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第1章 メトロポリタンミュージアムへ行こう
いざメトロポリタンミュージアムへ 5
しおりを挟む私は度々夢の中で、幻影を見る。
起きたばかりの私は、その映像の中に存在する。
前世ということを理解出来ない小さい頃は、未熟な脳みそだったので、よく混乱していた。
夢のなかだけに現れる場所、匂い、感触、それが、あたかも現実で体感しているのではないかと思えるほど、リアルな時があるからだ。
私は、確かに絵を探していた。
襞襟をつけた、300年以上も前のオランダ人が、あまりにも、夢によく出てきて、「頬杖つく女よ。本当は、頬杖をつく女よ。」と私に訴えていたので
私は、「頬杖をつく女を探す。頬杖をつく女を探す。」と呪文のように唱えていた。
ある日、私は、目覚めたばかりで、大きな声で独り言を発した。
「そうよ。眠る女が眠っていないことを知っているのは、少女だけ。」
そういえば…
メトロポリタン美術館に、『眠る女』と『少女』という絵画がある。
残念ながら、私は、メトロポリタン美術館で、『少女』の絵は観ていない。フェルメール作品で、ガイドさんが紹介してくれたのは、『眠る女』だけだった。
『少女』の絵を美術雑誌で改めて見た。
私は、その絵だけは、フェルメール作品の中で異質に見える。
霊感体質の私は、少女の顔を観て、美術作品というよりも、まるで『遺影』のようであると思った。
ところで、私は、2008年の秋頃より1年数ヶ月もの間、TVのない生活を経験することになった。TVが壊れたことをきっかけに、気まぐれに旦那が「我が家にTVはいらない。TVのない生活をしよう。」と言ったからである。私は音声や映像など、外部からの刺激を遮断されて、自分の心の奥深くに眠る色や音、触感などと向き合うようになった。そのお陰で、過去に体験した、夢や体験を、次々に思い出すことになったのである。
1999年、メトロポリタンミュージアムに行った当時の私は、まだ物質文化に翻弄されていた。
それが故に、ただ単に
『眠る女』は、有名な画家の作品であるとの認識でしかなかった。
しかしながら、私は、『眠る女』に最も心を奪われた。何か秘められたストーリーがあるように感じずにはいられなかった。加えて、巧みな描写力に、感嘆していた。
だから私は
ガイドさんから教えてもらった
フェルメールという名前の画家のことを《もっと知りたい》
フェルメールの絵画を《もっと観たい》
と願うようになったのである。
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