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うらにわのこどもたち3 空中楼閣
THE EMPRESS(1/3)
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明け方強く降った雨は太陽が昇る頃にはすっかり止んで、今日もからっとした晴天が広がっている。
「調子はどう?」
今日は蒼一郎の定期面接の日だ。いつもは大規が座る向かいのソファーに、きちんと両膝を揃えて蒼一郎が座っている。すぐ横に立ちつくしている点滴棒。奇妙な色の点滴パックが、昼間際の日差しを反射して光る。日野尾はクリップボードを手に、そんな蒼一郎の様子を窺う。
「最近は……すごく、調子がいい気がします。倒れる事もないし、晴れた日が続いているせいか気分もいいです」
「そう。いい感じだねぇ」
ボールペンでメモを取りながら、のんびりと相槌を打つ。蒼一郎の表情も穏やかで落ち着いているように感じる。
「時々、ぼんやりする事があるって聞いてたけど、それは今も続いてる?」
「今は、なくなりました。大規先生が前に、状態が安定してるからって言ってました。本当にそうだったのかも知れないです」
「皆とも上手くやれてるかな?」
「はい。暑くなってから、皆で一緒にいることが増えました。それで、今までよりもっと皆の考えてる事とかいい所とか知ることができてる気がして。もっと皆の事、知れたらいいなぁって」
「ケンカとかは?」
「してないです!」
からかうように聞くと、蒼一郎は慌てて首を振った。
「皆仲良しです。眠兎くんも十歌くんも、最近はよく笑ってるし。真白ちゃんもとっても嬉しそうで!」
「ふふふ、冗談。皆仲良くやれてるのはいい事だねぇ。普段はどんな話してるの?」
「カイくんに早く会いたいね、って話をよくします。眠兎くんが、カイくんの見た目を天使みたいって言ってたような……?」
「天使かぁ。眠兎にしてはいい喩えだねぇ」
手元のグラスを触る。白桃の香りがついた、ダージリンのアイスティー。一口飲むと白桃の爽やかな甘さが喉を滑り落ちていく。
「ねえ先生。天使って、神様のお手伝いをするんですよね?」
「そうだね。神様のお告げを伝えたり、人間をそっと護ってくれたりするらしいねぇ」
「だったら、僕も天使になりたいです」
「ん? ……天使に?」
突然の申し出に、目をしばたたかせる。
「先生達の天使。先生達のお手伝いをする天使になりたいな、って……。だって、このはこにわの神様は先生達でしょう? だから……」
希望に満ちた声で話し始めたのに、途中で恥ずかしくなったのか、勢いは失速し声が小さくなっていく。頬を赤く染め、俯きがちになる蒼一郎を見つめ、日野尾は微笑んだ。
「今も充分天使なんだけどなぁ。じゃあ、そんな天使くんに重大発表しようかな」
「………………?」
「点滴、もう外して大丈夫だよ。頑張ったね」
破顔する日野尾。蒼一郎の表情は一瞬固まり、それから困惑したように瞳を揺らす。
「え? ……え?」
「今言った通りだよ。明後日には外そうかと思ってる。近々、カイにも会えるからね。おめでとう」
ぴっとピースサインを作る。蒼一郎は点滴と日野尾の顔を交互に見た。まだ信じられない、という戸惑いが混ざった表情。そこに少しずつ喜びの色が混ざっていく。戸惑うのも無理はない。ずっと点滴が当たり前の生活を送っていたのだ。
「あの、それ、……この後、皆に、言っても」
「いーよ。きっと皆も喜んでくれるよ」
そう言うと、蒼一郎は頷き、膝の上の両手を固く握る。目には涙が浮かんでいた。懸命に涙を堪えようと沈黙を守る、そのくちびるが震えている。
「ごめんなさい先生。僕、心は強く在らなきゃって思ったのに」
ぎこちなく微笑んだ瞬間、彼の瞳から涙がぽろぽろと零れた。
「びっくりさせちゃったねぇ。今日はここまでにしよう。お茶、最後まで飲んでいって」
優しく声を掛ける。蒼一郎は小さく頷いて、目の前のグラスを手に取った。まだ手が震えている。ゆっくりでいいよ、と言い、日野尾ものんびりとアイスティーに口をつける。何回かに分けてグラスの中身を飲み干し、蒼一郎は席を立った。日野尾も立ち上がり、扉の外へと蒼一郎を送り出す。
「それじゃ。お昼ご飯の時に。またね」
「はい」
ひらひらと手を振り、室内へと戻る。テーブルの上にある二つのグラス。空いたグラスを洗おうと手に取り、すっと目を細める。
「………………」
蒼一郎に出したアイスティー。そちらのグラスにだけ、紅茶とは無縁のものを混ぜていた。蒼一郎の体内へと流れる点滴の中身。それに準ずるもの。白桃の香りの中に混ざるそれに、彼は気付いただろうか。
いいや。気付く筈がない。そう調整してきたのだ。疑わないように。きちんと言う事を聞くように。
素敵な物語。天使役を申し出てくれた。可哀想で可愛い物語。
「ちゃんと飲み干して。本当に本当にいい子だねぇ」
呟く。口元に弧を描いて、日野尾はグラスを洗い始める。丁寧に。丁寧に。
*
「…………明後日?」
部屋に戻って来た蒼一郎に告げられた日数に、十歌は眉を寄せる。
「うん。びっくりしたけど、そうなんだって」
椅子に腰掛けた蒼一郎は、嬉しそうに頷く。
「それは……随分と、急な話なんだな」
「でも、もうすぐ外れるって話は前から聞いてたし」
「それはそうなんだが……」
あまりに急な話に、頭がついてこない。確かにもうすぐ外れるという話は前々から聞いていた。それにしても、具体的な日数を告げるならば、せめて一週間前には本人に告げるべきではないだろうか。蒼一郎の心の準備だってあるだろう。簡単な用事とはわけが違うのだ。
「……喜んでくれないの?」
蒼一郎の表情が曇る。
「いや、そういう訳では……あまりに唐突だったから驚いているんだ」
「そっか、……そうだよね。十歌くんだって、びっくりしちゃうよね」
えへへ、と蒼一郎は笑う。しかし、当事者への配慮に欠ける日野尾の姿勢に、十歌は憤りを感じた。脳裏に日野尾と梅雨の間に交わした言葉が蘇る。
『私は一度だって、君達を人間だと思ったことは無いよ』
あの言葉の通りなのだろう。彼女にとってはこの研究施設のもの全てが自分の所有物。どう扱おうが勝手ということなのか。
「本当に、身体は大丈夫なのか?」
心配して尋ねる。
「大丈夫だよ。最近は前よりずっと元気だし、先生もこれなら大丈夫って思ったんだよ」
僅かに高揚し赤く染まる頬。嬉しそうな声。ようやく点滴が外れるのだ。蒼一郎が喜ぶのも分かる。しかし、どこか夢うつつな表情に、一抹の不安を覚えた。
「先生も、とっても嬉しそうだったよ」
「……無理している訳では無いんだな?」
念を押す。
「先生が」
「蒼一郎」
言葉を紡ごうとする、その両肩を掴む。点滴パックが僅かに揺れた。
「……お前の意思は、何処にある」
蒼一郎の瞳が、ぼんやりと十歌を映す。春霞のベールがかかったような瞳は、はっきりとした焦点を結ばなかった。
「どうしたの?変な十歌くん」
虚ろな眼差しを向けたまま、蒼一郎は答える。猫を猫と、鳥を鳥と呼ぶように、ごく当たり前の事として。
「先生の意思が、僕の意思だよ」
*
蒼一郎の点滴が外れる。
その話が全員の耳に入って二日後、こどもたちは医務室に詰めかけていた。ベッドには蒼一郎。大規だけでなく、日野尾も同席している。
「……なんだか緊張するなぁ」
全員の視線を浴びながら、蒼一郎は呟く。こんなに見られているとどうにも落ち着かない。
「まあまあ。喜ばしい事だからね」
くすくすと日野尾が笑う。大規が慎重に蒼一郎の腕のテープを外し、チューブを抜く。一瞬、ちくっとした小さな痛みを感じる。
「ここ、押さえてて」
大規がアルコール綿で押さえた場所を押さえる。いつもテープが巻かれていた腕は、テープを剥がした部分がほのかな赤みを帯びていた。視界の端でいつも揺れていたチューブも、今はない。ほんの数分の間に起こった変化。初めて見る、点滴の刺さっていない自分の腕。
「はい。おしまい。今日明日はのんびり過ごすようにね」
アルコール綿の上からテープを貼り、大規はファイルの中身に何かを書き込んでいる。それを目で追っていると、日野尾が蒼一郎の手を握った。リチア雲母の瞳が嬉しそうに瞬いている。
「おめでとう。私の天使くん」
「ありがとうございます。先生」
天使くん、と呼ばれたのが嬉しくて、蒼一郎も微笑む。これで、今までよりずっと先生達を手伝う事ができる。ずっと先生達が頑張っていた分、僕も恩返しがしたい。梅雨の頃から思っていた気持ちを一層強く感じる。
「何かお祝いがしたいねぇ。折角嬉しい事があったんだから」
「え、そんな……!」
申し訳ないです、と続けようとした蒼一郎を、いいから、と日野尾が制す。
「少なくとも、真白はやる気満々だよ?」
真白へと視線を移す。十歌に肩を、眠兎に腕を掴まれながら、嬉しくて仕方ないといった表情を浮かべていた。どうやら飛びつこうとしたのをすんでのところで押さえられたらしい。
「ま、そういう事だから、祝わせてよ」
「夕食も豪華にしようかな。蒼一郎くんが好きそうなものにするよ。楽しみにしててね」
日野尾と大規、双方の祝福を受け、蒼一郎は頬を染める。
夏の日差しの中、蝉達も蒼一郎を祝福するように、賑やかに鳴いていた。
明け方強く降った雨は太陽が昇る頃にはすっかり止んで、今日もからっとした晴天が広がっている。
「調子はどう?」
今日は蒼一郎の定期面接の日だ。いつもは大規が座る向かいのソファーに、きちんと両膝を揃えて蒼一郎が座っている。すぐ横に立ちつくしている点滴棒。奇妙な色の点滴パックが、昼間際の日差しを反射して光る。日野尾はクリップボードを手に、そんな蒼一郎の様子を窺う。
「最近は……すごく、調子がいい気がします。倒れる事もないし、晴れた日が続いているせいか気分もいいです」
「そう。いい感じだねぇ」
ボールペンでメモを取りながら、のんびりと相槌を打つ。蒼一郎の表情も穏やかで落ち着いているように感じる。
「時々、ぼんやりする事があるって聞いてたけど、それは今も続いてる?」
「今は、なくなりました。大規先生が前に、状態が安定してるからって言ってました。本当にそうだったのかも知れないです」
「皆とも上手くやれてるかな?」
「はい。暑くなってから、皆で一緒にいることが増えました。それで、今までよりもっと皆の考えてる事とかいい所とか知ることができてる気がして。もっと皆の事、知れたらいいなぁって」
「ケンカとかは?」
「してないです!」
からかうように聞くと、蒼一郎は慌てて首を振った。
「皆仲良しです。眠兎くんも十歌くんも、最近はよく笑ってるし。真白ちゃんもとっても嬉しそうで!」
「ふふふ、冗談。皆仲良くやれてるのはいい事だねぇ。普段はどんな話してるの?」
「カイくんに早く会いたいね、って話をよくします。眠兎くんが、カイくんの見た目を天使みたいって言ってたような……?」
「天使かぁ。眠兎にしてはいい喩えだねぇ」
手元のグラスを触る。白桃の香りがついた、ダージリンのアイスティー。一口飲むと白桃の爽やかな甘さが喉を滑り落ちていく。
「ねえ先生。天使って、神様のお手伝いをするんですよね?」
「そうだね。神様のお告げを伝えたり、人間をそっと護ってくれたりするらしいねぇ」
「だったら、僕も天使になりたいです」
「ん? ……天使に?」
突然の申し出に、目をしばたたかせる。
「先生達の天使。先生達のお手伝いをする天使になりたいな、って……。だって、このはこにわの神様は先生達でしょう? だから……」
希望に満ちた声で話し始めたのに、途中で恥ずかしくなったのか、勢いは失速し声が小さくなっていく。頬を赤く染め、俯きがちになる蒼一郎を見つめ、日野尾は微笑んだ。
「今も充分天使なんだけどなぁ。じゃあ、そんな天使くんに重大発表しようかな」
「………………?」
「点滴、もう外して大丈夫だよ。頑張ったね」
破顔する日野尾。蒼一郎の表情は一瞬固まり、それから困惑したように瞳を揺らす。
「え? ……え?」
「今言った通りだよ。明後日には外そうかと思ってる。近々、カイにも会えるからね。おめでとう」
ぴっとピースサインを作る。蒼一郎は点滴と日野尾の顔を交互に見た。まだ信じられない、という戸惑いが混ざった表情。そこに少しずつ喜びの色が混ざっていく。戸惑うのも無理はない。ずっと点滴が当たり前の生活を送っていたのだ。
「あの、それ、……この後、皆に、言っても」
「いーよ。きっと皆も喜んでくれるよ」
そう言うと、蒼一郎は頷き、膝の上の両手を固く握る。目には涙が浮かんでいた。懸命に涙を堪えようと沈黙を守る、そのくちびるが震えている。
「ごめんなさい先生。僕、心は強く在らなきゃって思ったのに」
ぎこちなく微笑んだ瞬間、彼の瞳から涙がぽろぽろと零れた。
「びっくりさせちゃったねぇ。今日はここまでにしよう。お茶、最後まで飲んでいって」
優しく声を掛ける。蒼一郎は小さく頷いて、目の前のグラスを手に取った。まだ手が震えている。ゆっくりでいいよ、と言い、日野尾ものんびりとアイスティーに口をつける。何回かに分けてグラスの中身を飲み干し、蒼一郎は席を立った。日野尾も立ち上がり、扉の外へと蒼一郎を送り出す。
「それじゃ。お昼ご飯の時に。またね」
「はい」
ひらひらと手を振り、室内へと戻る。テーブルの上にある二つのグラス。空いたグラスを洗おうと手に取り、すっと目を細める。
「………………」
蒼一郎に出したアイスティー。そちらのグラスにだけ、紅茶とは無縁のものを混ぜていた。蒼一郎の体内へと流れる点滴の中身。それに準ずるもの。白桃の香りの中に混ざるそれに、彼は気付いただろうか。
いいや。気付く筈がない。そう調整してきたのだ。疑わないように。きちんと言う事を聞くように。
素敵な物語。天使役を申し出てくれた。可哀想で可愛い物語。
「ちゃんと飲み干して。本当に本当にいい子だねぇ」
呟く。口元に弧を描いて、日野尾はグラスを洗い始める。丁寧に。丁寧に。
*
「…………明後日?」
部屋に戻って来た蒼一郎に告げられた日数に、十歌は眉を寄せる。
「うん。びっくりしたけど、そうなんだって」
椅子に腰掛けた蒼一郎は、嬉しそうに頷く。
「それは……随分と、急な話なんだな」
「でも、もうすぐ外れるって話は前から聞いてたし」
「それはそうなんだが……」
あまりに急な話に、頭がついてこない。確かにもうすぐ外れるという話は前々から聞いていた。それにしても、具体的な日数を告げるならば、せめて一週間前には本人に告げるべきではないだろうか。蒼一郎の心の準備だってあるだろう。簡単な用事とはわけが違うのだ。
「……喜んでくれないの?」
蒼一郎の表情が曇る。
「いや、そういう訳では……あまりに唐突だったから驚いているんだ」
「そっか、……そうだよね。十歌くんだって、びっくりしちゃうよね」
えへへ、と蒼一郎は笑う。しかし、当事者への配慮に欠ける日野尾の姿勢に、十歌は憤りを感じた。脳裏に日野尾と梅雨の間に交わした言葉が蘇る。
『私は一度だって、君達を人間だと思ったことは無いよ』
あの言葉の通りなのだろう。彼女にとってはこの研究施設のもの全てが自分の所有物。どう扱おうが勝手ということなのか。
「本当に、身体は大丈夫なのか?」
心配して尋ねる。
「大丈夫だよ。最近は前よりずっと元気だし、先生もこれなら大丈夫って思ったんだよ」
僅かに高揚し赤く染まる頬。嬉しそうな声。ようやく点滴が外れるのだ。蒼一郎が喜ぶのも分かる。しかし、どこか夢うつつな表情に、一抹の不安を覚えた。
「先生も、とっても嬉しそうだったよ」
「……無理している訳では無いんだな?」
念を押す。
「先生が」
「蒼一郎」
言葉を紡ごうとする、その両肩を掴む。点滴パックが僅かに揺れた。
「……お前の意思は、何処にある」
蒼一郎の瞳が、ぼんやりと十歌を映す。春霞のベールがかかったような瞳は、はっきりとした焦点を結ばなかった。
「どうしたの?変な十歌くん」
虚ろな眼差しを向けたまま、蒼一郎は答える。猫を猫と、鳥を鳥と呼ぶように、ごく当たり前の事として。
「先生の意思が、僕の意思だよ」
*
蒼一郎の点滴が外れる。
その話が全員の耳に入って二日後、こどもたちは医務室に詰めかけていた。ベッドには蒼一郎。大規だけでなく、日野尾も同席している。
「……なんだか緊張するなぁ」
全員の視線を浴びながら、蒼一郎は呟く。こんなに見られているとどうにも落ち着かない。
「まあまあ。喜ばしい事だからね」
くすくすと日野尾が笑う。大規が慎重に蒼一郎の腕のテープを外し、チューブを抜く。一瞬、ちくっとした小さな痛みを感じる。
「ここ、押さえてて」
大規がアルコール綿で押さえた場所を押さえる。いつもテープが巻かれていた腕は、テープを剥がした部分がほのかな赤みを帯びていた。視界の端でいつも揺れていたチューブも、今はない。ほんの数分の間に起こった変化。初めて見る、点滴の刺さっていない自分の腕。
「はい。おしまい。今日明日はのんびり過ごすようにね」
アルコール綿の上からテープを貼り、大規はファイルの中身に何かを書き込んでいる。それを目で追っていると、日野尾が蒼一郎の手を握った。リチア雲母の瞳が嬉しそうに瞬いている。
「おめでとう。私の天使くん」
「ありがとうございます。先生」
天使くん、と呼ばれたのが嬉しくて、蒼一郎も微笑む。これで、今までよりずっと先生達を手伝う事ができる。ずっと先生達が頑張っていた分、僕も恩返しがしたい。梅雨の頃から思っていた気持ちを一層強く感じる。
「何かお祝いがしたいねぇ。折角嬉しい事があったんだから」
「え、そんな……!」
申し訳ないです、と続けようとした蒼一郎を、いいから、と日野尾が制す。
「少なくとも、真白はやる気満々だよ?」
真白へと視線を移す。十歌に肩を、眠兎に腕を掴まれながら、嬉しくて仕方ないといった表情を浮かべていた。どうやら飛びつこうとしたのをすんでのところで押さえられたらしい。
「ま、そういう事だから、祝わせてよ」
「夕食も豪華にしようかな。蒼一郎くんが好きそうなものにするよ。楽しみにしててね」
日野尾と大規、双方の祝福を受け、蒼一郎は頬を染める。
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