33 / 69
うらにわのこどもたち2 それから季節がひとつ、すぎる間のこと
補完する世界(1/3)
しおりを挟む
なかなか明けない梅雨の、退屈な昼下がり。
その日、白雪の部屋に「こどもたち」は集まっていた。特に理由があるわけではない。強いて言うなら「暇つぶし」である。
蒼一郎と十歌が他愛のない雑談をする傍らで、ぬいぐるみの山に埋もれた白雪の髪に、真白がリボンを結んでいる。決して器用とは言えない真白の手つきはたどたどしく、綺麗な結び目が作れずに悪戦苦闘しているようだ。
眠兎はそんな皆から少し離れて、本のページをめくる。何度も読み返しているので、内容はほとんど頭の中に入っていた。本を読んでいるのはポーズであり、意識は本の内容よりも、周囲の様子にある。
信頼に足る相手を、未だに眠兎は測りかねていた。誰ならば、自分をより有利な立場へと押し上げるカードになりうるのか。それとも、自らの記憶を含む全てが、自身を不利に追いやるものでしかないのか。
再び、ページをめくる。ようやく綺麗にリボンを結べた真白が歓声を上げる。はしゃぐ真白と白雪の輪に蒼一郎と十歌が加わる。控えめに言わなくても、うるさい。耳鳴りがする。
「みんとー! みてみてー!」
「うるっさ……あーもう、はいはい」
真白の声に僅かな頭痛を感じつつ、顔を上げる。誇らしげに胸を張る真白、照れくさそうにもじもじとはにかむ白雪、小さく拍手する蒼一郎、何を考えているのかよく分からない十歌。
「……君ら、本っ当に平和だよね」
皮肉を込めて言う。
「だってよー、ほかにすることねーもん」
「確かに、部屋の中で出来ることは大体やり尽くした感じがあるよね」
「雨続きだからな。お前もこっちでやるか?リボン結び」
ほら、と十歌が淡いピンク色のリボンをこちらへと差し出す。
「いらない。白雪をリボンだらけにしてどうすんだよ」
「白雪が可愛くなるな」
「うん、白雪ちゃんが可愛くなるね」
「しらゆきうれしそーだぞ」
「かわ、い。すきー」
楽しそうな四人を前に、眠兎は溜息をつく。この馬鹿共め。
「あのさー、もうちょっと生産的な事を……まあ、ここにいる時点で僕も同類か……」
諦めて本を置き、輪に加わる。十歌の横に陣取ってあぐらをかくと、真白のすぐ横にある大きなクマのぬいぐるみと目が合った。すぐに目線を外す。
(ああ、成程……こりゃ気づかないはずだ)
ぬいぐるみの片目が、小さなレンズになっていた。以前、白雪と「遊んでいた」のがすぐにばれたのは、この片目が原因だろう。
(でも、いつから……? カメラはここだけ? 別の場所にも……?)
もし、前々からカメラが仕込まれていたのなら、日野尾や大規が「遊び」を黙認していたことになる。大規はともかくとして、白雪を大切にする日野尾が黙認するなどありえるのだろうか? それとも白雪が頬を腫らすことが重なって、隠しカメラを導入したのだろうか。
色々と思うところはあるが、顔には出さない。代わりに、探りを入れる意味も込めて聞く。
「皆集まってるんだからさ、何か面白い話ないの? 少しは時間と暇を潰せるようなやつ」
「面白い話かぁ」と蒼一郎。「難しいな」と十歌。
まあそうだろうな、と眠兎が思っていると、再び懸命にリボン結びに取り組んでいた真白が声を上げた。
「あっそーだ。おれきこーと思ってたんだった」
何かを思い出したらしい彼女は、白いリボンから手を離す。
「あのさー、なんでおれたちって、男と女にわかれてんの?」
一瞬、場に沈黙が落ちる。
「そういえば、何でだろう……」
「だろ? べつにせーべつなんてなくていいじゃん」
蒼一郎と真白は共に首を傾げる。
「別々なのには、意味があるのかな」
「おれもさ、そー思って、でもぜんぜんわかんねーから、みんなならしってるかなって。みんとはしってる?」
「うえっ!? 僕に聞くの!?」
「みんとなんでもしってるじゃん」
「僕も気になるなあ。眠兎くん知ってる?」
「え、えー……」
急に話を振られ、返答に詰まった眠兎は十歌を見る。それとなく顔をそらした十歌からは、気まずい、という雰囲気が漂っていた。いや、そこは助け舟を出してくれよと思った後に、十歌の反応に違和感を覚えた。
(……何でこいつ、気まずそうにしてるんだ……?)
「こども」に性の知識は与えられていない。
日野尾は、「こども」が「こどもらしくない」ことを嫌っている節がある。そのためか、この施設では特定の情報が徹底的に排除されている。この研究施設外の情報はもちろんのこと、男女の「違い」も含めた「性の知識」は排除される情報の最たるものだ。故に、外見上の違い以上の「性の知識」を「こども」は持たない。
眠兎には「夢」の記憶が他の「こども」よりも鮮明にある。だから「性の知識」をある程度持っているのであって、この施設においては、真白や蒼一郎の反応の方が「普通」なのだ。
――十歌の反応は、「おかしい」。
十歌もまた、言いよどむ眠兎に、何か違和感を感じているようだった。
「なー、もしかしてみんとにも分からないことなのかー?」
「えー……、そうだなー……」
ちらり、と蒼一郎の点滴パックの中身を確認する。不思議な色の液体は、あと少しで四分の一を切るあたりだろうか。
「蒼一郎、もしかして、この後大規先生来る?」
「えっ、……あ、うん。ここに僕がいることは伝えてあるから、もうすぐ来ると思うよ。先生が忘れてなければだけど」
蒼一郎も点滴パックを見上げる。
(……ま、最近大人しくしてた分、少しは暇つぶしに役立ってもらおう)
心の中で舌を出し、眠兎はにっこり笑う。
「じゃあさ、先生に聞いてみようよ。どうして男と女が存在するんですか? って」
その日、白雪の部屋に「こどもたち」は集まっていた。特に理由があるわけではない。強いて言うなら「暇つぶし」である。
蒼一郎と十歌が他愛のない雑談をする傍らで、ぬいぐるみの山に埋もれた白雪の髪に、真白がリボンを結んでいる。決して器用とは言えない真白の手つきはたどたどしく、綺麗な結び目が作れずに悪戦苦闘しているようだ。
眠兎はそんな皆から少し離れて、本のページをめくる。何度も読み返しているので、内容はほとんど頭の中に入っていた。本を読んでいるのはポーズであり、意識は本の内容よりも、周囲の様子にある。
信頼に足る相手を、未だに眠兎は測りかねていた。誰ならば、自分をより有利な立場へと押し上げるカードになりうるのか。それとも、自らの記憶を含む全てが、自身を不利に追いやるものでしかないのか。
再び、ページをめくる。ようやく綺麗にリボンを結べた真白が歓声を上げる。はしゃぐ真白と白雪の輪に蒼一郎と十歌が加わる。控えめに言わなくても、うるさい。耳鳴りがする。
「みんとー! みてみてー!」
「うるっさ……あーもう、はいはい」
真白の声に僅かな頭痛を感じつつ、顔を上げる。誇らしげに胸を張る真白、照れくさそうにもじもじとはにかむ白雪、小さく拍手する蒼一郎、何を考えているのかよく分からない十歌。
「……君ら、本っ当に平和だよね」
皮肉を込めて言う。
「だってよー、ほかにすることねーもん」
「確かに、部屋の中で出来ることは大体やり尽くした感じがあるよね」
「雨続きだからな。お前もこっちでやるか?リボン結び」
ほら、と十歌が淡いピンク色のリボンをこちらへと差し出す。
「いらない。白雪をリボンだらけにしてどうすんだよ」
「白雪が可愛くなるな」
「うん、白雪ちゃんが可愛くなるね」
「しらゆきうれしそーだぞ」
「かわ、い。すきー」
楽しそうな四人を前に、眠兎は溜息をつく。この馬鹿共め。
「あのさー、もうちょっと生産的な事を……まあ、ここにいる時点で僕も同類か……」
諦めて本を置き、輪に加わる。十歌の横に陣取ってあぐらをかくと、真白のすぐ横にある大きなクマのぬいぐるみと目が合った。すぐに目線を外す。
(ああ、成程……こりゃ気づかないはずだ)
ぬいぐるみの片目が、小さなレンズになっていた。以前、白雪と「遊んでいた」のがすぐにばれたのは、この片目が原因だろう。
(でも、いつから……? カメラはここだけ? 別の場所にも……?)
もし、前々からカメラが仕込まれていたのなら、日野尾や大規が「遊び」を黙認していたことになる。大規はともかくとして、白雪を大切にする日野尾が黙認するなどありえるのだろうか? それとも白雪が頬を腫らすことが重なって、隠しカメラを導入したのだろうか。
色々と思うところはあるが、顔には出さない。代わりに、探りを入れる意味も込めて聞く。
「皆集まってるんだからさ、何か面白い話ないの? 少しは時間と暇を潰せるようなやつ」
「面白い話かぁ」と蒼一郎。「難しいな」と十歌。
まあそうだろうな、と眠兎が思っていると、再び懸命にリボン結びに取り組んでいた真白が声を上げた。
「あっそーだ。おれきこーと思ってたんだった」
何かを思い出したらしい彼女は、白いリボンから手を離す。
「あのさー、なんでおれたちって、男と女にわかれてんの?」
一瞬、場に沈黙が落ちる。
「そういえば、何でだろう……」
「だろ? べつにせーべつなんてなくていいじゃん」
蒼一郎と真白は共に首を傾げる。
「別々なのには、意味があるのかな」
「おれもさ、そー思って、でもぜんぜんわかんねーから、みんなならしってるかなって。みんとはしってる?」
「うえっ!? 僕に聞くの!?」
「みんとなんでもしってるじゃん」
「僕も気になるなあ。眠兎くん知ってる?」
「え、えー……」
急に話を振られ、返答に詰まった眠兎は十歌を見る。それとなく顔をそらした十歌からは、気まずい、という雰囲気が漂っていた。いや、そこは助け舟を出してくれよと思った後に、十歌の反応に違和感を覚えた。
(……何でこいつ、気まずそうにしてるんだ……?)
「こども」に性の知識は与えられていない。
日野尾は、「こども」が「こどもらしくない」ことを嫌っている節がある。そのためか、この施設では特定の情報が徹底的に排除されている。この研究施設外の情報はもちろんのこと、男女の「違い」も含めた「性の知識」は排除される情報の最たるものだ。故に、外見上の違い以上の「性の知識」を「こども」は持たない。
眠兎には「夢」の記憶が他の「こども」よりも鮮明にある。だから「性の知識」をある程度持っているのであって、この施設においては、真白や蒼一郎の反応の方が「普通」なのだ。
――十歌の反応は、「おかしい」。
十歌もまた、言いよどむ眠兎に、何か違和感を感じているようだった。
「なー、もしかしてみんとにも分からないことなのかー?」
「えー……、そうだなー……」
ちらり、と蒼一郎の点滴パックの中身を確認する。不思議な色の液体は、あと少しで四分の一を切るあたりだろうか。
「蒼一郎、もしかして、この後大規先生来る?」
「えっ、……あ、うん。ここに僕がいることは伝えてあるから、もうすぐ来ると思うよ。先生が忘れてなければだけど」
蒼一郎も点滴パックを見上げる。
(……ま、最近大人しくしてた分、少しは暇つぶしに役立ってもらおう)
心の中で舌を出し、眠兎はにっこり笑う。
「じゃあさ、先生に聞いてみようよ。どうして男と女が存在するんですか? って」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
INNER NAUTS(インナーノーツ) 〜精神と異界の航海者〜
SunYoh
SF
ーー22世紀半ばーー
魂の源とされる精神世界「インナースペース」……その次元から無尽蔵のエネルギーを得ることを可能にした代償に、さまざまな災害や心身への未知の脅威が発生していた。
「インナーノーツ」は、時空を超越する船<アマテラス>を駆り、脅威の解消に「インナースペース」へ挑む。
<第一章 「誘い」>
粗筋
余剰次元活動艇<アマテラス>の最終試験となった有人起動試験は、原因不明のトラブルに見舞われ、中断を余儀なくされたが、同じ頃、「インナーノーツ」が所属する研究機関で保護していた少女「亜夢」にもまた異変が起こっていた……5年もの間、眠り続けていた彼女の深層無意識の中で何かが目覚めようとしている。
「インナースペース」のエネルギーを解放する特異な能力を秘めた亜夢の目覚めは、即ち、「インナースペース」のみならず、物質世界である「現象界(この世)」にも甚大な被害をもたらす可能性がある。
ーー亜夢が目覚める前に、この脅威を解消するーー
「インナーノーツ」は、この使命を胸に<アマテラス>を駆り、未知なる世界「インナースペース」へと旅立つ!
そこで彼らを待ち受けていたものとは……
※この物語はフィクションです。実際の国や団体などとは関係ありません。
※SFジャンルですが殆ど空想科学です。
※セルフレイティングに関して、若干抵触する可能性がある表現が含まれます。
※「小説家になろう」、「ノベルアップ+」でも連載中
※スピリチュアル系の内容を含みますが、特定の宗教団体等とは一切関係無く、布教、勧誘等を目的とした作品ではありません。
化想操術師の日常
茶野森かのこ
キャラ文芸
たった一つの線で、世界が変わる。
化想操術師という仕事がある。
一般的には知られていないが、化想は誰にでも起きる可能性のある現象で、悲しみや苦しみが心に抱えきれなくなった時、人は無意識の内に化想と呼ばれるものを体の外に生み出してしまう。それは、空間や物や生き物と、その人の心を占めるものである為、様々だ。
化想操術師とは、頭の中に思い描いたものを、その指先を通して、現実に生み出す事が出来る力を持つ人達の事。本来なら無意識でしか出せない化想を、意識的に操る事が出来た。
クズミ化想社は、そんな化想に苦しむ人々に寄り添い、救う仕事をしている。
社長である九頭見志乃歩は、自身も化想を扱いながら、化想患者限定でカウンセラーをしている。
社員は自身を含めて四名。
九頭見野雪という少年は、化想を生み出す能力に長けていた。志乃歩の養子に入っている。
常に無表情であるが、それは感情を失わせるような過去があったからだ。それでも、志乃歩との出会いによって、その心はいつも誰かに寄り添おうとしている、優しい少年だ。
他に、志乃歩の秘書でもある黒兎、口は悪いが料理の腕前はピカイチの姫子、野雪が生み出した巨大な犬の化想のシロ。彼らは、山の中にある洋館で、賑やかに共同生活を送っていた。
その洋館に、新たな住人が加わった。
記憶を失った少女、たま子。化想が扱える彼女は、記憶が戻るまでの間、野雪達と共に過ごす事となった。
だが、記憶を失くしたたま子には、ある目的があった。
たま子はクズミ化想社の一人として、志乃歩や野雪と共に、化想を出してしまった人々の様々な思いに触れていく。
壊れた友情で海に閉じこもる少年、自分への後悔に復讐に走る女性、絵を描く度に化想を出してしまう少年。
化想操術の古い歴史を持つ、阿木之亥という家の人々、重ねた野雪の過去、初めて出来た好きなもの、焦がれた自由、犠牲にしても守らなきゃいけないもの。
野雪とたま子、化想を取り巻く彼らのお話です。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
日給二万円の週末魔法少女 ~夏木聖那と三人の少女~
海獺屋ぼの
ライト文芸
ある日、女子校に通う夏木聖那は『魔法少女募集』という奇妙な求人広告を見つけた。
そして彼女はその求人の日当二万円という金額に目がくらんで週末限定の『魔法少女』をすることを決意する。
そんな普通の女子高生が魔法少女のアルバイトを通して大人へと成長していく物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
百合系サキュバス達に一目惚れされた
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる