現実の世界

チルカワ桜那

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第一章

仲間のために

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ジンは倒れているユラに近づく。
「だから言ったのに。ぼくとかかるのはやめたほうがいいって。ぼくは大量殺人犯。こんぐらいのことはふつーなのに」
しばらくゆらを見つめ持ち上げ
「まあどっちにしろあたしの体はボロボロと言っても同じだし。」
ジンはゆらに催眠術をつかい1度家に帰り、ユラを送り届けた。
「ん…」
ここは?
目をこすりはっきりしてきた
見慣れた場所だった。
コンコン
「ユラ~」
「お母さん?!」
扉を開けた正体は母親だった。
「私はあの場で倒れて。」
必死であのときの光景を思い出す。
「ええ、ジンが送ってきてくれたわ。んですってね。全部話してくれたわよ。大きくなったわね。立派な大人だわ。」
「ジンが…。」
ユラは飛び起きる。
「え、どうしたのよ?!」
「ねえ、ジンはまだいる?」
「30分前に出てったわよ。」
その言葉を聞いて考えるよりも先に外に出ていた。
「行ってきます!」
「ちょっと待ちなさい!」
ユラはその言葉を聞かずに走る。
いた…!
彼女に抱きつく。
「ユラ?!」
ジンは驚く。
「なんで…。やだよ、行かないでよ!」
ジンがユラを困ったように慰めていると
はっとしたように何かに気づいた。
ジンは咄嗟にゆらを庇いガードする。
「隠れてないで出てこい!ガオ!」
シュタッと降りてきた。
わっ、綺麗な顔とユラは思う。
「へえ、やるじゃん。さすが、ジン。」
ジンの名前を知ってる!?
「そいつを守るのか?」
彼がユラをちらっとみてからジンに試すような視線を送ってくる
「別にどうしようと自分の勝手だろ。」
ふんっと顔をそむける。
同じような過ちしても俺は知らないぞ」
彼がふーんと見つめて納得して
「あの…。さっきのどいうこと?きみは誰?どういうこと?」
戸惑いながらおそるおそる喋りかける。
「紹介遅れてたね。同じ事務所所属のガオ。彼もこう見えてトップクラス」
ガオはジンの言葉にうなずく。
「事情は全部事務所から聞いている。どっちにしろあんたは今ジンと関わったことで狙われてる身になる。」
ガオはユラに向かってはなした。
ピピッ
『プラチナスターズ隊員出動要請!』
「ごめん、行かなきゃ!」
「え、、」
心配そうに見るユラに対しガオはうなずいた
「大丈夫、こう見えてジンは強い!」
まかせたというように去っていった。
去っていったところを見て姿が見えなかったところでガオが口を開いた。
「さっきはすまなかった。戸惑いと色々と驚かせたな。本人の前で他人に言うと彼女が怒るからな。」
と黙ってしまった。
「本当は俺からいうことじゃない。本人からいってほしいが、言わなそうだしでも知ってほしいから俺から言う。」
「え、、」
ユラは警戒と疑いの目線を向けた。
「とにかく味方だから安心しろ。と言っても無理だな。まあそれはいい。ちゃんと聞いてくれるか?」
ジンの話ならと頷いた
「彼女に恋人がいるのは知っているか?」
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