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第187章 母なる愛
2020年の最後の満月は、12月30日だった。
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2020年の最後の満月は、12月30日だった。
日中天気は、大荒れで、あられのような雪がちらつく。
真っ黒い雲が立ち込めていたので、今日は、満月は観れないと、はじめっから諦めていた。
夜には、嵐がおさまり、ベランダ側の窓を開けた時、外が、少し明るくなっているような気がした。
「もしや、月光か?」
そう思ったが、忙しい年末、
それが月の光なのかどうかを確かめる余裕などない。
それでも、家族が寝静まった時間帯に、のこのこと、ビルの屋上に立ち、
夜空を見渡す、私がいた。
「ここは、暗黒の世界なのか?」
そう思うほど、真っ暗だったので、満月を見るのを、3秒で諦めた。
ドアに向かって歩いていたが、最後の望みで、振り返って、空を見た。
真っ黒い雲をかき分けるように、僅かな光が、射している。
「ああ、あの場所に、今年最後の満月がいる。」
そう思えるだけで、充分幸せだった。
月を見るのを3秒で諦めるような…
そんな夜空だったのだから。
閃光を、暫く見つめていた。
真っ黒い雲が、その閃光から少しずつ離れていき、月が、半分くらい顔を見せてくれた。
そこまでが限界。
あっと言う間に、また、月は、真っ黒い雲にお隠れになった。
「やっぱり、そうだ!」
私は、目覚めて悟るような気持ちになった。
月は、いつも、私の心に寄り添うように存在している神様だった。
《正解な答えは、私ではなく私たち》
月は、黄泉の国を照らす神様だ。
月に導かれ、真実を知る。
真実を知る黄泉の国の住人は、
私が月を観るたびに、黄泉がえり、
謎解きの鍵を渡してくれていた。
【2020グレート・コンジャンクション】
2020年12月に木星と土星が大接近する現象が見られます。ここまで接近するのは、1623年以来という約400年ぶり! しかも次に同じ現象が観測できるのは60年後という、とても希少なイベントになります。そこで今回は、最もよく見える時間や方角など観測のポイントをご紹介。12月中は観測できるので、仕事帰りや自宅のベランダから夜空を見上げてみて。
日中天気は、大荒れで、あられのような雪がちらつく。
真っ黒い雲が立ち込めていたので、今日は、満月は観れないと、はじめっから諦めていた。
夜には、嵐がおさまり、ベランダ側の窓を開けた時、外が、少し明るくなっているような気がした。
「もしや、月光か?」
そう思ったが、忙しい年末、
それが月の光なのかどうかを確かめる余裕などない。
それでも、家族が寝静まった時間帯に、のこのこと、ビルの屋上に立ち、
夜空を見渡す、私がいた。
「ここは、暗黒の世界なのか?」
そう思うほど、真っ暗だったので、満月を見るのを、3秒で諦めた。
ドアに向かって歩いていたが、最後の望みで、振り返って、空を見た。
真っ黒い雲をかき分けるように、僅かな光が、射している。
「ああ、あの場所に、今年最後の満月がいる。」
そう思えるだけで、充分幸せだった。
月を見るのを3秒で諦めるような…
そんな夜空だったのだから。
閃光を、暫く見つめていた。
真っ黒い雲が、その閃光から少しずつ離れていき、月が、半分くらい顔を見せてくれた。
そこまでが限界。
あっと言う間に、また、月は、真っ黒い雲にお隠れになった。
「やっぱり、そうだ!」
私は、目覚めて悟るような気持ちになった。
月は、いつも、私の心に寄り添うように存在している神様だった。
《正解な答えは、私ではなく私たち》
月は、黄泉の国を照らす神様だ。
月に導かれ、真実を知る。
真実を知る黄泉の国の住人は、
私が月を観るたびに、黄泉がえり、
謎解きの鍵を渡してくれていた。
【2020グレート・コンジャンクション】
2020年12月に木星と土星が大接近する現象が見られます。ここまで接近するのは、1623年以来という約400年ぶり! しかも次に同じ現象が観測できるのは60年後という、とても希少なイベントになります。そこで今回は、最もよく見える時間や方角など観測のポイントをご紹介。12月中は観測できるので、仕事帰りや自宅のベランダから夜空を見上げてみて。
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