180 / 190
最後のステラ
16 敗者の末路
しおりを挟む
※ 青年×青年です。ショタ受けでもショタ攻めでもありません。ショタ以外を読むと具合悪くなる方は飛ばしてください。飛ばしても大丈夫なようになっております。
🌙
陽光知らずの森。ブリザードですら平然としているモンスターたちが凍っている。
あきらかな異常気象だが、それを引き起こした張本人は両手を縛り上げられ、木から吊り下げられている。足はつくが、自力で立つ体力が残っていない。皮膚も燕尾服もボロボロで、金薔薇の刺繍が赤薔薇になるほど血が滲んでいた。
顎を掴まれると、噛みつくように唇を奪われる。
「んっ……く」
指に力を入れ、口を閉じられないようにされると、分厚い舌が流水の勢いで入り込んでくる。その時、ぬるりと何かが喉を通った。
「ふっ、ん……」
口内を舐め回され、舌を舌でからめとられる。足に力が入らないため、どんどん手首に体重がかかっていく。ただの紐ならいくらでも引き千切れたが、手首を縛っているのはシャドーリスの水だ。
「こら。しっかり立て」
腰に手を回し、弟分の身体を支えてやる。
「そんなに気持ちがいいか?」
手首の痛みは緩和したが、感謝の言葉など出るはずもない。
「いえ……。乱暴すぎてキスとは言えないです。獣ですか、貴方は」
「手厳しいな! だが気の強い奴は好きだぞ」
シャドーの爪がコツコツとモノクルを叩く。
「これ邪魔だな! なんでカリス殿のように腕輪にしなかったのだ?」
「……似合いませんか?」
「ははは! 可愛い奴」
はぐらかされても怒り出さないあたり、そこまで気になっていなかったのだろう。モノクルに当たるのも構わず、唇を唇に重ねる。
「んん」
「敗者は惨めだな。ん? そう思わないか?」
「あっ!」
ビクッとキャットの身体が反応する。何かが直に肌を撫でたのだ。
(これは……)
シャドーの水だ。スライムのように動き、服の中を這いずっている。
――戦いでは使わなかったのに、こんなところで!
「んっ、ン!」
ぷるぷるとした水が服の中を動き回る。それは複数の指のようなので、くすぐったい。
「はぁ……ぁ」
「色っぽい顔が出来るようになったな。見てて愉快だぞ!」
「んンッ」
両手を縛られ腰を抱かれているせいで、満足に身を捩ることも出来ない。次第に水指の数は増えていき、声を押さえるのが困難となる。
全身が粟立つ。
「あ、あ……あぁ」
腕が振るえるが、紐は千切れない。
水指が内またをくすぐり出す。足を閉じようとしたがシャドーリスの足がねじ込まれた。
シャドーの太ももでぐっと股間を押し上げられ、ゾクッと腰が甘く痺れる。
「あ……。おやめ、ください」
顔を見られたくなくて項垂れながら頼むも、即座に顎を掴まれ顔を持ち上げられる。
「っ」
シャドーは何か言うでもなく、口角を上げた顔で眺めてくる。かなり密着しているので顔が熱くなった。顔を背けたいのに手を離してはくれない。
「ひ! ぁ……」
水が胸に吸いついた。ぴりっと痛みが走る。反射的に腰を引くが腕があるので動かせない。
「あ、いや……。嫌だ……」
「んー? 胸が気持ちいいのか? そうかそうか」
指の腹で胸の突起に小さな円を描かれる。右胸はツンツンとつつかれ、ビクッビクッと小さく跳ねてしまう。
おかしい。約一名を除いて、少し触られただけでこんなに反応はしないはず。
「なにか……しましたか?」
シャドーが髪を撫でてくる。
「媚薬だ。この前、医学部の者にぽんっともらってな」
先ほど喉を通過したのは、それか。
「とりあえず医学部は今度潰すとしまして……。媚薬に頼らないと、自信ないのですか?」
「使えば気持ち良くなって楽しめるぞ! 媚薬は悪いものではない」
そういう意味じゃないです。挑発に乗ってこないな。この御方。
満面の笑みで尻を鷲掴んできた。
「いっ」
もみもみと揉まれる。
「やめてくださ……。あ、はぁ……」
胸をきゅっと摘まれ、もう片方は軽く引っ張られる。それ以外にもお腹を水指がくすぐり、身体に熱が籠っていく。何とか逃れようと、腰をくねくねと動かそうとする。
「んく、はあ、あ……。シャドー……うあ」
薬のせいか、もう軽くイってしまいそうになる。
だが水がペニスの根元にキュッと巻き付いた。たまらず叫んでしまう。
「――ああッ!」
「いい声だな! これでイけなくなっただろう。まだまだ、楽しもうな?」
「いや……です」
声が震えていた。寒いからではない。吐息に熱が混じっている。
胸を弄られ、全身をくすぐられその様子を観察される。
「ッ、見ないで、ください」
「いやいや! ここで別のものを見ていたら勿体ないだろう」
強引に唇を奪われる。シャドーリスのことは嫌いではないが、恋愛感情とは全く違う「好ましい」なので、鳥肌が立ってしまう。
「ひぃっ!」
ゆるりとペニスの先端を撫でられる。水は自由に形を変えると、なんと尿道から中に侵入してきたのである。
「な、なに……ッ⁉」
戦士とはいえ男の弱点だ。流石に動揺を露わにするが半笑いのシャドーリスに宥められる。
「落ち着け。水だ。痛い思いはさせない。じっとしていれば気持ち良くなる!」
「……う」
そう言われても素直に怖い。しかし頭の隅では「拷問に使えそうだな」と考えがあった。
水は連なる玉。数珠のような形になり、ナカを上下に擦り始めた。
ビリビリビリと、感じたことのない刺激が脳に走る。
「う、ああ! やめっ! ~~~ッ、あ、ああ! ひゃあ……ああッああ、ああーーー!」
たまらず目を見開いた。
小刻みに震えるのが止まらない。気持ちいいのかなんなのか分からず、頭が真っ白になる。
コリコリと内壁を擦りながら、水は奥へと進んでいく。
「あ、あ……。いや。シャドーリス……さま。アッ。ああ。ああ!」
奥に、奥へと数珠水は進む。
「か、あ。んうう! も、ひあああ、あああ! やめ、アアッ」
意識を飛ばしてしまいたいほどだが、時折思い出したように腹をくすぐられ、ビクッと現実に引き戻される。
「いやあ! ああ、も、もう……」
舌を出して喘ぐキャットに、にんまりと笑う。
「なんだ。誘うのが上手くなったか? そうか。後ろも同じようにしてほしいか」
恐ろしいことを言われたが首を振ることも出来ない。
「あっ。ああ、いや……」
「お前は女のように喘ぐのだな。可愛くてペットにしたいが……怒るんだろうなぁ。カリス殿」
面倒だと言うように頭部を掻いている。
すると――ぴたっと、すべての水の動きが止まった。だが安堵できない。何か、嫌な予感がするのだ。
今のうちに呼吸を整えようとする。
「どうだ? 気持ちがいいか? 気持ち良いですと言ってみろ」
するりと頬を撫でられる。
そんなこと言ってたまるか。弱々しく首を横に振ると、尿道の数珠水が激しく上下に動き始めた。
「う、うあああああ―――」
意思とは関係なくのけ反ってしまうが、コリコリ、コリコリと速度は弱まらない。一定のリズムで液体以外通ったことのない道を擦り続ける。
「いやぁ! やめてっ、やめ、ああああーーーッ。いや、いやあああ!」
「おおっ。お前がそんな風に叫ぶとはな。酒でも持ってくればよかったか」
兄貴分はのんきに自身の顎を撫でて見学する。
キャットの抵抗に木の方が耐えきれず、ミシミシと裂けてきてしまうがシャドーはまったく気にしていない。
「ん、アアアッ! シャド……ああああ! 止めて、止めてくださ……ッ――ア。もう、ひいい! シャドーリス様アァ!」
あまりの激しい刺激に痙攣が止まらないのに、脳はとろけそうで。
「擦らないで! いやあああッ」
「では素直に言えばよかろう」
突っ立っているのに飽きてきたのか、悲鳴を上げる口を塞ぐ。
「んあっ、んぐ。ふ……ッんんん、んう。んううっ……」
キスされていることにしばらく気づかないほど、脳内は刺激でいっぱいだった。
イきたい。擦られ下半身は熱いほどなのに、根元に巻きついた紐が自由にしてくれない。
「ん……はあ。とめ、止めて!」
紐を外したくて腰が勝手に動いてしまう。あろうことか、兄の股間に擦りつけていた。
「んー? イきたいのか? 今イってしまって大丈夫か? 薬で敏感になっているのに、ここでイってしまうともう、理性を失うぞ?」
「あうっ!」
シャドーが何か言った気がした。その直後、数珠水が少し大きくなったように感じる。
そのせいか余すとこなく、内壁に当たった。
「いや! やめて。シャドーリス……あああっ! おやめくださ……! お願、あ、あああ、ああああ!」
満月の瞳に涙が滲む。
―ー変になってしまう!
気恥ずかしさもプライドもかなぐり捨てていた。壊れることを恐れたのだ。
「気持ち……良い。気持ち良いですから! うあああああ! もう、ああああいやだああ!」
「可愛い奴。もっと泣かせたいな」
「止めて! 言ったでしょう! ああああ! 壊れる! んあ、ああああっ」
訴えをシャドーはほぼ聞いていなかった。
もっと泣かせて、すました顔を涙でぐちゃぐちゃにしてやりたい。その後に魔王城の広場にでも設置して、その光景を四天王全員で楽しんでやりたいほどだ。
しかし捕虜でもない上に、キャットは自分より上の立場だ。流石に許されないだろう。……いや、魔王様ならオーケーしてくださる気もする。
「ああ、そうだ。よく言えたな。褒美にイかせてやろうな」
褒めるような口ぶりだが、サメのように獰猛に笑っている。
分厚い燕尾服の上からきゅうっと乳首を摘まれた。途端に電流が走り、絶頂に似た甘い快感が駆け抜ける。
「――――ッ⁉ ―――ッ……アッ……う、ッああぁああ……」
喉の奥から絞り出すような声がする。
イったのだろうか。だがまだきつく根元を縛られたままだ。射精は出来ていない。それなのに。これは、なんだ……?
「は……。う、あ」
ようやく余韻が消える。
水の動きも止まり、キャットは完全に脱力した。疲労感が凄まじく、全身が重い。
「はあ……。う……」
「甘イキしたか? はは! その様子からして……初めてか。射精なしのドライのことだが。気持ち良かったんじゃないか?」
ブツッと手首を縛っていた水が切れ、座り込んだキャットは木の根もとにもたれかかる。
「……」
回復は早いが今は動けない。
ナカにまだ水が残っており、動いていなくても異物があるだけで熱が下がらなかった。しかもこれは兄の操る水。自分ではまず取り出せない。
「さて。どうするか。ごっちん様にあまり虐めるなと言われているからな」
まだ何かされるのかとぼやけた頭で考えるが、シャドーは片膝をついた。
「?」
どうしたのだろうと顔を上げると、吹雪の中、黒髪の少年が突っ立っていた。
「――ごっ」
すぐさま冷気を引っ込める。気温が「上がり」、氷点下まで戻る。シャドーは内心ホッと息を吐いていた。
「ごっちん様」
「すまないが戻ってきてくれ。カリスが若干暴走気味でな。怖いのだ」
さくさくと雪を踏んで近づいてくる。
寒いのか、座り込んだままのキャットに抱きついた。固まっているとはいえ、血で汚れてしまうと言う前に、小さな手が心臓の上を撫でる。
「んっ」
「ずいぶん可愛がってもらったようだな」
「ごっ……ごっちん様?」
顔が赤く染まっていく。まだ私に慣れないのかこの子は。
「何をされたんだ。私に教えてくれないか?」
小悪魔の笑みでとんでもない要求をしてくる。
「へ? ……へ?」
言えと? 自分の口から。シャドーに何をされたかを。愛しい主に?
笑みが引きつり、ぐるぐると目が回っていく。
「お……。お許しを」
「ほほーう。ジュリス! ごっちん様の命令……頼みが聞けないと?」
嬉しそうな笑みでシャドーも混ざってくる。うわああ。貴方様はどっか行け!
「悪い子だな。キャット。まだお仕置きが足りないと見える」
「へ? あ、あ、いえ。あの、その」
「シャドー。続きをしてやるがいい」
キャットは魂が出そうな顔だったが、兄貴分は元気いっぱいに立ち上がるとどんと胸を叩いた。
「はっは! お任せを」
「え、やだ……! ひうっ」
ごっちんにはむっと、耳を甘噛みされる。一気に熱がぶり返した。
「お許しを」
ほぼ涙目だったが、ごっちんは猫のようにぺろぺろと耳を舐めてくる。そして――ちらりとシャドーを横目で見つめた。
「シャドー。ついでだ。(カリスにやられた腹いせに)お前も、可愛がってやろう」
「へ?」
まさかの言葉にシャドーの動きが止まった。仕掛け人からドッキリにかけられる側に回されたような――。
後日。
「息子とシャドーリスのアホに無言で殴られたんだけど。ごっちん様、何か知らない?」
「知らないな」
「そっか。反抗期かぁ?」
🌙
陽光知らずの森。ブリザードですら平然としているモンスターたちが凍っている。
あきらかな異常気象だが、それを引き起こした張本人は両手を縛り上げられ、木から吊り下げられている。足はつくが、自力で立つ体力が残っていない。皮膚も燕尾服もボロボロで、金薔薇の刺繍が赤薔薇になるほど血が滲んでいた。
顎を掴まれると、噛みつくように唇を奪われる。
「んっ……く」
指に力を入れ、口を閉じられないようにされると、分厚い舌が流水の勢いで入り込んでくる。その時、ぬるりと何かが喉を通った。
「ふっ、ん……」
口内を舐め回され、舌を舌でからめとられる。足に力が入らないため、どんどん手首に体重がかかっていく。ただの紐ならいくらでも引き千切れたが、手首を縛っているのはシャドーリスの水だ。
「こら。しっかり立て」
腰に手を回し、弟分の身体を支えてやる。
「そんなに気持ちがいいか?」
手首の痛みは緩和したが、感謝の言葉など出るはずもない。
「いえ……。乱暴すぎてキスとは言えないです。獣ですか、貴方は」
「手厳しいな! だが気の強い奴は好きだぞ」
シャドーの爪がコツコツとモノクルを叩く。
「これ邪魔だな! なんでカリス殿のように腕輪にしなかったのだ?」
「……似合いませんか?」
「ははは! 可愛い奴」
はぐらかされても怒り出さないあたり、そこまで気になっていなかったのだろう。モノクルに当たるのも構わず、唇を唇に重ねる。
「んん」
「敗者は惨めだな。ん? そう思わないか?」
「あっ!」
ビクッとキャットの身体が反応する。何かが直に肌を撫でたのだ。
(これは……)
シャドーの水だ。スライムのように動き、服の中を這いずっている。
――戦いでは使わなかったのに、こんなところで!
「んっ、ン!」
ぷるぷるとした水が服の中を動き回る。それは複数の指のようなので、くすぐったい。
「はぁ……ぁ」
「色っぽい顔が出来るようになったな。見てて愉快だぞ!」
「んンッ」
両手を縛られ腰を抱かれているせいで、満足に身を捩ることも出来ない。次第に水指の数は増えていき、声を押さえるのが困難となる。
全身が粟立つ。
「あ、あ……あぁ」
腕が振るえるが、紐は千切れない。
水指が内またをくすぐり出す。足を閉じようとしたがシャドーリスの足がねじ込まれた。
シャドーの太ももでぐっと股間を押し上げられ、ゾクッと腰が甘く痺れる。
「あ……。おやめ、ください」
顔を見られたくなくて項垂れながら頼むも、即座に顎を掴まれ顔を持ち上げられる。
「っ」
シャドーは何か言うでもなく、口角を上げた顔で眺めてくる。かなり密着しているので顔が熱くなった。顔を背けたいのに手を離してはくれない。
「ひ! ぁ……」
水が胸に吸いついた。ぴりっと痛みが走る。反射的に腰を引くが腕があるので動かせない。
「あ、いや……。嫌だ……」
「んー? 胸が気持ちいいのか? そうかそうか」
指の腹で胸の突起に小さな円を描かれる。右胸はツンツンとつつかれ、ビクッビクッと小さく跳ねてしまう。
おかしい。約一名を除いて、少し触られただけでこんなに反応はしないはず。
「なにか……しましたか?」
シャドーが髪を撫でてくる。
「媚薬だ。この前、医学部の者にぽんっともらってな」
先ほど喉を通過したのは、それか。
「とりあえず医学部は今度潰すとしまして……。媚薬に頼らないと、自信ないのですか?」
「使えば気持ち良くなって楽しめるぞ! 媚薬は悪いものではない」
そういう意味じゃないです。挑発に乗ってこないな。この御方。
満面の笑みで尻を鷲掴んできた。
「いっ」
もみもみと揉まれる。
「やめてくださ……。あ、はぁ……」
胸をきゅっと摘まれ、もう片方は軽く引っ張られる。それ以外にもお腹を水指がくすぐり、身体に熱が籠っていく。何とか逃れようと、腰をくねくねと動かそうとする。
「んく、はあ、あ……。シャドー……うあ」
薬のせいか、もう軽くイってしまいそうになる。
だが水がペニスの根元にキュッと巻き付いた。たまらず叫んでしまう。
「――ああッ!」
「いい声だな! これでイけなくなっただろう。まだまだ、楽しもうな?」
「いや……です」
声が震えていた。寒いからではない。吐息に熱が混じっている。
胸を弄られ、全身をくすぐられその様子を観察される。
「ッ、見ないで、ください」
「いやいや! ここで別のものを見ていたら勿体ないだろう」
強引に唇を奪われる。シャドーリスのことは嫌いではないが、恋愛感情とは全く違う「好ましい」なので、鳥肌が立ってしまう。
「ひぃっ!」
ゆるりとペニスの先端を撫でられる。水は自由に形を変えると、なんと尿道から中に侵入してきたのである。
「な、なに……ッ⁉」
戦士とはいえ男の弱点だ。流石に動揺を露わにするが半笑いのシャドーリスに宥められる。
「落ち着け。水だ。痛い思いはさせない。じっとしていれば気持ち良くなる!」
「……う」
そう言われても素直に怖い。しかし頭の隅では「拷問に使えそうだな」と考えがあった。
水は連なる玉。数珠のような形になり、ナカを上下に擦り始めた。
ビリビリビリと、感じたことのない刺激が脳に走る。
「う、ああ! やめっ! ~~~ッ、あ、ああ! ひゃあ……ああッああ、ああーーー!」
たまらず目を見開いた。
小刻みに震えるのが止まらない。気持ちいいのかなんなのか分からず、頭が真っ白になる。
コリコリと内壁を擦りながら、水は奥へと進んでいく。
「あ、あ……。いや。シャドーリス……さま。アッ。ああ。ああ!」
奥に、奥へと数珠水は進む。
「か、あ。んうう! も、ひあああ、あああ! やめ、アアッ」
意識を飛ばしてしまいたいほどだが、時折思い出したように腹をくすぐられ、ビクッと現実に引き戻される。
「いやあ! ああ、も、もう……」
舌を出して喘ぐキャットに、にんまりと笑う。
「なんだ。誘うのが上手くなったか? そうか。後ろも同じようにしてほしいか」
恐ろしいことを言われたが首を振ることも出来ない。
「あっ。ああ、いや……」
「お前は女のように喘ぐのだな。可愛くてペットにしたいが……怒るんだろうなぁ。カリス殿」
面倒だと言うように頭部を掻いている。
すると――ぴたっと、すべての水の動きが止まった。だが安堵できない。何か、嫌な予感がするのだ。
今のうちに呼吸を整えようとする。
「どうだ? 気持ちがいいか? 気持ち良いですと言ってみろ」
するりと頬を撫でられる。
そんなこと言ってたまるか。弱々しく首を横に振ると、尿道の数珠水が激しく上下に動き始めた。
「う、うあああああ―――」
意思とは関係なくのけ反ってしまうが、コリコリ、コリコリと速度は弱まらない。一定のリズムで液体以外通ったことのない道を擦り続ける。
「いやぁ! やめてっ、やめ、ああああーーーッ。いや、いやあああ!」
「おおっ。お前がそんな風に叫ぶとはな。酒でも持ってくればよかったか」
兄貴分はのんきに自身の顎を撫でて見学する。
キャットの抵抗に木の方が耐えきれず、ミシミシと裂けてきてしまうがシャドーはまったく気にしていない。
「ん、アアアッ! シャド……ああああ! 止めて、止めてくださ……ッ――ア。もう、ひいい! シャドーリス様アァ!」
あまりの激しい刺激に痙攣が止まらないのに、脳はとろけそうで。
「擦らないで! いやあああッ」
「では素直に言えばよかろう」
突っ立っているのに飽きてきたのか、悲鳴を上げる口を塞ぐ。
「んあっ、んぐ。ふ……ッんんん、んう。んううっ……」
キスされていることにしばらく気づかないほど、脳内は刺激でいっぱいだった。
イきたい。擦られ下半身は熱いほどなのに、根元に巻きついた紐が自由にしてくれない。
「ん……はあ。とめ、止めて!」
紐を外したくて腰が勝手に動いてしまう。あろうことか、兄の股間に擦りつけていた。
「んー? イきたいのか? 今イってしまって大丈夫か? 薬で敏感になっているのに、ここでイってしまうともう、理性を失うぞ?」
「あうっ!」
シャドーが何か言った気がした。その直後、数珠水が少し大きくなったように感じる。
そのせいか余すとこなく、内壁に当たった。
「いや! やめて。シャドーリス……あああっ! おやめくださ……! お願、あ、あああ、ああああ!」
満月の瞳に涙が滲む。
―ー変になってしまう!
気恥ずかしさもプライドもかなぐり捨てていた。壊れることを恐れたのだ。
「気持ち……良い。気持ち良いですから! うあああああ! もう、ああああいやだああ!」
「可愛い奴。もっと泣かせたいな」
「止めて! 言ったでしょう! ああああ! 壊れる! んあ、ああああっ」
訴えをシャドーはほぼ聞いていなかった。
もっと泣かせて、すました顔を涙でぐちゃぐちゃにしてやりたい。その後に魔王城の広場にでも設置して、その光景を四天王全員で楽しんでやりたいほどだ。
しかし捕虜でもない上に、キャットは自分より上の立場だ。流石に許されないだろう。……いや、魔王様ならオーケーしてくださる気もする。
「ああ、そうだ。よく言えたな。褒美にイかせてやろうな」
褒めるような口ぶりだが、サメのように獰猛に笑っている。
分厚い燕尾服の上からきゅうっと乳首を摘まれた。途端に電流が走り、絶頂に似た甘い快感が駆け抜ける。
「――――ッ⁉ ―――ッ……アッ……う、ッああぁああ……」
喉の奥から絞り出すような声がする。
イったのだろうか。だがまだきつく根元を縛られたままだ。射精は出来ていない。それなのに。これは、なんだ……?
「は……。う、あ」
ようやく余韻が消える。
水の動きも止まり、キャットは完全に脱力した。疲労感が凄まじく、全身が重い。
「はあ……。う……」
「甘イキしたか? はは! その様子からして……初めてか。射精なしのドライのことだが。気持ち良かったんじゃないか?」
ブツッと手首を縛っていた水が切れ、座り込んだキャットは木の根もとにもたれかかる。
「……」
回復は早いが今は動けない。
ナカにまだ水が残っており、動いていなくても異物があるだけで熱が下がらなかった。しかもこれは兄の操る水。自分ではまず取り出せない。
「さて。どうするか。ごっちん様にあまり虐めるなと言われているからな」
まだ何かされるのかとぼやけた頭で考えるが、シャドーは片膝をついた。
「?」
どうしたのだろうと顔を上げると、吹雪の中、黒髪の少年が突っ立っていた。
「――ごっ」
すぐさま冷気を引っ込める。気温が「上がり」、氷点下まで戻る。シャドーは内心ホッと息を吐いていた。
「ごっちん様」
「すまないが戻ってきてくれ。カリスが若干暴走気味でな。怖いのだ」
さくさくと雪を踏んで近づいてくる。
寒いのか、座り込んだままのキャットに抱きついた。固まっているとはいえ、血で汚れてしまうと言う前に、小さな手が心臓の上を撫でる。
「んっ」
「ずいぶん可愛がってもらったようだな」
「ごっ……ごっちん様?」
顔が赤く染まっていく。まだ私に慣れないのかこの子は。
「何をされたんだ。私に教えてくれないか?」
小悪魔の笑みでとんでもない要求をしてくる。
「へ? ……へ?」
言えと? 自分の口から。シャドーに何をされたかを。愛しい主に?
笑みが引きつり、ぐるぐると目が回っていく。
「お……。お許しを」
「ほほーう。ジュリス! ごっちん様の命令……頼みが聞けないと?」
嬉しそうな笑みでシャドーも混ざってくる。うわああ。貴方様はどっか行け!
「悪い子だな。キャット。まだお仕置きが足りないと見える」
「へ? あ、あ、いえ。あの、その」
「シャドー。続きをしてやるがいい」
キャットは魂が出そうな顔だったが、兄貴分は元気いっぱいに立ち上がるとどんと胸を叩いた。
「はっは! お任せを」
「え、やだ……! ひうっ」
ごっちんにはむっと、耳を甘噛みされる。一気に熱がぶり返した。
「お許しを」
ほぼ涙目だったが、ごっちんは猫のようにぺろぺろと耳を舐めてくる。そして――ちらりとシャドーを横目で見つめた。
「シャドー。ついでだ。(カリスにやられた腹いせに)お前も、可愛がってやろう」
「へ?」
まさかの言葉にシャドーの動きが止まった。仕掛け人からドッキリにかけられる側に回されたような――。
後日。
「息子とシャドーリスのアホに無言で殴られたんだけど。ごっちん様、何か知らない?」
「知らないな」
「そっか。反抗期かぁ?」
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
神官、触手育成の神託を受ける
彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。
(誤字脱字報告不要)
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる