全種族の男の子、コンプリートを目指す魔女っ娘♂のお話

水無月

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惨劇に挑め

25 みんなでお風呂

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 アゲハとのデート(地獄)から帰宅すると金髪の青年はベッドに倒れ込んだ。

「く、苦しい……。何回吐いたか分からん……」

 いや、デートなので流石に吐きっぱなしは堪えたが、ずっと車酔いに近い状態だった。何をしゃべったのかもあまり覚えてない。アゲハのやつが笑顔だったからもういいや。忘れよう。
 直前にエイオットで癒されていなければ乗り越えられなかった。二十分ほど子どもたちのことを考えていたら元気が出てきたので、風呂場で汗を流そうと部屋を出た。

 えぐい魔力が込められた杖を杖代わりにして歩いていると、エイオットとばったり鉢会う。

「え? あ、ご、ごしゅじんさま!」

 驚いたような表情から一転。輝く笑顔で飛びついてきてくれる。ものすごく助走をつけた飛び込みで、魔女っ娘の姿だったら吹き飛んでいた。

 誰だ。キャットか? またあいつに「主人なら助走つけて抱きついてもいい」と吹き込まれたんか⁉

 聞き出そうとしたがエイオットの高速すりすりが可愛すぎて何を聞こうとしていたのか忘れた。
 テンションが上がっているようで尻尾の上下音がぶわんぶわんと聞いたことのない音になっているし、埃を舞い上げている。
 嬉しそうににこにこ微笑むその姿が可愛くて、立ったまま涙を流した。

「ごしゅじんさま! 約束守ってくれたん……あれ? でもまだ明後日じゃないよ? うふふ。もしかして、一日待てなかったの? おれに会いたかったから? ごしゅじんさまってば。かわいい」

 ムフッと笑うと、つんつんとお腹をつついてくる。こらこらこら。どこで覚えたんだそんな可愛い仕草。あとつつかないで。お腹も弱いから。ウグッてなる。
 やさしく小麦色の髪を撫でる。
 おや、背が伸びたか? いいことだ。いいことなのだが胃の内容物がぐるぐると渦を巻き始めた。早めに切り上げよう。

「うんうん。明日、覚えてるぞ。ちゃんと会いに行くからな? 今はその、お風呂で汗を流したくてね」
「! 背中。背中流してあげるよ!」

 だから部屋に戻っててね? と言う暇もなかった。ふと横を見ると赤いひとつの瞳とばっちり目が合った。オブ! ムギちゃんもおったんか。
 気づかれたと悟ると、おずおずと曲がり角から出てくる。

「あ、あの。あの時の金髪のお兄様ですよね?」
「ひいいいっ」

 待って待って! ムギちゃんは予想してナガッ見ないでくれええええっこんな、こんな。

「うわああああっ!」

 ギュンと走り去る青年に、ムギはぽかんと見送る。彼の潰れた目の上には、ちょっぴり歪んだ薔薇の刺繍入り眼帯が巻かれていた。

「……なにか、失礼をしてしまった、でしょうか?」

 落ち込むムギの肩に、エイオットがぽんと手を乗せる。

「大人ごしゅじんさまはいつもだいたいあんな感じだから、気にしなくていいと思うよ」

 里で会った時はムギちゃん、視界がぼやけるほど衰弱していたし暗かったからまだ余裕あったけど、今は無理あぎゅあがっ明るい。

「はあっはあっ」

 ぱしんと戸を閉める。
 なんとか脱衣所に逃げ込んだ主人だったが……

「あっお前!」
「!」

 口から心臓が出るほど驚いた。泡食って振り返るとアクアとファイアが見上げてい……た……グウッ!

「黒ババアのとこで急に湧いて出た奴じゃん!」
「あ、お……おひさし、ぶりでしゅ」

 ぺこっと頭を下げるファイア。
 ぐらりと視界が揺れ、胸を押さえたままバタンと倒れた。










 目を覚ますとちびっ子ーズが見下ろしている景色だった。可愛すぎて気絶しかけた。

「ハッ!」
「ごしゅじんさま。脱衣所で寝たら踏まれちゃうよ?」

 身を起こすとちびたちがわらっと視界に押し寄せてくる。エイオットとアクアは膝に乗っかってくる。

「きみたち……。体調はもういいのかい?」
「うん」
「もう平気だぜ! つーかそれ、こっちの台詞な」
「元気です。みんなで……かくれんぼして、遊んでました……」
「エイオットさまがみんなを見つける役で。楽しい、ですよ」

 エイオット、アクア、ファイア、ムギがほぼ同時に話す。未成年の声は絶対に拾う耳のおかげで聞き分けることが出来た。

「そ、そう」

 元気そうで何よりだ。この子たちにとってはキッズルームですら狭いようだね。洋館全体を使って遊ぶとは、聞いてるこっちが嬉しくなってくる。
 エイオットが腕にしがみついてきた。

「えへへ。お風呂入るんでしょ? 一緒に入ろ~」

 ……ん? エイオットをやたら見下ろす視点だな。ちびたちのつむじもよく見え……あれ俺今大人の姿じゃね?

 脱衣所の隅っこに飛ぶと、脱いだ服を入れるカゴを頭から被って震える。

「あががあっががががが」

 膝が急に動いたためころんとひっくり返ったアクアをファイアが起こしている。

「何やってんだあいつ」
「カメさんの、マネ……?」

 近づこうとする双子の尻尾の先をわし掴んで止める長男。

「駄目だよ。大人ごしゅじんさまは照れ屋さんなんだから」

 はぁー? っとアクアは眉を曲げる。

「なんだよそれ。だっせぇなー」
「……ぼくも、照れちゃうとき、あるよ?」
「…………別にダサくないけど、大人なんだからしっかりしろよなー」

 エイオットの手を払いカゴ被ってる人に近寄ると、くるりと背を向けぶっとい尾でぽこぽこと背中を叩く。
 アクア流の励ましなのだろうか。あまりの可愛さにギギッ……と振り向いてしまう。顔が勝手に。
 「ああすると元気になるのかな?」と思ったらしいエイオットも同じように尻尾でぽふぽふしてくる。ボリューミーな尻尾。背中に当たるたびにほわっとしてあたたかい。アクアがやっているのでいつの間にかファイアも混ざっている。

「……楽しそうですね」

 ムギだけはスツールに腰掛けて眺めている。
 幸せなだけど、何の時間なんだろうか、これ。一生続けてほしいがお風呂入りたい。

 主人はそろそろと手をあげる。

「あ、あの……。魔女っ娘の姿に戻るから、ちょっと離れてくれる?」
「えー? なんで? そのままでいいじゃん。背中流してあげる」

 エイオットがカゴを没収しようとしてくる。ちょ、タンマタンマ! 取らないで今の俺の命綱。
 双子はすっとやめてくれたが、エイオットが隣にしゃがんでくる。ビクッと肩が跳ねる。

「ごしゅじんさま」
「え? は、はい」
「おれの言うこと聞くんだよね?」

 な、なんだその平坦な声は。

「ぐおっ。そ、そうだね」
「背中流してあげるね?」
「…………」

 汗を流しながら横を見ると、全然笑ってないエイオットの黒い瞳が。
 手を伸ばしたエイオットがそっと大人主人の顎に手を添え、がっちりと目を合わさせてくる。

「…………ッ」
「背中、流して、あげるね?」
「おっす……」

 ま、マジか……。歴代ハーレムっ子たちともこの姿で入浴したことないのに。生きて帰れるか、俺。お、落ち着け! エイオットと二人きりならまだ、やり過ごせるっ!

「じゃあ、俺も入ろー」
「ぼくも……」
「わたしも。エイオットさま。よろしければ……羽を洗ってくれませんか? 自分ではどうも、うまく洗えなくて」
「オッケー」

 ぐっと親指を立てているエイオット。の横で撃沈している主人。を尻目にさっさと服を脱ぎ始める子どもたち。
 デートの疲れを癒すどころじゃないぜハッハッハッ……はぁ。






 流れるミニ滝の前に腰掛け髪を解くと、やる気十分のエイオットがお湯を髪にかけてくれる。

「じゃ、洗ってくね」
「はい……」

 面白そうに思ったのか石鹸を泡立てまくったアクアも混ざり、床についている毛先はファイアが担当してくれる。ムギは冷えないようにとタライにお湯を入れては俺の身体にかけてくれている。なんだこのVIP待遇は。この姿じゃなけりゃ素直に喜べるのだが。
 頭皮を洗うだけで髪は洗わなくても、と言おうとしたが……まあ、楽しそうだから好きにさせよう。

 目を遠くした主人は逆流させないようにと必死だった。
 髪が長いため使用される石鹸の量も増える。そのためぷあぷあとしゃぼんが飛び、天使のように全裸子どもたちがせっせと髪を洗ってくれている。ここが天国か。明日死ぬのかと思うほどの幸運過多。今が現実なのか夢なのか分からず、頬を抓ってみる。いった!

「現実か……」
「何か言った? 大人ごしゅじんさま、痒いとこある?」
「いや。洗うの上手だね、みんな……。とても気持ちが良いよ」

 青い顔で礼を言うとちびっ子たちが珍しそうに見上げてくる。ぐっは可愛いんぐぐ……吐くな俺。
 アクアがぐいぐいと波打つ髪を引っ張る。

「ん?」
「お前、今までどこに居たんだよ。何で顔見せねーんだ? 俺が作ったドームスープ自慢したかったのに!」

 ぺちぺちと地団太を踏む。あ、待って可愛い待って。

「お兄様……。わたしを連れ帰ったのはお兄様ですよね? どうしてあれ以降、声をかけてくださらなかったのですか……?」

 風呂場用の使い捨て眼帯に付け替えたムギが寂しそうな目で顔を覗き込んでくる。見ないでくれえええぇ……

 この子たちの中で『魔女っ娘=大人主人』という図式になっていない! そうだよなぁ。エイオットですらうっすら別人だと思っているみたいだし。どう説明すりゃ伝わるんだ。エイオットには説明したはずだが、そんなに受け入れがたい現象なのか、これ。

 大人の姿を視界に入れないようにしながら、アクアとムギの手に触れる。

「あ……」
「そうか。寂しい思いをさせたみたいですまなかった。でもずっときみたちの側にいたんだよ?」
「うそつけ! どっこにもいなかったぞお前。迷子になってたのか?」
「迷子なの……? 手を繋いで、お部屋に、戻ろ……? ね?」

 姿を見せないせいですげー迷ってる人という認識になっている。ファイアがすごく気を遣ってくる。

「ありがとう。ファイアは優しいね。……いやあの違うからね? 俺だよ俺! あの魔女っ娘が俺なの!」

 「変身した姿なんだ! 魔法で」と説明しながら必死に自身を指差すも、子どもたちの反応はまばらだ。まばらに白けている。

「なに言ってんだおめー。頭打ったのか?」
「お風呂入って……ゆっくち、しよ?」
「あの魔女のお嬢さんの、お兄様、なんですよね?」
「………………」

 エイオットに無言で抱きついた。長男はよしよしと泡まみれの頭を撫でてくれる。

 な、なんで⁉ なんで信じてくれないんだ? 変身魔法なんて、そんな珍しい物じゃないだろうに。

 項垂れているとエイオットとアクアがお湯をかけて髪についた泡を流してくれる。スッキリした。自分で洗わなくていいって、楽だな。
 前は自分で洗い、背中はエイオットが洗ってくれる。小さな手で一生懸命に……くっ、泣きそう。
 その間、ファイアをアクアが洗い、アクアをムギが洗っていた。うおおおお小さい子が一列になって洗いっこしてあげてる……。無形文化遺産だろこれ。

「ムギちゃーん。羽洗うよ」
「あ、はい。お願いします」

 俺の背中を流し終えるとエイオットは黒い羽を洗ってあげる。人ばかり洗っているせいでエイオット自身が洗い終えていない。仕方ないのでエイオットの髪は俺が洗うことにする。

「洗ってくれるの? 大人ごしゅじんさまー。ありがとう」
「いいよ。頑張り屋さんだね。エイオット。素晴らしいよ……」
「えへっ」
「あれ? お前尻尾ないのか?」

 互いに洗い終えたアクアがぴらっと、ムギが腰に巻いているタオルをめくる。おケツを見られたムギちゃんは飛び上がった。

「きゃあっ!」
「ふぶっ」
「わっ」

 咄嗟に広げた翼がエイオットとアクアを殴り飛ばす。『殴ろう』という意志はなかったが翼アタックは結構な威力がある。某ゲームでもつばさでうつが攻撃技だったしな……。
 しゃぼんがバランスボールサイズになり、殴られ倒れかけた子どもたちをぼよんと受け止める。

「わっ」
「いてて……」
「あっごめんなさい!」

 すぐさまムギが二人に駆け寄ると、足元で跪いた。

「ごめんなさい! ごめんなさい」

 濡れた床に額を擦りつけるムギに、エイオットとアクアの方がぽかんとなってしまう。

「……」

 主人は口を出さずに見守る。

「アクア。エイオットお兄さん。だいじょうぶ……?」

 ぺたんと座った体勢のままファイアがつるーっと滑ってくる。ちょ、ケツで移動するな鼻血が‼

 アクアはファイアに頷くと、ムギの赤い髪をぽんぽんする。

「なに蹲ってんだ、おめー」
「ムギちゃん。額がいたいいたいってなるよ」

 肩を掴んで、エイオットが強引に頭を上げさせる。それでもムギは顔を覆い「ごめんなさい」と泣き出してしまう。

「「「……」」」

 どうして泣いているのか分からずに、困ったように顔を見合わせる三人。
 すると、ファイアが何かに気づく。

「これ、なに……?」

 ころころ、と透明の粒が転がってくる。掴んでじっと見つめると丸い宝石のようだった。
 しかしお子様には飴玉に見えたようで、ファイアがあむっと口にする。

「……?」

 口の中でぺろぺろ転がしてみるも、味はしない。

「なんだそれ。うまいのか?」

 ファイアが首を振る。たぷたぷほっぺも同時に揺れる。

「味がしない。石みたい」
「それは食べ物じゃないよ。ぺっしなさい。ファイア」

 主人が言うと、ファイアは素直に手のひらにんぺっと吐き出す。
 エイオットは宝石に目もくれずムギを抱きしめている。

「ムギちゃん? どうしたの? どうして泣いてるの? 言ってくれないと、分かんないよ?」
「……エイオット……さ、ま」

 ぼろぼろと涙を流すムギ。その様子に狸双子も、カンカンッと床に散らばる透明な玉を踏まないように歩き、ムギの頭を撫でる。

「腹痛いのか?」
「お腹、すいたの……?」

 レベルの高いエイオットはともかく、アクアには結構なダメージが入っていると思うが、ちっともムギを責めたり怒ったりしない。辛いことがたくさんあったから、この程度は『辛いこと』に入らないようだ。ファイアが怒るかなと思ったが、故意ではないことは理解しているみたい。


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