22 / 4,110
第1章 メトロポリタンミュージアムへ行こう
いざメトロポリタンミュージアムへ 6
しおりを挟むメトロポリタンミュージアムで、フェルメールの絵画に出逢う前の見学内容を、少し踏み込んで記述しようと思う。私達は、ガイドさんが、《見どころ》だと認識されている展示品を次々に紹介された。
中世ヨーロッパの美術品や工芸品、王様や貴族の人が身につけていた、アクセサリーなどにも、心を奪われた。
ルイ15世の愛妾ポンパドール夫人が愛用したという調度品を観て、華麗で優雅なフランス王室を連想した。
ふと、私は…記憶喪失の患者さんのような(頭が痛い)症状となる。
フランス王室の部屋の中、私は、いつかどこかで見ていたような…
思い出せそうで、思い出せない。なんだか、もどかしい気持ちで、一杯だった。
確かに、その頃の私は、物質文化の元で生活してしていたので、精神世界で見た光景のことを、思い出せる訳もない。
ガイドさんは、絵画のコーナーになると、特に熱弁となり、やたら解説が長い。解説の後で、絵の前にある長椅子に座らされたりした。「それでは、5分間、絵をじっくりと鑑賞されて下さい。」などと言われる。
いくら、私が絵画が好きでも、一つ一つ そのように時間をかけて鑑賞する余裕はない。
それよりも…沢山の絵画を、味わいたかったから…。近くの美術館なら、じっくりと鑑賞したいけれど、その地は、ニューヨークだ。そうそう行ける場所ではない。
やはり、ガイドさんは、私が想像したように…売れない画家だったかもしれないと後から思った。
絵画鑑賞は、自分の魂と向き合い、5分間くらいは、語らいをしなければ
本質は、理解出来ないかもしれない。
ところで…私が、メトロポリタンミュージアムで、楽しみにしていたのは、エジプト美術や、絵画だけではなかった。
偉大な建築家フランク・ロイド・ライトの『リトルハウスの居間』を観ることを私は、最も熱望していた。
ところがである。
フェルメールの『眠る女』を観たくらいから、ダンナが、「頭が痛い。熱があるかもしれない。」と言いだした。
肝心な時に…全くこの人は…
私は、ダンナを心配するよりも…
メトロポリタンミュージアムを早めに退散しなければならないかもしれない… という
そんな思いや
嫌な予感で
一杯だった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
56
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる