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第8章 天命を知る
ダ・ヴィンチは、信用のならない人物?
しおりを挟むある本に書かれていた内容で、史実に基づいた話である。
ある時期を境に
ダ・ヴィンチは、依頼された作品を未完成に終わらせる信用のならない人物だと言われていたらしい。
しかし、完成させた作品も現存する。
それは…
厳しい契約書を交わされた作品
そのような作品は完成させてある。
例えば…
発注と同時に制作費が分割払いされたり、もしも契約に違反した場合は厳しい経済的制裁を与える…
といった内容の取り決めがあった作品を、ダ・ヴィンチ完成させている。
なんということだろう。
厳しい制裁を受けなくても済む、
つまり、出来上がった後に、お金の支払いが行われる、そういう作品を
ダ・ヴィンチは、完成してはいないのだ。
ダ・ヴィンチは、
ある絵画を描くことだけに専念したかったのだと思う。
世間の柵のなかにいて、どうしても完成させなけばならない作品のみは、完成させたが、
それ以外の作品は、執着していなかったからなのか?未完成で終わらせていた。
対面的に見て
ダ・ヴィンチが、きちんと契約を執行せず、作品を完成させていない、そのような
最も信用のならない時期に依頼された、ジョコンダ夫人の肖像画を、ダ・ヴィンチは果たして、完成していたのだろうか?
非常に疑問である。
そのような点から吟味してみて、私は、あるイメージが湧き上がってきた。
『モナ・リザ』は
ダ・ヴィンチが依頼を受けて描いた作品なのではなく…
自分の心と向き合い 、自分の為に描いた作品であるとは、思わないか?
タイトルに、モナ・リザという
一個人名が付けられてしまった為に
我々は、真実のダ・ヴィンチの姿、その心情を理解出来なくなってしまったのではないか?
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