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第178章 魔法が、とけていく。
よくよく考えたら、目覚めていないわけではなかった。
しおりを挟む「自殺と見せかけて、実は暗殺だったかもしれない。」
そのような案件を、私たちは、今までに何度も見てきた。
一番、強烈な記憶は、ライブドア関連で、H S証券の(当時)副社長だった野口英昭氏が亡くなった時だった。
沖縄の那覇市のホテルで、野口氏は、謎の亡くなり方をした。
しかし、警察は、断固として、自殺であるという見解を取り続けた。
証拠とする品は、一つまた一つと、消されていく。
こういった事件は、過去に何度も見てきている。
その度に、こう思って諦めていた。
「世の中には、どうあがいても、どうすることも出来ないことがあるんだ。」
拉致問題に対しても、そうだ。
明らかに北朝鮮に連れ去られた事実を確認出来ているのに、彼女たちを救い出すことが出来ない。
《世の中には、どうすることも出来ないことが沢山ある。
だから… どんなに戦っても、最終的に、泣き寝入りするしかない。》
そうやって、諦めることを、積み重ねていき、
私たちは、飼い慣らされていることに、慣れきっていた。
だから、本当の意味で、
私たちは、目覚めていないわけではなかった。
本当は、見えないものを、見ようとしていた。
本当は、聞き耳をたてていた。
しかし、寝たふりをしていた。
寝たふりをしていたら、自分に害は及ばない。
突然起きて、反抗なんかしたら、首を斬られてしまうかもしれない。
寝たふりをしているのが、一番賢い選択だったんだ。
しかしながら、これは、今までの話…
今は、そうじゃない。
新型コ○ナウィルスが流行って以降、
この価値観は、通用しなくなりました。
見えない戦争が、
地球上すべての人の、ひとりひとりの、
生死に関わる問題に発展してしまったから。
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