🌟真理の扉

第171章 目覚め

クマゼミ、アブラゼミ、カブトムシのメス

8月の半ば頃、商店街の入り口のほうで、仰向けにひっくり返っているクマゼミを見かけた。



最初は、死んでいるかと思ったが、手に取ると生きているのを確認した。


何が原因で、死にかけているのかは分からない。


とにかく、こんなところで、ひっくり返っていては可愛そうだと思い、安全そうな場所を見つけて移動させた。



8月の終わり、自宅近くにて、今度は、明らかに弱ったアブラゼミを見た。


残暑は続くが、もうすぐ夏も終わり…

蝉は、生き難い季節なのか？

手に取ると、脚をバタバタさせて、動いてはいるものの飛べそうもない状態だった。


やはり、こんなところで、弱っていては可愛いそうだと思い、安全そうな場所に移動させた。




9月に入り、ビルの駐車場で、
何かをじっと見つめている、ランドセルを背負った息子（小6）を発見した。



私は、ビルの2階から、息子を観察していた。
息子は、動かずに何を見ているのだろう？と思い駆け寄った。



「何を見ているの？」私が尋ねたら、


「ゴキブリ…  じゃないよ。

たぶんカブトムシのメス」と息子は答えた。





私も息子と一緒にその虫をじっと見ていた。

やはりカブトムシの雌で、間違いない。




あの日見た、クマゼミのように、ひっくり返って仰向けになっている。



私は、手に取った。


ちゃんと生きていた。何故、ひっくり返って仰向けになっていたか原因は不明…



虫好きの長男に見せてから、安全な場所に逃がしてあげようと思い、カブトムシの雌は、家に持って帰って虫かごに入れた。