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第15話・ターゲットを尾行せよ!④
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「おらぁ!死ねや!!」
血気盛んに飛び掛かって行った生徒の1人のストレートパンチを高間は軽く掌で受け止めるとそのまま相手の勢いを利用して身を屈め足払いを放って地面に転がせ、仰向けになった相手の腹部に容赦ない無理の一撃を食らわせ踏みつける。
「ぐはぁっ!?」
「この!ふざけやがって!!」
すぐさまもう一人の生徒が殴りかかっていくのを、今度は身を屈めて相手の攻撃をかわしてから腹部に強烈な右ストレートの一撃を食らわせる。
「ぐおぁっ…!!」
食らった生徒は、溜まらず腹部を抑えてその場に倒れ込み地面を転がるようにして痛みに悶え苦しむ姿を見せた。
その間にかかった時間は数十秒ほど。
まさしく瞬殺というやつである。
「へえ、なかなかやるじゃないか。あいつ」
「まじで強いな…」
「かなり喧嘩慣れしているようだ。あの者達とつるんでいたというのは嘘ではないようだな」
「面白い。いいな。俺も手合わせしてもらいたくなってきた」
「それはやめておけ。律樹から私闘は厳禁だと言われてるだろ」
「う。そうだった。諦めます」
「ははは、律樹は怒らせると怖いからなぁ」
今までの展開に男達も素手ではかなわないと思ったのか、今度は三人が一斉に鉄パイプを持って襲い掛かっていく。
けれど高間はそれでも焦る様子もなく冷静な眼差しで状況を見定めると、最初に襲っていた生徒の手を思いっきり蹴り上げて鉄パイプを宙に浮かせると、素早くそれをキャッチして自分の物にし、最初の生徒の腹部にそれで一撃を入れて転がせると、素早く頭の上で水平に持ち直してから残り二人の鉄パイプを同時に受け止めてそのまま勢いに任せて押し離し、体勢を崩した生徒達の横っ腹に鉄パイプでの一撃をお見舞いしていく。
その見事な喧嘩っぷりを見ているうちに、先程時雨に止められたばかりだと言うのに俺もうずうずしてきてしまい。
「おおおっ、かっけぇ。本当に強いなあいつ!やっぱり俺も戦いたくなってきた!」
「だから駄目だって言ってるだろ。戦闘狂かお前は。どこかの星から来た戦闘民族か」
「だって、あんな強い奴見たらわくわくするだろ!?戦いたくなるだろ!?」
「いやいや、ならないから!そうなるのはお前か、どこぞのアニメの主人公だけだからな!?」
なんて俺と時雨が漫才めいた掛け合いをしている間にも、高間は着実に生徒達を倒していき、数十人いた生徒達はいつの間にか十人近くまで減っていた。
「…もうこれで終わりっすか?杉原さん」
「チッ…!高間ちゃんさぁ、本当そういうとこ可愛くねぇよなぁ。うちにいた時から目障りで仕方なかったっての」
軽く息は乱しているものの未だ余裕の様子を見せながら言葉を放つ高間に対して、杉原が忌々し気に舌打ちして答える。
残念ではあるが、この調子だと俺が助っ人に入るまでもないななんて安心していたのも束の間。
俺は、杉原と話している高間の背後で何かきらりと光りに反射して光るものを見つける。
よくよく見ると、それは大きなナイフで、鉄パイプでも敵わないと悟った生徒の一人が、それをもって高間の背後に静かに忍び寄っている姿が見られた。
高間の方は杉原達の相手をしていて気が付いてはいない。
「おいおいおい、流石にあれは反則だろ!」
「え?どうしたって、陽斗!?」
時雨が制止する間もなく俺は茂みから飛び出して高間の方へと走って行っていた。
それと同時に背後にいた生徒が。
「調子に乗りやがって!!死ねっ!」
「なっ…!?」
と声を荒げてナイフを両手で持ったまま高間の背後から突進してくる。
杉原達に気がとられていた高間ははっとしてふり返るも、流石に間に合わずナイフが高間の腹に突き刺さるという瞬間。
「あぷねぇ!!」
「っ!?」
叫び声と共に俺は高間との間に割って入り、即座に高間の体を背後に押し飛ばしていた。
高間はそのまま抵抗する間もなく体勢を崩して背後に倒れ込んだことから助かったものの、目標を見失った生徒のナイフの刃先は勢いをなくすことなく割って入った俺の左二の腕の部分を制服事切り裂く事に。
「つぅっ…!!」
「「陽斗!!」」
その光景に俺は痛みに顔を微かに顰め、様子を見守っていた時雨や友成も声を上げる。
突然邪魔が入った事に呆然とする生徒に俺はそのまま容赦なく回し蹴りをお見舞いして地面に転がせると、ナイフを持っている方の手の手首を踏みつけてナイフを手放させると拾い上げてから高間の方へと向き直って声を掛けた。
「おい、大丈夫か!?怪我は!?」
血気盛んに飛び掛かって行った生徒の1人のストレートパンチを高間は軽く掌で受け止めるとそのまま相手の勢いを利用して身を屈め足払いを放って地面に転がせ、仰向けになった相手の腹部に容赦ない無理の一撃を食らわせ踏みつける。
「ぐはぁっ!?」
「この!ふざけやがって!!」
すぐさまもう一人の生徒が殴りかかっていくのを、今度は身を屈めて相手の攻撃をかわしてから腹部に強烈な右ストレートの一撃を食らわせる。
「ぐおぁっ…!!」
食らった生徒は、溜まらず腹部を抑えてその場に倒れ込み地面を転がるようにして痛みに悶え苦しむ姿を見せた。
その間にかかった時間は数十秒ほど。
まさしく瞬殺というやつである。
「へえ、なかなかやるじゃないか。あいつ」
「まじで強いな…」
「かなり喧嘩慣れしているようだ。あの者達とつるんでいたというのは嘘ではないようだな」
「面白い。いいな。俺も手合わせしてもらいたくなってきた」
「それはやめておけ。律樹から私闘は厳禁だと言われてるだろ」
「う。そうだった。諦めます」
「ははは、律樹は怒らせると怖いからなぁ」
今までの展開に男達も素手ではかなわないと思ったのか、今度は三人が一斉に鉄パイプを持って襲い掛かっていく。
けれど高間はそれでも焦る様子もなく冷静な眼差しで状況を見定めると、最初に襲っていた生徒の手を思いっきり蹴り上げて鉄パイプを宙に浮かせると、素早くそれをキャッチして自分の物にし、最初の生徒の腹部にそれで一撃を入れて転がせると、素早く頭の上で水平に持ち直してから残り二人の鉄パイプを同時に受け止めてそのまま勢いに任せて押し離し、体勢を崩した生徒達の横っ腹に鉄パイプでの一撃をお見舞いしていく。
その見事な喧嘩っぷりを見ているうちに、先程時雨に止められたばかりだと言うのに俺もうずうずしてきてしまい。
「おおおっ、かっけぇ。本当に強いなあいつ!やっぱり俺も戦いたくなってきた!」
「だから駄目だって言ってるだろ。戦闘狂かお前は。どこかの星から来た戦闘民族か」
「だって、あんな強い奴見たらわくわくするだろ!?戦いたくなるだろ!?」
「いやいや、ならないから!そうなるのはお前か、どこぞのアニメの主人公だけだからな!?」
なんて俺と時雨が漫才めいた掛け合いをしている間にも、高間は着実に生徒達を倒していき、数十人いた生徒達はいつの間にか十人近くまで減っていた。
「…もうこれで終わりっすか?杉原さん」
「チッ…!高間ちゃんさぁ、本当そういうとこ可愛くねぇよなぁ。うちにいた時から目障りで仕方なかったっての」
軽く息は乱しているものの未だ余裕の様子を見せながら言葉を放つ高間に対して、杉原が忌々し気に舌打ちして答える。
残念ではあるが、この調子だと俺が助っ人に入るまでもないななんて安心していたのも束の間。
俺は、杉原と話している高間の背後で何かきらりと光りに反射して光るものを見つける。
よくよく見ると、それは大きなナイフで、鉄パイプでも敵わないと悟った生徒の一人が、それをもって高間の背後に静かに忍び寄っている姿が見られた。
高間の方は杉原達の相手をしていて気が付いてはいない。
「おいおいおい、流石にあれは反則だろ!」
「え?どうしたって、陽斗!?」
時雨が制止する間もなく俺は茂みから飛び出して高間の方へと走って行っていた。
それと同時に背後にいた生徒が。
「調子に乗りやがって!!死ねっ!」
「なっ…!?」
と声を荒げてナイフを両手で持ったまま高間の背後から突進してくる。
杉原達に気がとられていた高間ははっとしてふり返るも、流石に間に合わずナイフが高間の腹に突き刺さるという瞬間。
「あぷねぇ!!」
「っ!?」
叫び声と共に俺は高間との間に割って入り、即座に高間の体を背後に押し飛ばしていた。
高間はそのまま抵抗する間もなく体勢を崩して背後に倒れ込んだことから助かったものの、目標を見失った生徒のナイフの刃先は勢いをなくすことなく割って入った俺の左二の腕の部分を制服事切り裂く事に。
「つぅっ…!!」
「「陽斗!!」」
その光景に俺は痛みに顔を微かに顰め、様子を見守っていた時雨や友成も声を上げる。
突然邪魔が入った事に呆然とする生徒に俺はそのまま容赦なく回し蹴りをお見舞いして地面に転がせると、ナイフを持っている方の手の手首を踏みつけてナイフを手放させると拾い上げてから高間の方へと向き直って声を掛けた。
「おい、大丈夫か!?怪我は!?」
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