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1R 首席挨拶を辞退
しおりを挟むR-1 昭洋大学入学
R-2 首席挨拶を辞退 入学式欠席
R-3 副学長と喧嘩 首席の仕事を強要
R-4 初めての講義
R-5 学生代表組織 委員を辞退で喧嘩
R-6 学生と喧嘩 学生組織に協力要請される
R-1 昭洋大学入学
山賀賀生は、今日から大学生になる。その大学の名は昭洋大学と言う。
大学の合格発表から、しばらくして、その大学から封書が届いた。
その封書は、机の上に置かれたまま、忘れられていた。
封書が届いてから一週間後、大学事務局から電話が掛かった。
「もしもし、昭洋大学ですが、賀生さんは、いらっしゃいますか?」
「はい、賀生ですが?」
ちょうど、賀生が留守番をしていた時に、電話が掛かった。
「居られましたか? 賀生さんは入学試験の結果、新入生の首席になられました。そこで、入学式の挨拶を、お願いしたいと思いまして。」
「えっ、挨拶ですか? 困りましたね、挨拶はしたいのですが、その日は用事が有って、欠席の予定をしています。次席の方にでも、お願い出来ませんか?」
「絶対に外せないですか?」
「無理だと思います、約束をしてしまいましたので。誰か外の人に頼んで下さい。」
「そうですか? 学長に話してみます。」
事務局の職員は、すぐに学長に事情を説明した。
「そう言う事なのですが、対応をお願いします。」
「当校が始まって以来、そんな事は聞いた事が無いぞ。」
「本人の都合が悪いのなら、どうしようも有りませんが?」
「本当に都合が悪いのか? 嘘じゃ無いのか?」
「嘘では無いでしょう。これは名誉な事ですから、嘘は言わないでしょう。」
「やむを得ない。次席の子でも良いから手配を頼む。」
「分かりました。急いで手配します。」
その後、二時間程して、瞳からも電話が有った。
「もしもし山賀さん、暇してる?」
「大丈夫だよ、今は暇だよ。まだ家に居るけど。」
「例の所に居るから。」
「分かった。十五分程で行ける。」
「先に行ってる。」
受験も終って居るので、瞳も暇をしていたらしい。賀生は、相変わらず、プログラムの勉強である。
「待たせた。今日はどうしたの?」
「道場へ行ってたけど、久し振りだから、体を壊しそうで。」
「程々にしときなよ。急にやると故障するよ。体の方が大事だよ。」
「山賀さんは何をしてたの? 相変わらず読書?」
「今日は、プログラムの勉強をね?」
R-2 首席挨拶を辞退
「 そうだ、昭洋の事務局から電話が有った。」
「今頃、何の電話なの?」
「入学式の挨拶をしてくれってね。断って置いたけど。」
「何で断るのよ。名誉な事でしょう?」
「嫌だよ面倒臭い。用事が有る事にした。」
賀生は目立つ事を嫌う。こんな行事は元からやる気は無い。こんな事で顔を売っては、後がうるさい。
「と言う事は、山賀さんが一番だった訳なのよね?」
「さあ、首席とか何とか言っていた様な?」
「挨拶をしろと言うのなら、当然そうなるわよ。」
「いずれにしても、挨拶なんか御免だよ。これは内緒ね?」
「分かった。そうだ、英子もこの大学に来てるよ。確か経営学部。」
「経営学部だったら、この文学部より難しそうだな?」
「山賀さんは、それも飛び越して一番だよ。文学部では、今迄無かったと思うよ。」
しばらく、こんな話しをして、瞳は帰っていった。賀生は、瞳と離れない為に、同じ大学に入学した。
あれだけ、プログラムを勉強しているのだから、理工学部に行くと思うのだが、何故か文学部に来てしまった。二日後、瞳と英子が喫茶店で話していた。
「山賀さん、式辞に選ばれたのなら、新入生で一番と言う事だよね?」
「そう言う事になるね?」
「だけど、普通は入学式の挨拶は断わらないよね?」
「面倒臭いんだそうよ。」
「そうだった。山賀さんは、そう言うのは駄目だったね?」
「屁理屈なら、幾らでも喋れるくせにね? 目立ちたく無いのよ。」
「そうだよね、あまり顔を出したがらないわね?」
「中学の時にやった、ネットの IQ は、あながち嘘では無いと言う事か?」
「幾らぐらいだったの?」
「ネットでは150ぐらいだったけど、医療機関では、160ぐらいだったって。」
「凄い、天才だね!」
「本当だね。やっぱり解らん奴だわ。」
いよいよ、入学式の当日である。賀生は、もちろん親を呼ばなかった。
大学生にもなって、親の付き添い等は、要らないと言うのだ。
それでも、一人の学生に、五人もの家族が来ている家も有った。
これは、色々と考え方に相違が有り、どちらが良いとも断定は出来ない。
「やれやれ、挨拶を断ったのは正解だったな? 」
と賀生は、ひとりごちた。
今日から正式の大学生である。高校の時より暇が有りそうだから、ブログラムも進むだろう。 賀生は、式の日は顔を出したが、それから、三日間は講義を休んだ。
「山賀さん、何故三日も休んだのよ。」
「落ち着いてからと思って。」
「確かにね? 同じ高校の子に、詰問してた子もいたね?」
「そんな情報は、流れていない筈だよ? 何処の高校だなんてのは。」
「学長室から、成績上位の学生達に、漏らして居るらしいのよ。」
「余計な事をする奴が、何処にも居るな?」
「そうだね、成績優秀者が、何人か集められていたからね。」
「そんな事も有ろうかと、三日間休んだんだけど、正解だったな? 何かの役を、押し付けられる処だった。悪いけど、もう一週間休むわ。」
「講義が始まるよ。」
「いいよ、講義ぐらい。講義が終わったら、又電話して。」
「分かった。」
明日は学校へ行って見ようか? もう落ち着いているだろう。
「瞳、もう落ち着いたかな? 明日ぐらいから行こうと思うんだけど。」
「大丈夫じゃない? 初めは英子の方にも、色々と聞いていたらしいけどね?」
「じゃ、そーっと行くわ。それで様子を見る。」
次の日賀生は、昭洋大学の講義に出席した。
「瞳、何処に居る?」
「山賀さん、待っていたのよ。真ん中の右寄りの席。手を上げるからね。」
「あ、分かった。近くへ行く。」
「休みが長かったわね?」
「うっかり出てくるとヤバいと思って。高校の時は、えらい目に会った。」
「明日からは、大学に出て来るの?」
「用事の無い時は、出来るだけ顔を出す。出席だけはして置かないとな。」
「そのうち役職者に捉まるわよ。首席を、放置はして置かないと思うよ。」
「そうだな? 何とか逃げる方法を考えよう。」
R-3 副学長と喧嘩
次の日、賀生が登校すると、マイクロホンが、がなり立てていた。
「一期生の山賀賀生さん、居られましたら、学長室迄おいで下さい。」
「山賀さん、学長室迄おいで下さい。」
しようが無いか、いずれ捉まるか? 面倒な事だ。賀生は覚悟を決めた。
「山賀ですが、呼びましたか?」
賀生が、学長室を訪れると、副学長が待っていた。
「来たか? 入ってくれ。君に頼みたい事が有るんだが、引受けてくれるか?」
「何をでしょうか?」
「大学の事を、色々頼みたいのだが?」
「事に依ります。家の用事と、ぶっから無ければ大丈夫ですが?」
「こちらの用事を、優先して貰いたいんだが?」
「それは無理だと思います。家の用事が大事なので。」
「成績の優秀な者には、色々と頼んでいるのだが?」
「そうですか? それじゃ、講義もまともに受けられませんね?」
「単位は与えるから、大丈夫だ。」
「単位だけ貰っても、役に立ちません。誰か他の人に頼んで下さい。僕は勉強がしたいので。」
「名誉な事なんだが?」
「名誉で知識は身に付きません。僕は勉強がしたいのです。」
「そうか、それでは仕方がない。しかし、卒業には相当不利になるぞ。」
「なるほど。脅しですか?」
「そう取って貰っても良い。」
賀生は、ポケットの中で、携帯のボタンを押した。ネットに保存完了である。
「今の会話は、ネットに保存しました。それでは失礼します。」
「ちょっと待て。ネットに保存って何だ。」
「その儘の意味ですよ。ネットに、いつでも流せます。」
「何を勝手に録音を取るんだ。警察に言うぞ。」
「構わないですよ。ネットに流れますよ。」
「わしを脅迫する気か?」
「とんでもない。事実を流すだけですから。」
「出ていけ。もうお前には頼まん。」
「今は止めておきますが、音声は何十箇所かに、保存されていますので。」
言うだけ言って、賀生は学長室を後にした。
「もう、あいつに手を出すな、万が一と言う事も有る。」
「分かりました。しかし、面白い学生が居るわね? 覚えて置こう。」
副学長も、これ以上は何もやらない筈だが、一応報復の用意はして置こう。
とんだ一日になってしまった。これだから、賀生は権威を好かない。
R-4 初めての講義
その日は、気分が悪くなったので、そのまま大学を離れた。
今日は、古本屋にでも行こう。本も切れているし、楽しい本を探して見よう。
そう考えた賀生は、いつもの駅で降りた。そして、古本屋の方に向かう。
「山賀さん、何処にいるの?」
突然、瞳から電話が掛かった。
「古本屋に行く途中だけど。」
「何故、そんな所に居るのよ?」
「副学長と揉めて、気分が悪いので帰ってきた。面白い本でも探そうと思って。」
「私も帰るから、いつもの喫茶店に居てよ。」
「分かった。お茶を飲んでる。」
瞳も、まだ講義は残っている筈だが、賀生の事が気になったらしい。
それから三十分程して、瞳が現れた。
「お待たせ。山賀さん、まだ講義が有ったのに。」
「気分が悪いから、帰って来た。」
賀生は瞳に、学長室での、やり取りを説明した。
「どっちも、言う事が無茶苦茶だね?」
「脅されたので、脅し返しただけだ。」
入学そうそう、鬱陶しい事だ。卒業まで前途多難だ。
「それで、明日は講義に出るの?」
「出るよ。空いている日は、出来るだけ講義は聞く。」
山賀賀生は、明くる日も講義に出た。内容は面白くも無かったが、一応聞いていた。
「山賀さん来てる?」
瞳からの電話だ。
「来てるよ。後ろの方に居る。手を挙げるから。」
「見えた。そっちへ行く。」
「分かった。」
「こんな所に居たのか? 昨日の今日だから、休んでいるかと思った。」
「講義に出てても、プログラムは書ける。単位も稼げるし。」
「山賀さん、昨日の事が噂になってるよ。」
「誰が言ったんだろう? 学長室しか分からん話しだけど。事務員かな?」
「副学長本人が、学生代表組織に言って、それが漏れたんだと思う。」
「実害が無いうちは、放って置こう。」
「そうだね。」
講義が始まったので、二人はしばらく、大人しく講義を聞いていた。
賀生は、その講義に関心が無かったのか、プログラムを書き初めた。
瞳は、大人しく講義に耳を傾けていた。賀生は、講義が終ってもプログラムを書いている。瞳は、それを眺めていたが、しばらくして声を掛けた。
「山賀さん、講義は終ったよ。まだやるの?」
「あ、終わったか? 気が付かなかった。今日の講義は、これで終わりだったな?」
「そうだよ。そろそろ帰ろうよ。」
R-5 学生代表組織
その時、二人の前に人影が立った。
「話中に邪魔するけど、山賀君だね?」
「え、気が付かなかった。そうですが?」
「学生代表の橋口と言います。」
賀生は、黙って聞いている。相手は中々話しを進めない。
「話しが無いのなら、失礼します。」
賀生は、立ち上がって出口へ向かった。それを見て、慌てて相手は口を開いた。
「私は学生代表なんだが?」
代表が、どうしたんだろう? 橋口が用事を言わないので、賀生は無視をした。
「さて、何時の電車に間に合うかな? 少し急ごう。瞳行くよ。」
「橋口さん、あんな言い方をしても無駄ですよ。」
賀生は、さっさと出口へ向かった。瞳も慌てて後を追った。
「何なんだ、あいつは? 失礼な奴だ。」
「何でしょうね? 話は聞いている筈なのに。」
一緒に来ていた、女子学生が言っている。おそらく二人は、副学長から話しが通っていると思っている。まさか、喧嘩別れとは思っていなかった。
瞳と賀生は、いつもの駅で降りて、相変わらず、例の喫茶店でお茶を飲んでいる。
「山賀さん、あれでいいの? 橋口さん怒っていたわよ。」
「用事を言わないんだもの。学生代表だとだけしか言わない、全く失礼な奴だ。」
「山賀さんが、副学長に聞いてると思ったのね? 喧嘩別れとは思えないのよ。」
「そう言えば、PC 出版にも、あんな奴が居たな?」
「その人は、どうなったの?」
「電話を切ってしまった。後で担当が代わった。権威を傘に着る奴は好かない。」
「そんな人は、どこにでも居るようね?」
一時間ほど雑談をして、瞳は帰っていった。賀生は、再び古本屋に足を向けた。
さて、明日も講義に出よう。また絡んで来なければ良いのだが?
賀生は高校でも、授業はまともに聞かなかったが、学校の雰囲気は好きで有った。
今の大学でも、学生の中に居るのは嫌いでは無い。
ただ賀生の場合は、じゃ孤独は嫌いか? と問われても、ハイとは言えない。
孤独な時間も又好きであるし、必要でも有った。
読書をしたり、プログラムを組むのには、一人でしか出来ない。
賀生は次の日、講義中に、相変わらずプログラムを書いている。
休憩時間になっても、そのまま続けていたが、一人の女子学生が現れた。
「山賀さんですか? 私は学生副代表の山口と申します。」
「はい、何か?」
「副学長から何も聞いてませんか?」
「聞いてないよ。」
「副学長は、話して置くって、言ってましたが?」
「副学長の話しは聞く前に潰れたよ。家の用事も出来ないし、講義も聞けないと言うので断ったから。」
「単位は、くれるんじゃ無いんですか?」
「単位を貰っても、講義が聞けないのなら、大学に居る意味は無い。それでは、家に居る方がましだ。」
「なる程、理屈は分かるんですけどね?」
「あまり面倒臭くなれば、大学をやめるけど。」
「そうなんですか、せっかく入れたのに?」
「仕方が無いよ。それでは大学に居る意味が無い。しかし、会話は記録しているので、ネットに流すかも知れない。 副学長に脅迫された部分も有るしね。 」
「副学長が脅迫ですか?」
「そうだよ。ところで、君は何の為に来たの? 僕一人ぐらい抜けたって、何の影響も無いと思うんだけど。 人手不足なの?」
「分かりました。今日は引きます。」
入学早々鬱陶しい事だ。それにしても、何をやらそうと、しているんだろう?
「山賀さん、来てる?」
「来てるよ。ここ。」
瞳の電話に、賀生は右手を上げた。
「見えた、そこへ行く」
まもなく講義が始まり、二人は大人しく講義を聞いていた。
「さて、終わった。帰ろうか?」
R-6 学生と喧嘩
二人は大学を出て駅へ向った。中程迄来たところに、学生が数人現れた。
「山賀君だな? ちょっと、こっちへ来てくれ。」
「いいですけど、何か用事ですか?」
瞳と賀生は、大人しく彼等に付いて行った。少し入った路地で、彼等は足を止めた。
「君は何故、代表組織に入らないのだ?」
「まだ、誘われた事は無いんだけど。」
「副学長が勧めただろうが?」
「副学長とは、喧嘩になってしまったからね、何も聞いてないよ。」
「副学長と喧嘩って、お前は何を考えている?」
「講義が、聞けない時も有るって言うから、断っただけだ。」
「お前は生意気なんだよ。素直に代表組織に入れ。」
「御免こうむるよ。面倒くさい。」
「まだ言うか?」
賀生は、逃げる振りをして後ろへ下がり、右手を上げ壁をさぐる。
賀生の前に居た男が、突然胸ぐらを掴み、賀生の体を吊り上げた。えらい力だ。
しようが無いか? 今迄賀生は、力を制限してきたが、相手が武道をやってる場合は、幾らか開放しなければ、逃げ切れない。
賀生は、吊り下げられた儘、右足で股間を蹴り上げる。相手は、左手でそれを防ぐ。その瞬間左足を、みぞおちに突き入れた。
相手は、賀生を突き放すしか、逃げようが無い。賀生は、軽く地面に降り立つ。
「凄い力だね? 武道を、こんな事に使っちゃ駄目だよ。」
「女を捕まえろ。」
瞬間、瞳が動いた。瞳を捉えに来た奴は宙を舞う。
別の奴が賀生に向って来る。今度は、どっしりと構えを取り、スキを狙う。
「ええっい。」
突然、そいつは強烈な蹴りを放つ。右の奴の拳も来る。
賀生は、僅かに蹴りを避け、右の奴の拳を掴む。その拳を逆手に捻り軸足を払う。
「ぎゃっ。」
後へ回り込んで来た奴に、後蹴りを喰らわし、前の奴と対峙する。
「いやっー。」
正面の奴から、強烈な回し蹴りが放たれた。それを踏み込んで勢いを殺し、顎に右拳を突き刺す。
「ぐっ。」
「こんな所で騒いでは駄目だって。警察が来るよ。」
奴等は、慌てて路地裏に消えた。
「山賀さん、何故力を抑えたの? やれたでしょう?」
「なめて掛かってくれるので、後が楽だよ。怪我もさせられないし。」
「なる程。それも言えるわね?」
「それより、ここを離れよう。」
「そうだったわね?」
二人は、急いでそこを離れた。万が一警官が来ると鬱陶しい。
二人は、直ぐに電車で移動する。そして、いつもの喫茶店に寄った。
「あの地域では、あまり騒げないよ。」
「そうだね? 大学側の言い分が、通りそうだね?」
賀生は、蝉ぐらいの、物体を見せた。
「今日も、このカメラを付けて置いた。裏側に粘着剤が付いている。」
「前に、加工って言ってたけど、そんな物、さわれるの?」
「多少はね、中学の時からさわっている。 僕の得意分野だよ。」
「そうだったわね? 何年も前だから忘れてた。」
入学早々、うっとうしい事だ。賀生には、この手の騒動が付いて回る。
常識的な行動が少ないからだ。どうにも、他人に合わせられない性格である。
お陰で、余計な情報保護装置が必要になる。
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