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第177章 私の知らない世界
現象学的還元とは何か?(分かり易そうな解説を見つけました)
しおりを挟む現象学的還元
8月
24
現象学的還元
By: hasegawa | 1 Comment | Creative Thinking, Notes | with
イノベーション, クリエイティブ・シキング, ロジカル・シンキング, 創造性
「現象学的還元」は、「エポケー(判断中止)」と共に用いられる現象学の中心概念で、E.フッサールが最初に提示しました。
現象学は哲学の一分野とされていますが、これは「真理とは何か」を問う類の哲学とは異なります。現象学はむしろ、「それが真であると確信される(あるいは“認識される”、“妥当する”)のは何故、どのようにしてか」を問うための“方法論”であり、“思考原理”です。
そのため、日常生活のあらゆる場面、政治、ビジネス、ディスカッションの場など、様々な生活世界における思考の道具となりえる極めてプラクティカルなツールです。
►「確信成立の条件と構造」を明らかにする思考ツール
私たちの世界認識は、通常、「目に見えるものや感覚器官によって知覚・認識できるものが客観的な実体としてに存在する」と考えます。
これをフッサールは「自然的態度」と呼びました。
しかし、注意深く考えると、このような認識は本当に正しい認識と言えるのか、という疑問がわいてきます。
たとえば、日本語文化圏では、空から降ってくる白い粉のような冷たい氷を「雪」と認識します。
しかし、エスキモーの文化圏では、そのようなものを総称的に表す言葉はなく、日本語の「雪」にあたるものは、その“落下物”の特長により細かく分類され、それぞれ別のものという認識がなされています。
つまり、エスキモーの社会では、日本語で言う「雪」という実体は存在しません。
このように、実は客観的実体や客観的事実というものは存在せず、あるのは認識主体による対象(生活世界)への主観的な解釈ないし評価のみです。
このような主観の背後に存在する意識の支配的な能作を現象学では「志向性」と呼びます。自分の意識が何を志向しているかによって、対象(生活世界)の認識が異なってきます。
別の表現をすれば、世界(認識)は対象世界を意識する主体と無関係に成立することはありえない(無色透明の客観的世界というものは存在しない)ということです。
しかし、私たちは意識しないとこのような注意深い思慮はできず、生活世界(現象学の用語で「認識の対象」といった意味)というものを客観的に存在する実体・事実の体系ととらえてしまいます。
フッサールによれば、実はこれはガリレイやデカルトらによって確立された近代的二元論、すなわち「主観」と「客観」とが独立して存在するというパラダイムに多くの現代人が支配されている所以です。
現象学では、あらゆる認識行為は「主体による生活世界の“主観的な確信”である」と考えます。その生活世界が自分に立ち現われてくるその「確信の成立の条件と構造」を問うて明らかにする行為を現象学的還元と呼びます。
※ 転載続きます。
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