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第10章 輪廻転生の不思議
首を斬られたヨハネ 2
しおりを挟む遠いむかし
ヨハネは首を切られた。
王の行いを非難したが為、恨みをかい、王に首を切られた。
神の前において、正しい行いをしたにも関わらず
ヨハネは首を切られたのだ。
ダ・ヴィンチはヨハネに拘り、洗礼者ヨハネの絵を描いた。
フェルメールも、しかり。
1655年の作品で『聖女プラクセデス』という作品がある。
長くイタリアの画家フェリーチェ・フィケレッリ(1605~1669)の作品とされてきたが、近年フィケレッリの原作が見つかり、それを模写したフェルメールの初期の宗教画と認められるようになった。
『聖女プラクセデス』の絵には、左奥に、首を切られた殉教者が描かれてある。
そして聖女は、血を絞り、清められた血を神に捧げる、その様子を描いた絵画である。
『絵画芸術』には、ヨハネに対する想いを解読してほしいという、娘の来世に捧げたメッセージも込められていたのだろうか?
評論家によれば、フェルメールの初期の作品は、16世紀のイタリア絵画の影響が色濃い…とされている。
やはり… ヨハネに対するこだわりを示す。
やはり…フェルメールは、ダ・ヴィンチの時代の続きを生きていた。
『来世で巡り会いたい母』をイメージした絵画は、ヨハネに対する弔いの意もあったのかもしれない。
首を切られた殉教者 を憐れみその首を
また 繋げてあげたいという
切なる願い…
首を繋げる絵画、それもまたテーマの一つであるような気がする。
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