13 / 56
迷子の猫娘は竜の逆鱗に触れる。
しおりを挟む
「麗ちゃん?どうしたんですか?」
「お願い黙って」
「む?」
レジーナに指をつかまれまま、馬鹿正直に口をつぐむタカセ。
「おい、君…………」
レジーナの様子がおかしい事に気づいた「部長」がその肩を掴む。
だが、あれほど極上だと思っていた彼の血ですら、目の前の彼女には遠く及ばない。
そう、帝ですらーーーーーーー。
そこまで考え、何故かズキリとした胸の痛みを覚えた時。
「なにをしてるんですか、君は」
「!?」
「へ?竜児?」
突然現れた男を見上げ、「あれ?」と間抜けな声をあげるタカセ。
第三の男ーーー葉山竜児は、彼女をレジーナから引き離すと、当然のごとく自らの懐に抱え込む。
「ーータカ子、その女は餓えた獣です。今後は見かけたらすぐに逃げるように」
「はい?」
失礼な!!と、普段のレジーナであればすぐさま反論するところであるが、今回ばかりはそれもできない。
その言葉に、すっと頭の芯が冷えた気がした。
まさか、この男はーーーー。
「……あなた、帝からどこまで聞いているの」
あの口ぶりは、どう考えてもレジーナの正体を知っているとしか思えない。
状況次第では、今すぐこの男とーーーー帝の、口を。
物騒な考えに片寄った頭が最悪の展開を脳裏に描き、レジーナの瞳が妖しく金の輝きを放つ。
だが。
「安心しなさい。例え彼から何を聞かされていようと、僕は君のような馬鹿な小娘には何ら興味はありませんよ」
レジーナの天敵と認識されたこの男は、彼女にとって当然のその危惧を鼻で嗤う。
「短慮から己の庇護者に牙を剥くことほど愚かなことはない。
……まぁ、僕としては君のような小娘一人どうなろうと知ったことではありませんが」
「あなたに、何がっ…………!!」
わかるのか、と。
激昂したレジーナがその襟首に掴みかかろうとするが。
「其処までよ、麗ちゃん」
ーーーその声に、時が止まった。
「お願い黙って」
「む?」
レジーナに指をつかまれまま、馬鹿正直に口をつぐむタカセ。
「おい、君…………」
レジーナの様子がおかしい事に気づいた「部長」がその肩を掴む。
だが、あれほど極上だと思っていた彼の血ですら、目の前の彼女には遠く及ばない。
そう、帝ですらーーーーーーー。
そこまで考え、何故かズキリとした胸の痛みを覚えた時。
「なにをしてるんですか、君は」
「!?」
「へ?竜児?」
突然現れた男を見上げ、「あれ?」と間抜けな声をあげるタカセ。
第三の男ーーー葉山竜児は、彼女をレジーナから引き離すと、当然のごとく自らの懐に抱え込む。
「ーータカ子、その女は餓えた獣です。今後は見かけたらすぐに逃げるように」
「はい?」
失礼な!!と、普段のレジーナであればすぐさま反論するところであるが、今回ばかりはそれもできない。
その言葉に、すっと頭の芯が冷えた気がした。
まさか、この男はーーーー。
「……あなた、帝からどこまで聞いているの」
あの口ぶりは、どう考えてもレジーナの正体を知っているとしか思えない。
状況次第では、今すぐこの男とーーーー帝の、口を。
物騒な考えに片寄った頭が最悪の展開を脳裏に描き、レジーナの瞳が妖しく金の輝きを放つ。
だが。
「安心しなさい。例え彼から何を聞かされていようと、僕は君のような馬鹿な小娘には何ら興味はありませんよ」
レジーナの天敵と認識されたこの男は、彼女にとって当然のその危惧を鼻で嗤う。
「短慮から己の庇護者に牙を剥くことほど愚かなことはない。
……まぁ、僕としては君のような小娘一人どうなろうと知ったことではありませんが」
「あなたに、何がっ…………!!」
わかるのか、と。
激昂したレジーナがその襟首に掴みかかろうとするが。
「其処までよ、麗ちゃん」
ーーーその声に、時が止まった。
0
お気に入りに追加
767
あなたにおすすめの小説
5人の旦那様と365日の蜜日【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
気が付いたら、前と後に入ってる!
そんな夢を見た日、それが現実になってしまった、メリッサ。
ゲーデル国の田舎町の商人の娘として育てられたメリッサは12歳になった。しかし、ゲーデル国の軍人により、メリッサは夢を見た日連れ去られてしまった。連れて来られて入った部屋には、自分そっくりな少女の肖像画。そして、その肖像画の大人になった女性は、ゲーデル国の女王、メリベルその人だった。
対面して初めて気付くメリッサ。「この人は母だ」と………。
※♡が付く話はHシーンです
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。
猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。
『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』
一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる