない。
「っていうか、なんでラブホ?……まさか!!!」
「何を考えているのかは手に取るようにわかるが、今は俺も仕事中だから大人しくしてような?」
「あい」
すわ逢引か!と騒ごうとしたのを見越したように諭され、すごすごと引き下がる。
うん、24時間働きますのケンちゃんが昼間っからラブホで逢引なんてナイナイ。
ん?仕事
「ラブホで仕事?」
一体何の、と首を傾げたところで。
「聞きたい?」
珍しくそう聞かれ、ちょっと悩む。
なんだろう。
今までの経験から、ものすごく罠の匂いがするのだが。
「……でも気になるから聞いちゃう!!なんの仕事!?」
浮気調査かな?ウキウキウォッチング!!
「うんうん、気になるよなぁ。じゃあ特別に教えちゃおう。
実はな、とある悩める童貞から「恋人と初めてラブホに行くので、おすすめの場所と基本的なラブホの使い方を教えて欲しい」っていう依頼があって……」
「ごめんもういいや」
予想以上にくだらない依頼だった。
「これが意外と大変な作業なんだぞ?この近くのホテルを一軒一軒回って、各部屋の清潔感から使いやすさ、料金の支払い形態までを全部調べて、当日依頼人がスムーズにラブホに入れるような下準備をだなぁ……」
「だからもういいって!!」
若者の影の努力を本人のいないところで暴露するのはやめてあげて!!
本人が聞いたら泣くから!!
「いやぁ、若いっていいよなぁ。可愛げがあってさぁ。巷じゃ童貞ハンターってのもいるらしいぞ」
「それを処女に聴かせるのは嫌がらせか」
「タカ子は既に予約済みみたいなもんだろ?気にすんなって」
「あーあーあーあーあーあ聞こえなかった、私は何も聞こえなかった!!!」
ケンちゃんひどいっ。私を売ったな!!(確実に相手は竜児)
避難に満ちた目で見つめるが、当の本人はどこ吹く風だ。
「でもちょうど良かった、タカ子。ちょっと手伝ってくれよ」
「?」
「しょちょーーーー!!」
何を?と首をかしげたとき、閉ざされていた浴室らしきドアからものすごい勢いで飛び出してきたのは例の若きアルバイト青年。
……え、ラブホって男同士で入れるんだっけ?
「いけるいける。ダメそうならこいつにズラをかぶせればなんとかなる」
「所長!!出ましたでました例のやつ……!!!って、あれ、妹さんいつの間に来てたんすか?」
慌てて飛び出してきたかと思うと、背後霊よろしく背中に張り付いたままの高瀬を見つけ、実にナチュラルに対応する青年――――もと哲也。
幼女姿は初お目見えのはずなのだが、当たり前のように見えているし、そして高瀬だとばれている。
「あれ?なんか妹さん縮んでません?」
縮む以前に明らかに幼女化しているのだが、そこはスルーか。スルーなのか。
「……これ突っ込んだほうがいい?」
「どっちでもいいけど、疲れるぞ」
「わかった」
つつくのはやめておこう。
「哲也。これは縮んだんじゃなくて、タカ子の子供の頃の姿だ。
前にちょっと話したろ?幽体離脱出来るって話」
説明する賢治に「まじっすか~」と驚きの表情で頷いてから、何事もなかったかのように一言。
「妹さん、昔からあんま変わんないっすね」
「それは成長してないと!?」
くわっ!!!っと目を見開いて威嚇すれば、「いい意味っすよいい意味!!」という謎のセリフで誤魔化された。
「幽体離脱って話マジだったんですね~。俺尊敬っす。初心霊体験っす」
「……初じゃないと思う。うん、多分初じゃない」
恐らく気づいてないだけでいろいろ見てると思うよ、君。
ハムちゃんとかさ。
「んで、どうしたんすか妹さん。まさか修羅場から逃亡して?」
「え、マジでそうなのかタカ子」
「うぉぉい!!!」
――――なぜだ。
お前の中で私の存在は一体どういう扱いになってるんだ。
前回のハーレム発言といい、なんか著しく誤解が発生している気がするのだが…。
「……あながち間違ってない気もするけど認めるのは悔しい。…よし、ケンちゃん私の代わりに報復だ!!」
「う~ん…。給料3割カットでいいか?」
「ごめん、それはやめてあげて。可哀想だから」
教育的指導をお願いしたはずが、経済制裁になってしまった。危ない危ない。
そういう圧力をかけたいわけではないのだ。そこはぜひうまく忖度して欲しい。
「そういや、今日竜児がタカ子の会社に行ったはずだよな?そっから逃げてきたのか?」
問いかけの形式をとっているが、ほぼ確信済み。
「ってことはそろそろこっちに電話が………おっ噂をすれば…」
ちょうどいいところで振動するスマホ。
「妹さん、ラブホでマナーモードって、なんか卑猥だと思いません?ほら、バイブ……」
「やめて!?15禁対応でお願いしますっ!!!」
お前絶対童貞じゃないな!!と心の中で確定しながら耳をふさぐ高瀬の前で、あっさり着信を受ける賢治。
「……あぁ、来てる来てる。どうせまたいつもの感じだろ?……わかったわかった、適当に気が済んだら帰るように伝えるって。ちょうど今こっちでもタカ子に頼みたいことがあったし…」
相手が竜児だというのは間違いないが、即効で居場所がバレているのはこれ如何に。
「ん?伝えればいいのか、わかったわかった」
なにか伝言を頼まれたらしいのがものすごく気になる。
その後一言二言交わしたあと、通話を切った賢治。
「竜児、なんだって?」
逃げ出してきた手前、ちょっと居心地悪そうに賢治の背中から降り、様子を伺うように尋ねる。
「あぁ。30分以内に帰ってこないと据え膳食うぞって」
「……??」
意味がわからないのだが。
首をかしげる幼気な幼女の肩をぽんと叩き、汚れた大人は言う。
「タカ子お前、本体をそのまま竜児の前においてきたら食われるに決まってんだろ?
それを30分待つってのがむしろ奇跡だと俺は思う」
――――――いやぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!
「…つまみ食いぐらいはされてそうだけどなぁ、既に」
「部長!!主任!!!中塚先輩ぃぃいぃ!!!」
止めて。今すぐ竜児を取り押さえてっ!!!
というか人んちの会社で何をする気だお前はっ!!
「職場の人間が竜児の抑止力になるといいなぁ、ははは」
「今すぐ帰るぅぅぅっぅ!!!」
霊体が現実逃避しても本体を置き去りにしてきたのではなんの意味もなかった。
頭隠して尻隠さずどころの話ではない。
なぜ私は本体ごとテレポーテーションできないのかっ!!!
「ガッデム!!!!!」
「ケンちゃんヘルプ!!」
「ん?タカ子?」
ふと気がついたら背中に幼女(偽)が張り付いていたというホラーな現状にも関わらず、実にあっさりとした対処を見せる賢治。
「みんなが私をいじめるんだよ……!!!!わ~んっ!!……ってここどこ?」
ぐりぐりと顔を背中に押し付けながら若干演技がかった様子で自身の窮状を訴えた高瀬は、賢治の首にしっかりと腕を巻きつけながら、きょろきょろと辺りを伺った。
「どこって……見てわかる通りのラブホ?」
ほら、と指さされたのは、今時まだあったのかというくらいベタなピンクのベッド。
「ラブホとは………ラブなホテルですか」
「だな」
…………。
首筋にしがみついたまま、じっと賢治を見つめる高瀬。
すすすっと背中から降りると、とりあえず真っピンクのベッドの上に移動し、ぴょんと一飛び。
ギシ…。
「うむ」
霊体のはずなのになぜベッドが軋むのかという問題は別にして、実に見事な安物のスプリングである。
そうか、今までの疑問がひとつ解決した。
「これが世に言うギシギシあんあんというやつか」
「……タカ子、いい子だから戻って」
「あい」
賢治に何とも言えない慈愛に満ちた顔を向けられ、大人しくベッドを降りると、再び定位置となったその背中に張り付く。
「なんか感動した!」
ちょっと大人になった気がする、と興奮冷めやらぬ様子でウキウキで呟くと「バカな子ほど可愛いって本当だよなぁ」というしみじみとした賢治の声が。
多分に哀れまれているような気がするが、相手が賢治なのでそこは気にしない。
「っていうか、なんでラブホ?……まさか!!!」
「何を考えているのかは手に取るようにわかるが、今は俺も仕事中だから大人しくしてような?」
「あい」
すわ逢引か!と騒ごうとしたのを見越したように諭され、すごすごと引き下がる。
うん、24時間働きますのケンちゃんが昼間っからラブホで逢引なんてナイナイ。
ん?仕事
「ラブホで仕事?」
一体何の、と首を傾げたところで。
「聞きたい?」
珍しくそう聞かれ、ちょっと悩む。
なんだろう。
今までの経験から、ものすごく罠の匂いがするのだが。
「……でも気になるから聞いちゃう!!なんの仕事!?」
浮気調査かな?ウキウキウォッチング!!
「うんうん、気になるよなぁ。じゃあ特別に教えちゃおう。
実はな、とある悩める童貞から「恋人と初めてラブホに行くので、おすすめの場所と基本的なラブホの使い方を教えて欲しい」っていう依頼があって……」
「ごめんもういいや」
予想以上にくだらない依頼だった。
「これが意外と大変な作業なんだぞ?この近くのホテルを一軒一軒回って、各部屋の清潔感から使いやすさ、料金の支払い形態までを全部調べて、当日依頼人がスムーズにラブホに入れるような下準備をだなぁ……」
「だからもういいって!!」
若者の影の努力を本人のいないところで暴露するのはやめてあげて!!
本人が聞いたら泣くから!!
「いやぁ、若いっていいよなぁ。可愛げがあってさぁ。巷じゃ童貞ハンターってのもいるらしいぞ」
「それを処女に聴かせるのは嫌がらせか」
「タカ子は既に予約済みみたいなもんだろ?気にすんなって」
「あーあーあーあーあーあ聞こえなかった、私は何も聞こえなかった!!!」
ケンちゃんひどいっ。私を売ったな!!(確実に相手は竜児)
避難に満ちた目で見つめるが、当の本人はどこ吹く風だ。
「でもちょうど良かった、タカ子。ちょっと手伝ってくれよ」
「?」
「しょちょーーーー!!」
何を?と首をかしげたとき、閉ざされていた浴室らしきドアからものすごい勢いで飛び出してきたのは例の若きアルバイト青年。
……え、ラブホって男同士で入れるんだっけ?
「いけるいける。ダメそうならこいつにズラをかぶせればなんとかなる」
「所長!!出ましたでました例のやつ……!!!って、あれ、妹さんいつの間に来てたんすか?」
慌てて飛び出してきたかと思うと、背後霊よろしく背中に張り付いたままの高瀬を見つけ、実にナチュラルに対応する青年――――もと哲也。
幼女姿は初お目見えのはずなのだが、当たり前のように見えているし、そして高瀬だとばれている。
「あれ?なんか妹さん縮んでません?」
縮む以前に明らかに幼女化しているのだが、そこはスルーか。スルーなのか。
「……これ突っ込んだほうがいい?」
「どっちでもいいけど、疲れるぞ」
「わかった」
つつくのはやめておこう。
「哲也。これは縮んだんじゃなくて、タカ子の子供の頃の姿だ。
前にちょっと話したろ?幽体離脱出来るって話」
説明する賢治に「まじっすか~」と驚きの表情で頷いてから、何事もなかったかのように一言。
「妹さん、昔からあんま変わんないっすね」
「それは成長してないと!?」
くわっ!!!っと目を見開いて威嚇すれば、「いい意味っすよいい意味!!」という謎のセリフで誤魔化された。
「幽体離脱って話マジだったんですね~。俺尊敬っす。初心霊体験っす」
「……初じゃないと思う。うん、多分初じゃない」
恐らく気づいてないだけでいろいろ見てると思うよ、君。
ハムちゃんとかさ。
「んで、どうしたんすか妹さん。まさか修羅場から逃亡して?」
「え、マジでそうなのかタカ子」
「うぉぉい!!!」
――――なぜだ。
お前の中で私の存在は一体どういう扱いになってるんだ。
前回のハーレム発言といい、なんか著しく誤解が発生している気がするのだが…。
「……あながち間違ってない気もするけど認めるのは悔しい。…よし、ケンちゃん私の代わりに報復だ!!」
「う~ん…。給料3割カットでいいか?」
「ごめん、それはやめてあげて。可哀想だから」
教育的指導をお願いしたはずが、経済制裁になってしまった。危ない危ない。
そういう圧力をかけたいわけではないのだ。そこはぜひうまく忖度して欲しい。
「そういや、今日竜児がタカ子の会社に行ったはずだよな?そっから逃げてきたのか?」
問いかけの形式をとっているが、ほぼ確信済み。
「ってことはそろそろこっちに電話が………おっ噂をすれば…」
ちょうどいいところで振動するスマホ。
「妹さん、ラブホでマナーモードって、なんか卑猥だと思いません?ほら、バイブ……」
「やめて!?15禁対応でお願いしますっ!!!」
お前絶対童貞じゃないな!!と心の中で確定しながら耳をふさぐ高瀬の前で、あっさり着信を受ける賢治。
「……あぁ、来てる来てる。どうせまたいつもの感じだろ?……わかったわかった、適当に気が済んだら帰るように伝えるって。ちょうど今こっちでもタカ子に頼みたいことがあったし…」
相手が竜児だというのは間違いないが、即効で居場所がバレているのはこれ如何に。
「ん?伝えればいいのか、わかったわかった」
なにか伝言を頼まれたらしいのがものすごく気になる。
その後一言二言交わしたあと、通話を切った賢治。
「竜児、なんだって?」
逃げ出してきた手前、ちょっと居心地悪そうに賢治の背中から降り、様子を伺うように尋ねる。
「あぁ。30分以内に帰ってこないと据え膳食うぞって」
「……??」
意味がわからないのだが。
首をかしげる幼気な幼女の肩をぽんと叩き、汚れた大人は言う。
「タカ子お前、本体をそのまま竜児の前においてきたら食われるに決まってんだろ?
それを30分待つってのがむしろ奇跡だと俺は思う」
――――――いやぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!
「…つまみ食いぐらいはされてそうだけどなぁ、既に」
「部長!!主任!!!中塚先輩ぃぃいぃ!!!」
止めて。今すぐ竜児を取り押さえてっ!!!
というか人んちの会社で何をする気だお前はっ!!
「職場の人間が竜児の抑止力になるといいなぁ、ははは」
「今すぐ帰るぅぅぅっぅ!!!」
霊体が現実逃避しても本体を置き去りにしてきたのではなんの意味もなかった。
頭隠して尻隠さずどころの話ではない。
なぜ私は本体ごとテレポーテーションできないのかっ!!!
「ガッデム!!!!!」
0
お気に入りに追加
968
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~
あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……
ルピナス
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の藍沢直人は後輩の宮原彩花と一緒に、学校の寮の2人部屋で暮らしている。彩花にとって直人は不良達から救ってくれた大好きな先輩。しかし、直人にとって彩花は不良達から救ったことを機に一緒に住んでいる後輩の女の子。直人が一定の距離を保とうとすることに耐えられなくなった彩花は、ある日の夜、手錠を使って直人を束縛しようとする。
そして、直人のクラスメイトである吉岡渚からの告白をきっかけに直人、彩花、渚の恋物語が激しく動き始める。
物語の鍵は、人の心とルピナスの花。たくさんの人達の気持ちが温かく、甘く、そして切なく交錯する青春ラブストーリーシリーズ。
※特別編-入れ替わりの夏-は『ハナノカオリ』のキャラクターが登場しています。
※1日3話ずつ更新する予定です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
お母様が国王陛下に見染められて再婚することになったら、美麗だけど残念な義兄の王太子殿下に婚姻を迫られました!
奏音 美都
恋愛
まだ夜の冷気が残る早朝、焼かれたパンを店に並べていると、いつもは慌ただしく動き回っている母さんが、私の後ろに立っていた。
「エリー、実は……国王陛下に見染められて、婚姻を交わすことになったんだけど、貴女も王宮に入ってくれるかしら?」
国王陛下に見染められて……って。国王陛下が母さんを好きになって、求婚したってこと!? え、で……私も王宮にって、王室の一員になれってこと!?
国王陛下に挨拶に伺うと、そこには美しい顔立ちの王太子殿下がいた。
「エリー、どうか僕と結婚してくれ! 君こそ、僕の妻に相応しい!」
え……私、貴方の妹になるんですけど?
どこから突っ込んでいいのか分かんない。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる