53 / 4,110
第5章 絵画の謎解き
「手紙を書く女と召使い」
しおりを挟む娘の生まれ変わりは、無力であるに違いない
重大な 何か、それを発見しても
誰もお前の言うことに
耳を貸すものは いないだろう
そう思っていた。
だから来世、娘の魂を受け継いだ者に
手紙を書くことを指示した。
重大な何かを見つけたなら
力ある人を探し
手紙を書きなさい。
人類が犯した過ちを知ったならば
ひたすら手紙を書くようにと、指示をした。
私は
現実として解読し終えた後で、 ある人宛てに
懸命に手紙を書いていた。
『手紙を書く女と召使い』に
描かれている
モデルの女性のように …………
思い起こせば
(私が生まれる)300年前
私も 一度だけ
フェルメールの絵のモデルをつとめたことがある。
現在
メトロポリタン美術館で『眠る女』と
共に展示されている
『少女』
あの絵のモデルは
300年前の私である。
客観的に見ても
あまり可愛い顔立ちをしているとはいえない。
表情もどこか強張っているようで
何を考えているか?
曖昧な表情である。
あの絵は、病で死に急ぐ運命の娘を
絵の中に納めたもの
だから
芸術作品というより
むしろ
《遺影》だった。
『絵画芸術』を完成した翌年頃に
『少女』の絵は
完成された。
少女は
眠る女が、本当は眠っていないことを知る
ただ、一人の少女だった。
そして
300年後の私は 《モーセの発見》をした。
手紙を書く女と
同様の行動をしていた。
モーセの発見に関しては
改めて書くとしよう。
私は《モーセの発見》をして
ひたすら手紙を書いていた。
絵画のモデルの
中年の女性のように
16世紀ルネッサンス
レオナルド・ ダ・ヴィンチ
それにまつわる発見
それは、
神が決して
してはならないと言われた
大事なことを
犯した、人類の発見
私は……美術史500年の間で
起きてしまった悲劇 を知ることとなる。
無力な私は
ただ
ただ
手紙を書くしか
外に
為すすべがなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
56
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる