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第10章 何故、ヴァザリーは嘘をついたか?

5.ラファエロの恋人

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  ラファエロが亡くなった原因については、過激過ぎて私には、文章をまとめることが出来ません。
(※後ほどWikipediaの文章を転載しますので、それを参照して下さい。)

  ラファエロには付き合っていた恋人がいて、その人の名は、マルゲリータ・ルティという名の、美しい女性です。

  マルゲリータは、パン屋の娘で、平凡な家柄でした。

  一方ラファエロは、ルネサンスの貴公子といわれるほど、容姿は優れ、画家としても、法王に寵愛されるほどの実力者でした。

  身分違いではありましたが、二人は恋人同士でした。


  ヴァザーリは、二人の情事を引き合いに出して、ラファエロが死に至るまでの、空想の物語を、先に紹介した自著に書いています。

  ダ・ヴィンチの死に際の様子が作り話なら、ラファエロの死に際の様子もまた、作り話であるという見方は、正当だと考えます。

  そういう記述を目にするたび、私としては、益々不信感を募らせるのです。

「そうまでして、隠したい何かがあったのだろうか?」と…


  想像を超えるようなお金が動き、イタリアの主たる領国の君主やお妃他、何人もの有力なる人物が亡くなった1519年…

ダ・ヴィンチは亡くなりました。


そして翌年、ラファエロは、37歳の若さで亡くなりました。
(しかも、亡くなったのは誕生日です。)


  普通に考えたら…
ダ・ヴィンチも、ラファエロも、権力争いに巻き込まれ亡くなったのでは?ということが思い付くのですが、実際はどうなんでしょう?


一番のポイントは、ヴァザーリが、書物に何故、嘘を書いたのか?という点に絞られます。


  そうまでして、彼らの死因を捏造しようとした、ヴァザーリの魂胆は、一体何だったのでしょう?


『ルネサンス、画家・彫刻家・建築家列伝』は、コジモ1世に捧げられたというのですから、コジモ1世が、何らかの秘密を知っていて、
世にその秘密を知らせたくないので「死に際の様子を、書物に書くように」と、ヴァザーリに命じたのかもしれませんね。


例えば、
「彼らの死の原因が毒だったなら?」と考えます。


毒を口にしたせいで亡くなったのが真実だとしたら、それを隠蔽する為、何か物語を、捏造する必要がありますよね。


そして、その物語が、後世の人々に真実だと思われるように、書物として遺したという考え方も出来ます。


それにしても、
ダ・ヴィンチは、ある程度年をとっていたので、寿命だったのかな?と思われるでしょうが、ラファエロは、若かったので、死に至るまでの作り話に対して、無理があるというか…苦肉の策のような印象を受けました。
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