🌟真理の扉

鏡子 (きょうこ)

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第16章 重要メッセージ

手紙には、何が書かれているのだろう 4

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私は絵画を観る時、あまり解説を読まないで観賞させて頂いています。 

解説を読んだとしても自分が知らない点を補う 
参考程度に読ませて頂いています。

色々な方のブログを読ませて頂いていたら 
どうもカリスマ性のある評論家に 
随分洗脳されてしまっているようで… 

それでは 
“目覚め”はまだまだだなと… 
他人事ながら思ってしまいます。

権威のある評論家だからといって 
その絵画を、
“確かな目”で観ているとは限りません。 

実は、そういう方達は 
“確かな目”で観ることよりむしろ 
どのような評論を書けば一般大衆受けするだろうか?どのような表現方法をすれば、他の評論家よりも自分のほうが、より絵画研究に長けているかをアピール出来るだろうか?と
悲しいかな、そういうことに意識を奪われて
絵画の本質を見極めるということが 
出来ていないのです。

私の大好きな一枚の絵画が存在します。 
その絵は、未来で高い評価を受けるだろうと予想しています。 

非常にカリスマ性のある、フェルメール評論家の第一人者である、ある方は書かれた本のなかで 
その絵のことを、比較的初期に描かれた中途半端な作品と酷評しました。 

構想していた物語性も断念したと思われる。期待していたほどの奥行き(※遠近感のことだと思います)も見られないと …

私が大好きなその絵のことを低評価したのです。 

ところがどうでしょう。
近年のフェルメール絵画の人気の高まりに便乗してか?数年後、その評論家さんは、その絵に対し、評価を変えて解説をしてあります。 

◆解説転写します◆
後の風俗画と比べると、なお画面は大きい。見る者と絵画空間の間には依然としてタペストリーがバリアのように立ちふさがる。それでも、短形を基本にした構成をしたり、若い女性一人を主人公にするなど、フェルメールは確実に自己の型を見出だしつつある。
同じ人物が書いたとは、とてもとても思えないような 
変わりように、私は唖然としました。
比較的初期に描かれた中途半端な作品、
構想していた物語性も断念したと思われる。
から 
フェルメールは確実に自己の型を見出だしつつある。


…というように評価をガラリと変えてきました。 

周りの状況に左右され、態度を変えた評論家、
いかに信用のない人物であるか、証明されたようなものですね。


評論家の文章がいかに信用ならないかを説明させて頂いたところで 
話は元に戻ります。

私は93名の方に 
『手紙を書く女と召使い』の絵画の、手紙を書いている女性は 
どのような目的で誰宛てに手紙を書いているのか 
そのイメージについてアンケートを取りき、回答して頂きました。 

実に、ユニークな発想の方もおられましたが
ほとんどの方は、戦争に行っている息子に手紙を書いているとか、消息の分からなくなった旦那様を心配し、宛て先のない手紙を書いているとか…
真面目なイメージで絵画を捉えていました。 

こんな方もいましたね。 
20年以上も文通を続けて既婚者ではあるが、密かな恋心を抱いているというイメージを持たれた方もいました。 

純愛ですね。 

ところがどうでしょう? 

あの絵の解説は、愛人への和解の手紙を書いている、なのです。 

アンケートに答えて下さったほとんどの皆さんは、真面目なイメージで、あの女性を見ていらっしゃいましたが、解説になると、こうなるのです。 

何故でしょう? 

解説者は、先ず 
決め付けから絵画を読み解きます。 

最初の決めつけは 
17世紀のオランダ絵画で、女性が手紙を書いている姿の絵は、ほぼ間違いなく、それは恋文である…ということです。

次に女性の年齢を推測します。 
どうもあの女性は、若く見えません。
ちょっと老けて見えます。既婚者のようなイメージです。 
次の決めつけは 
年齢です。 
既婚者であるから、恋文を書いてある相手は恐らく愛人宛てであるだろうと推測されたのです。

まだまだ彼らの 
決めつけは続きます。

画中画(絵のなかの絵)で 
『モーセの発見』を見つけました。

『モーセの発見』の絵が、彼女に和解を諭しているそうです。解説者は、彼女が書いている手紙は、愛人への和解の手紙と解釈を施したのでした。 

何故、愛人? 

何故、和解? 

私には全く意味が解りません。 

アンケートを取らせて頂いたら 
専門家の解釈と同じ方が3名いらっしゃいましたが 

その方達の理由は、なんか悔やんでいるように見えるからとか、白い頭巾からお手伝いさんをイメージされ、ヨーロッパの歴史ではお手伝いさんから愛人になる方もいるとか…そういうイメージを膨らませ、その回答を選ばれたりして、専門家の方の発想とは、また別ものだと私は理解しました。


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