上 下
175 / 182
最後のステラ

11 ナナゴーの活躍

しおりを挟む
※ ショタ受けです。





「カリス」
「なんだよ。俺の時は嫌そうな顔しやがって。味見させろ」
「いじめないで! おれがやるってば」

 とりゃーっと掴みかかるが、ぽいっとムギをパスされ、受け止めたが衝撃で後ろにころころ転がっていく。

「エイオット。ムギ」
「怪我させてねぇって。それより」

 大きな手で顎を掴まれる。

「こっち見ろ」
「う……」

 シーツに押し付けられる。

「なあ。ミカエリス。今どんな気分だ? 悔しいか?」
「え? いや」
「……」

 元右腕は顔を近づけてくる。

「こんな目に合っているのにか?」

 乳首を立たせようと、薄い胸を揉んでくる。声が出そうになり、手の甲を口に押し当てた。

「声我慢するな。聞かせろ」
「……う、だが……んっ、んく。ああ……」
「正直に言えよ」
「私は……ぁ、はあ……お前たちを、愛している」

 カリスはため息を落とす。

「そうだよな。目をえぐり取られても、お前はちっとも怒らなかった」

 大きな手で小さな身体を執拗に揉んでいると、乳首が主張してくる。

「おっ。いいねぇ。やっと尖ってきたか?」
「アアッ! カリス。ああっ。そこ、あ、触……」
「何? 触ってほしいって?」

 きゅっと乳首を摘んで、軽く引っ張る。十歳児の口から甘い声が出る。

「ひあ。や、ああぁ、ああ。いや、いやあ」

 じたばた足を上下させるが、それで上のおじさんを蹴とばせるわけでもない。

 転がって行ったはずのチビ二名が服を引っ張ってきた。

「嫌がってるでしょー? 離してあげてねっ?」
「ごっちん様をいじめたら、駄目です」

 二人とも真剣な表情だが、勝負にすらなっていない。

「あー、お前らか。ちょっと待ってろ。まだ舐めてないんだ」

 そろ~りと近づいていた双子に向かって二人を投げ、小粒の乳首に舌を這わす。

「っ、ああ……」
「確かにうっすら甘いな。胸でも感じるんだな。違う肉体になったからか? それとも、元からかな?」
「喋るな……ひうっ」

 歯が当たり、ぴくんと跳ねる。

「答えろって。どっちだったんだ?」
「はうっ! あう、ああ、ああ」
「ほーう? 答えない気か?」
「ちが、ああ!」

 もう片方の乳首をぐっと押され、腰が浮いた。

「どうした? 言わないのか? ちび共にイタズラしてやろうか?」
「ひあ! ああいやぁ。触るな……んう、うう!」

 カリスの表情がニヤつく。話せる状態ではないと分かっていて虐めているのだ。ごっちんは必死に言葉を紡ごうとするが、何か言いかけるたびに強く吸われた。

「ああっああ! ああーっ」

 ビクビクと背中が何度もシーツから離れる。

「へえ? そんな喘ぐってことは気持ちいいんだよなぁ? ミカ」
「ん……。はぁ……ぁ」

 体力もなくすでにぐったりしているごっちんのショーツに手をかける。

「あ……」
「大丈夫大丈夫。無理に穴に挿れようなんて思ってないから」

 するっと下げられる。おちんちんが見えそうになり、ぎゅっとごっちんが目を閉じた瞬間。


 ばんっと扉が開いた。

「ん?」

 カリスがのんきに振り向くと、勢いよく入ってきたのは宙を泳ぐミニ人魚だった。

 出前蕎麦のように、何かを持っている。

「これでも食りゃえええええーーーいっ!」
「は?」

 彼が両手で持っているのは、自身より大きいサイズのお皿。上に何かが乗っている。が、よく見る前に、それをカリスの顔面目掛けてぶん投げた。

 ――パァン!

 パイ投げのようにカリスの顔面に炸裂する。何かが飛び散り、破裂したスライムのようなものが床に散らばる。
 反応したのはエイオットだった。

「あっ! おれが練習で作ったぷいん!」
「「「……」」」

 ごっちんと双子から表情が消えた。ムギはすっと目を逸らす。

「……………………」

 ぐらっとカリスの身体が横に傾くと、ベッドの上に沈んだ。

 チーン、という幻聴が聞こえる。

 カリスを見ながらそろそろと、ごっちんは起き上がる。

「……な、ナナゴー?」
「だめだめ。大きい子が小さい子を虐めたら。母さまに叱られんよ」

 チッチッチッと指を振る鮮やかな人魚。いい仕事したぜと汗が輝いている。いないなと思っていたら、最凶兵器を取りに行ってくれていたのか。粗熱を取るために、厨房の机の上に置いてあったエイオット作ぷいん。シャドーリスでさえ倒したのだ。これ以上の兵器は存在しないだろう。

 エイオットは雑に扱われて頬をぷくうしている。でも「あまりのおいしさに」おじさんが大人しくなってごっちんが助かったので、喜んでいいのか悲しめばいいのか、口をモニョモニョさせている。

 もにょもにょするのでみんなでごっちんの元へ行く。

「ごっちん君。怪我はない?」
「痛い痛い、ですか?」
「やるな! ナナゴー。おめー」
「まあね?」
「ごっちんしゃん。服、どうぞ、でしゅ……」
「みんな、心配をかけた。ファイア。ありがとう」

 ひとりひとり抱きしめてからズボンに足を通す。シャツは、広げてみるもぼろぼろだ。雑巾にするしかないだろう。愛が重いセーターだけ着ておく。

「ありがとう、ナナゴー。プリン重かったんじゃないか? 汗を拭いてやろう」

 ハンカチを持ったごっちんが手招きする。助けてくれたし、仲良くなれるチャンスでは?

 ごっちんはそわそわするも、ナナゴーはぷいっと顔を背けると部屋を出ていく。

「おぐっ」
「……ナナちゃん、ほら、自由だから」
「ごっちん様のことが、嫌いなわけでは、無いと思いますよ?」
「単にごっちんに興味無いだけふがっ」

 結構なダメージを受けているごっちんをなでなでする二人。ムギは脱がされた服を着込めたので、精神が落ち着いたようだ。ファイアは余計なことを言うお口を塞いでいる。

 ごっちんは心の回復のためにエイオットを抱き締める。ふかふかであったかい。その背中にムギがくっついてくる。すべすべであったかい。

 強敵(おっさん)がやられたのでアクアとファイアは窓に貼りつく。

「ジュリスはー? まだ喧嘩してんのか? ごっちんのピンチだったってのに」
「ふー。きっと盛り上がってるんしゅよ……」

 ガラスにこれでもかと頬を押し当てて森の中を探すも、吹き荒れる雪で視界は白にかすみ、獣人の目でも探し当てることは出来なかった。
 ぷいんが飛び散り、甘い香りが漂う室内を振り返る。
 
「……部屋、掃除でもすっか」
「しょだね」

 アクアとファイアはバケツと雑巾を取りに行く。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

アダルトショップでオナホになった俺

ミヒロ
BL
初めて同士の長年の交際をしていた彼氏と喧嘩別れした弘樹。 覚えてしまった快楽に負け、彼女へのプレゼントというていで、と自分を慰める為にアダルトショップに行ったものの。 バイブやローションの品定めしていた弘樹自身が客や後には店員にオナホになる話し。 ※表紙イラスト as-AIart- 様(素敵なイラストありがとうございます!)

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

フルチン魔王と雄っぱい勇者

ミクリ21
BL
フルチンの魔王と、雄っぱいが素晴らしい勇者の話。

ふたなり治験棟

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

できる執事はご主人様とヤれる執事でもある

ミクリ21 (新)
BL
執事×ご主人様。

エルフと悪魔のエロを求めるチンチン道中!

ミクリ21
BL
アホエロです。

女神みたいな美しい兄にめちゃくちゃ欲情する弟

ミクリ21 (新)
BL
弟が兄と致す話。

処理中です...