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同姓同名
2015年1月 薬奨ニュースに繋がった。
しおりを挟む[薬学への期待] ・夢追う生命科学研究 ・薬学における有機化学
[薬学研究への道]
・今こそ、基礎研究を! ・医療現場における薬学研究への道 ・私の薬学研究への道 ~スペシャリストになる前に、
ジェネラリストを楽しもう!~ [話題]
・「第 16 回 ISSSI: 国際ブドウ球菌研究会」参加報告 ・欧州フリーラジカル会議 2014 に参加して
・スケッチ 「ひつじ」 山崎 幹夫 ・編集後記
No. 20 January 2015
ご挨拶
公益財団法人 薬学研究奨励財団理事長 寺 尾 允 男
明けましておめでとうございます。今年も、皆様方にとりまして良いお年であることをお祈り 申し上げます。
近年、わが国の科学分野の研究能力が他国に比べて相対的に低下してきたことが論文の質や数 のデ-タで示されています。その原因の一つとして、経済的に余裕の出てきたアジアの国などが 科学研究に力を入れレベルが上がってきたことが考えられますが、わが国の研究環境の変化にも 原因があるように思えます。例えば、公務員の定員削減政策や国立大学の独立行政法人化が影響 を与えているのか、大学院博士課程を終了しても落ち着いて研究できる職に就ける道が狭くなっ てしまったことが指摘されています。このことは、わが国の今後の科学の発展にとりまして由々 しきことであると言わざるを得ません。
日本政府は科学技術立国を標榜し、今世紀初頭に今後50年間でノ-ベル賞受賞者を新たに30人 出すといった目標を掲げましたが、残念ながら近頃これもあまり聞かれなくなりました。確かに 2014年度のノ-ベル物理学賞に3人の日本人研究者が選ばれ、日本中が歓喜に沸きました。しか し、これからもわが国が同じペースでノ-ベル賞受賞者を出し続けられるかには一抹の不安があ ります。
最近は、いろいろな分野で費用対効果による評価が重んじられ、科学研究でも成果が期待でき る領域に集中的に研究費を投入する施策が進められています。確かに限られた予算枠の中から、 大いに発展が期待できる研究に集中的に研究費を投入することは必要なことであると思います。 しかし一方で、対象から外れた分野では研究費を獲得し難くなってきたということも聞かれます。 特定の領域だけが突出するのではなく、広い分野のバランス良い研究の育成がわが国の科学分野 の研究の発展のために必要なことではないでしょうか。
薬学研究奨励財団は、薬学分野の研究においてこれから芽を出すか、芽を出したばかりでも将 来に大きな花を咲かせる可能性のある様々な研究と意欲ある若い研究者を支援することを心がけ ています。
当財団の研究費助成への応募件数は、最近年々増加し採択倍率も非常に高くなりました。財団 としては採択件数を増やしたいのですが、現在の財団の財務状況を考えるとなかなか難しい面も あり苦慮しています。
皆様方のご理解とご協力を切にお願い申し上げます。
昭和39年 東京大学大学院化学系研究科薬学専攻博士課程修了 薬学博士
東京大学薬学部助教授 国立衛生試験所部長(放射線化学部、機能生化学部、薬品部)
国立衛生試験所副所長 国立医薬品食品衛生研究所長を歴任
(財)日本公定書協会会長 (社)日本薬学会監事 厚労省薬事食品衛生審議会会長 内閣府食品安全委員会委員 歴任 現在、(一財)医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団(旧日本公定書協会)会長
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特別寄稿
特別寄稿
薬剤師の飛躍のとき
薬学研究奨励財団より電話をいただき特別 寄稿を依頼され、いつもの如く安請け合いを してしまった。締め切り日が過ぎ、多大なご 迷惑をおかけしてしまい、いつもの如くの反 省の繰り返しである。さらに、これまでの 蒼々たる先生方の寄稿を目にしてなおさら身 の程知らずの自分に呆れ返っている。私には、 評論的な物書きはとても無理であるので、今 の身近にある話題でお許しを願うことにする。
近年の生命科学技術の進歩、製剤技術の進 歩により、新しい作用機序の医薬品を含め、 多くの優れた医薬品が開発・供給され、薬物 治療の進歩には目覚ましいものがある。アル ツハイマー病や糖尿病の3大合併症(腎症、 網膜症、神経障害)などをはじめとして、未 だに有効な治療方法や決定的な治療薬がなく、 治療の満足度が低い病気も存在し、そのよう なアンメット・メディカル・ニーズに対する 医薬品も少なくないが、多くの優れた医薬品 の登場は、これまで不治の病としてあきらめ ざるを得なかった病気の患者に対して恩恵と 希望を与え続けており、手術をせずに治療す ることが可能となったり、入院日数や治療日 数の短縮によるQOL(生活の質)の向上や 医療費の削減等にも貢献している。また、薬 物療法の適正化を実践するための解析方法や 生化学的手法の進歩は、個々の患者に最適な 医薬品の選択や投与量の設定などに臨床現場 で活用されてきている。このように、薬物療 法の選択肢が拡大し、質が向上し、重要性が 増大している一方、管理のみならず、相互作 用、投与速度や休薬期間など使用にあたって 注意を要する医薬品や新しい作用機序の医薬 品の登場と疾病構造の変化によって医薬品に 関係するリスクが増大していることも事実である。
※ 後文略
日本病院薬剤師会 会長 北 田 光 一
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