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第167章 審判
鬼は、病気にも繋がってくる。
しおりを挟む記憶に新しい、最近書いた記事である。
日本最古の医学書とされている、「医心方」 は、平安時代の鍼博士であり、医家の丹波康頼氏によって書かれた。
朝廷に献上された、全30巻の大作だという。
日本の医学史だけではなく、国語学史や書道史上から見ても重要で、国宝に指定されているそうだ。
その医学書によると、病気の原因「疫鬼」(えきき)だという。
現代では医学が一つの学問として成立し、病気は医学の力で治すことができるというが、太古の昔は、病気の原因は鬼だと解釈した。
病気の原因であった鬼は、虫になり、
虫は、ちゃんとした学問として定義付けされた病名となる。
医学がどんなに発達しても尚、原因不明の難病があり、また、新型のウィルスに悩まされたりする。
こうなってくると、
「病気の原因は、やはり鬼や虫なのではないか?」と、錯覚を起こしてしまう。
どんなに科学や医学が進歩しても、人間には、鬼が付き纏う。
タマシイに鬼の字が含まれる限り、私たちは、身体の深い奥の奥に
誰しも鬼を宿しているのだ。
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